2019/09/22(日) 阪神甲子園球場
ベイスターズ 0-3 タイガース
勝 オネルキ・ガルシア 4勝8敗
S 藤川球児 4勝1敗15S
負 エディソン・バリオス 1勝2敗

今シーズン最後の甲子園球場。
またもやタイガースの軍門に屈した。

タイガース投手陣を打ちあぐねるベイスターズ打線を鼓舞するように、今日もベイスターズブルペン陣はフル稼働。

6回裏のピンチでは石田健大の見事な火消し。

7回裏は国吉佑樹が圧巻の三者凡退。

そして8回裏のマウンドには、前日に一軍復帰を果たした背番号94が向かった。

1994年8月7日生まれ。
北海道旭川市出身の24歳。

道立旭川西高校から早稲田大学スポーツ科学部へ進学。

一般入試で合格し、硬式野球部に入部するが2日で退部してしまう。

体育会的体質に馴染めなかったのだ。

ただ野球への情熱が覚めたわけではなかった。

学問に励み、アルバイトに勤しみ、トレーニングを続けた。

そして、一つの出会いが彼の人生を開く事になる。

谷沢健一。
中日ドラゴンズの名球会選手は、客員教授として彼の講義を担当。

「独立リーグを受けてみたらどうだ?」

何気ない一言をきっかけに、在学しながら、独立リーグの信濃グランセローズに入団。

大学生と独立リーガーの二足のわらじを履く生活が始まった。

元近鉄、楽天でリリーフとして活躍した有銘兼久コーチらの指導を受けて、その才能が開花。

2016年10月20日。
ドラフト会議でベイスターズから育成1位の指名を受ける。

そして早稲田大学も卒業。
卒業論文のテーマは「クイック投法について」。

文武両道の青春を勝ち抜いたのだ。

2018年シーズンのキャンプ前に支配下登録。

シーズン最終盤で、学生時代には縁のなかった甲子園と神宮ののマウンドに立った。

飛躍を期した今シーズン。
開幕一軍を勝ち取るも、2度のファーム降格。

プロの壁にぶち当たった。

苦しい夏場にファームで結果を残し、ポストシーズンに向けたこの大事な時期に一軍のマウンドに帰ってきた。

タイガース打線を2三振を含む三者凡退の圧巻の投球。

今永将太に続く投手が不在の先発陣。
連日連夜の奮闘で疲労困憊のブルペン陣。

若き苦労人が、ベイスターズ反撃の秋の救世主となれるか。

豪腕よ、横浜秋の陣を切り開け!

たたかうぞ
闘志みなぎらせて
勝利の海
行くぞベイスターズ

横浜DeNAベイスターズ。
背番号94。
笠井崇正。

SPEEDY PROGRESS.
毎日の練習の中で、ひとつでも得るものがあるように。

FOR THE MOMENT THAT WILL LAST A LIFETIME.
一生残る、一瞬のために。


2019/09/21(土) 横浜スタジアム
ベイスターズ 2-3 ジャイアンツ
(延長10回)
勝 大竹寛 4勝0敗
S ルビー・デラロサ 1勝0敗8S
負 三嶋一輝 5勝4敗

ジャイアンツが5年ぶり37回目の優勝を決めた。

5年前と同じく目の前で胴上げを見せつけられた。

だが、5年前とは違う。

優勝争いをするチームとして。
マジック対象のチームとして。

だから、尚更悔しさが増す。

僅かばかりの差が大きな差となった。
大切な戦いをものにすることができなかった。
そして、この日を迎えてしまった。

それは、またあの日と同じ光景だった。

2017年11月4日。
福岡 ヤフオク!ドーム。
日本シリーズ第6戦。

3連敗から2連勝し、迎えた9回裏。
リードは僅かに1点。

マウンドには小さな大魔神。

相対するはかつてのベイ戦士 内川聖一。

「あれは失投ではなかった。僕の力不足です」

痛恨の同点弾を打たれ延長戦へ。

延長11回裏のピンチでライト梶谷谷隆幸の返球が後ろにそれてサヨナラ負け。

絶対王者ホークスの胴上げを目の当たりにした。

あの日の悔しさを胸に、ベイスターズは戦ってきた。
小さな大魔神は、戦ってきた。

今シーズンは史上最年少の150セーブを達成。
7月度月間MVP。
そして2年連続のセーブ王も決まっている。

他球団がストッパーに苦しむ中、ルーキーから5年連続で守護神を務めていることこそ、奇跡に近い。

大舞台で味わった屈辱は、大舞台で返すしかない。

今一度、戦いの舞台に向かうチャンスはまだ残されている。

ここからが、本当の戦いだ。

やられたら、やり返せ!(権藤博)

歓喜の舞台の中心に立つのは、背番号19だ!

たたかうぞ
闘志みなぎらせて
勝利の海
行くぞベイスターズ

横浜DeNAベイスターズ。
背番号19。
山﨑康晃。

TAKE PRIDE IN YOUR WORK.
自分の仕事に誇りを持つ。

FOR THE MOMENT THAT WILL LAST A LIFETIME.
一生残る、一瞬のために。



2019/09/19(木) 横浜スタジアム
ベイスターズ 11x-8 カープ
(延長11回)
勝 三嶋一輝 5勝3敗
負 今村猛 3勝1敗1S

絶望が希望へ。
暗雲が晴天へ。
苦悩が歓喜へ。

大事な大事な試合。

エース今永昇太がまさかまさかの7失点。

誰もが終わったと思った。

この試合だけではない。

優勝を争う大事なゲームで致命的なビハインド。

ああ、シーズンが終わってしまうのか。

だが、選手たちは諦めていなかった。

0-7の6回裏。

背番号99が、一振りでスタジアムの空気を塗り替える3ランホームラン。

蒼い韋駄天・代打 梶谷隆幸のグラウンドスラムは、通算100号のメモリアル・アーチ。
記念の一打が一気の同点劇へ。

0-7からの同点劇は、1998年7月のハマスタ・ジャイアンツ戦を思い起こさせる。

復活のエース斎藤隆を打ち砕く松井秀喜、清原和博、高橋由伸のトリプルホームラン。

取られても取られても食らいつくマシンガン打線。

仕上げは佐伯貴弘の打ち直しホームラン。

「もののけに取りつかれたようだ」

権藤博監督が残した名言と共に、あの夏の横浜は、一気に優勝へ駆け抜けた。

人智の想像がつかないドラマが起こる時、奇跡は現実になる。

8回裏にも梶谷の同点タイムリー

延長にもつれる死闘は、嵐のカリビアンが決着をつけた。

ファールで粘りに粘り、カープバッテリーを追い詰める。

最後の最後に振り抜いた打球は、鮮やかな軌道を描き、レフトスタンドへ。

夢か、奇跡か、幻か。

ハマスタが歓喜に包まれる。

まだまだ誰も諦めていない。

横浜には、嵐のカリビアンがいる。

優勝へ向かって、皆で駆け抜けよう!

まさかは実現する。

Going on ソト!
Touch'em all ソト!
君は嵐のカリビアン
見せつけてやれ
パワフルスイング

ソト! ソト! ソト! レッツゴー!

横浜DeNAベイスターズ。
背番号99。
ネフタリ・ソト。

THE LORD IS MY STRENGTH,
I HAVE NOTHING TO FEAR.
失敗を恐れずに挑戦し続けるんだ。主はわたしとともにいる。

FOR THE MOMENT THAT WILL LAST A LIFETIME.
一生残る、一瞬のために。


2019/09/15(日) ナゴヤドーム
ベイスターズ 6-2 ドラゴンズ
勝 エディソン・バリオス 1勝1敗
負 三ツ間卓也 2勝1敗


世の中には、絶対に有り得ないと言われた事が実現することがある。

「今季中の復帰は絶望か」

悪夢の骨折から1ヶ月。

背番号51は、闘いの最前線に帰ってきた。

一軍復帰即サードのスタメン。

3試合連続複数安打。

ハマの安打製造機が、華麗に復活を遂げた。

この日は、復帰後初ホームランは鮮やかな同点弾。

「打ったのはシュートだと思います。入ってくれーと思いながら走っていました。とにかく出塁しようと思って、打席に向かいました」

笑顔で語るその人柄にも、ファンは引き寄せられる。

まだまだ厳しい闘いが続いていく。

だが、絶望を希望に変えた男が横浜にはいる。

本当の闘いはこれからだ。

乾坤一擲の大勝負。

横浜劇場を見逃すな!

さあ振り抜け宮﨑
気迫あふれるパワーで
夢描け鮮やかに
空高く

横浜DeNAベイスターズ。
背番号51。
宮﨑敏郎。

ALL THE BEST!!
成功を願って!!

FOR THE MOMENT THAT WILL LAST A LIFETIME.
一生残る、一瞬のために。


2019/09/14(土) 横浜スタジアム
ベイスターズ 7-4 スワローズ
勝 上茶谷大河 7勝6敗
負 石川雅規 7勝6敗

ハマの元気印が帰ってきた!

スタジアムDJのコールを受けて、背番号1はセンターに駆け出していく。

ハマスタから、怒濤のような大歓声がわき起こる。

みんなが待っていた。

彼の勇姿を待っていた。

真っ黒く日焼けした精悍な表情に、最高の笑顔が輝く。

1番センターで一軍復帰即スタメン。

再三にわたる好守備。

そしていきなりの猛打賞。

背番号1は、水を得た魚のようにフィールドを駆け巡った。

彼の勇姿は、ハマスタのど真ん中によく似合う。

そして、鮮やかに輝く。

僅かばかり残された優勝への細い糸。

それを掴み、栄冠を勝ち取る最終兵器として、彼はハマスタに帰ってきた。

「結果が出て良かった。いろいろ悔しい思いをしたが、ここまできたら全力でやるだけ」

彼の勇姿があってこその、横浜の躍進。

彼の活躍があったればこその、ベイスターズの闘い。

最後の最後の大勝負。

一番辛い思いをしてきた男が、ここ一番でその力を発揮する。

熱い熱い横浜劇場を見逃すな!

今だクワ喰らいつけ
燃えろガッツマン
突っ走れどこまでも
勝利を呼ぶ男

横浜DeNAベイスターズ。
背番号1。
桑原将志。

GOOD TEAMMATES.
チームのためにベストを尽くす。

FOR THE MOMENT THAT WILL LAST A LIFETIME.
一生残る、一瞬のために。


2019/09/12(木) 横浜スタジアム
ベイスターズ 5-8 ジャイアンツ
勝 田口麗斗 3勝3敗1S
負 平良拳太郎 5勝5敗

優勝争いの大一番。
首位攻防の天王山。
絶対負けられない3連戦。

こんな言葉、見聞きするのはいつ以来だろうか。

まさに、21年ぶりの大勝負。

真正面から闘いに挑んだ。
だが、負け越してしまった。

ウイング席が増設されて、連日32000人が詰めかけた横浜スタジアム。

熱き星たちの歓声は、溜息に変わった。

だが、最後まで選手たちは諦めることなく食らいついた。

その口火を切ったのは、我らが選手会長だ。

4回を終了して1-6の5点差。

絶望的なスコアの中で、今日も左腕はマウンドに向かう。

2年連続開幕投手を務めながら故障で開幕に間に合わず、中継ぎとしてスタート
した。

「いつかは先発のマウンドに戻りたい」

熱き想いを心に秘めて、ピンチの場面を何度も救ってきた。

春先に大型連敗を繰り返したチームが、気がつけばAクラスに躍進。

一時は首位に0.5ゲーム差まで肉薄。

後半戦から先発ローテーションに復帰した彼も、安定した投球で白星を重ねていっ
た。

そして、勝負の9月。
再び、彼の職場はブルペンになった。

勝ち抜けないチームにあって、痺れるピンチを何度も救ってきた。

何より、顔付きが変わった。

温厚で柔和な表情に、力強い輝きが加わった。

闘う男の顔になった。

左腕には圧倒的な力が漲る。

5回表を三者凡退で抑えると、攻撃陣にその闘志が乗り移る。

連打で3点差に詰め寄り、今一度ゲームを立て直した。

6回表も無失点に抑えた彼のピッチングに、今一度チームは起ち上がったのだ。

大事な闘いに、勝ち抜くことは出来なかった。

だが、まだ終わってしまったわけではない。

僅かばかりの可能性がある限り、最後の最後まで戦い抜くだけだ。

寡黙な左腕は、身をもってその事を示して見せた。

熱い闘いは、まだまだ続く。

背番号14の熱い夏は終わらない。

左腕がうなれば
狙いははずさない
ピンポイントの技
攻めて攻めろ 健大

横浜DeNAベイスターズ。
背番号14。
石田健大。

GRATITUDE.
ファン、家族、環境、すべてのものに感謝。

FOR THE MOMENT THAT WILL LAST A LIFETIME.
一生残る、一瞬のために。


2019/09/11(水) 横浜スタジアム
ベイスターズ 10-4 ジャイアンツ
勝 井納翔一 4勝5敗
負 桜井俊貴 8勝4敗

5連敗でジャイアンツに2度目のマジック点灯を許してしまった。

まさに崖っぷちの状況を打破したのは、2回裏のネフタリ・ソトのバックスクリーン直撃弾。

3回裏には2打席連続ホームランをレフトスタンドへ。

ジャイアンツの猛攻も、途中出場の梶谷隆幸の力と技のホームランで突き放していく。

そして迎えた8回裏。

7~8回を無失点で抑えた剛球左腕エドウィン・エスコバーの代打として背番号5が打席に立った。

1991年1月7日生まれ。
神奈川県茅ヶ崎市生まれの28歳。

少年時代の憧れは石井琢朗。

「いつかは横浜スタジアムで、石井さんのようなショートして活躍する」

少年は大志を抱き、横浜高校へ進学。

横浜高校では、1学年下の筒香嘉智とともに全国ベスト4。

創価大学では、同学年の小川泰弘とともに全国ベスト4。

キャプテンとして活躍した彼は、エースの小川とプロ野球志望届を提出。

だが、指名は叶わなかった。

「原点に戻って一からやり直す」

固い決意を胸に、都市対抗野球の常連 日本新薬へ就職。

南海ホークスなどで活躍した門田博光の指導を仰ぎ、打撃開眼。

堅実な守備も評価され、ドラフト候補選手と成る。

「強打の内野手がほしい」

中畑清監督の意向も受けて、2014年ドラフト3位で入団。
同社からは10年ぶりのプロ野球選手と成った。

「背番号5、空いてるぞ」

3位指名ながら、1位は山﨑康晃(背番号19)、2位は石田健大(背番号14)と投手の指名だったこと。

前年に森本稀哲が退団していたこと。

何かに導かれるように、彼は背番号5を背負うことになった。

「やっと背番号5にふさわしい選手が出てきてくれた」

当時、カープのコーチをしていた石井も我が事のように喜んでくれた。

7番ショートで開幕スタメンを勝ち取り、一気にレギュラーに。

2017年には、レギュラーシーズン、クライマックスシリーズ、日本シリーズとフルイニング出場。

一気にチームの看板選手と成った。

そのオフに風向きが変わる。

タイガースから球界屈指の守備職人 大和がフリーエージェントで移籍。

セカンドへコンバートされ、フルイニング出場も途絶えた。

本来の調子を取り戻すことが出来ないまま、シーズンが終わってしまった。

「ショート一本で勝負する」

並々ならぬ決意で迎えた2019年シーズン。

思うような結果が伴わず、ファームでの調整が続いた。

かつて一軍でレギュラーを貼った仲間たちや、明日を夢見る若い選手たちと横須賀で汗を流してきた。

そして勝負の9月、背番号5はハマスタへ帰ってきた。

大歓声の中、打席に向かう。

鋭く振り抜いた打球は、三遊間へ。

坂本勇人のスーパーキャッチも何するものぞ。

間一髪のタイミングをヘッドスライディング。

この闘志。
この気迫。
この執念。

連敗中に少しだけ足りなかった何かを、寡黙な彼が身体を張って示して見せた。

どん底から這い上がってきた男に、失うものはない。

それが、ネフタリ・ソトのこの日3本目と成るホームランに繋がった。

連敗が止まったとはいえ、チームは崖っぷち。

僅かに残る優勝への可能性も風前の灯火。

だが、最後の最後まで戦い抜くしかない。

その先に、栄光の頂は必ず姿を現す。

本当の闘いは、これからだ。

かっとばせ 見せろ男意気
さあ打つぞ 勝利へ導け

横浜DeNAベイスターズ。
背番号5。
倉本寿彦。

PLAY FROM THE HEART.
心こそ大切なれ。

FOR THE MOMENT THAT WILL LAST A LIFETIME.
一生残る、一瞬のために。



僕たちのLIFEシフト
「戦力外通告」をプラスに変えた転職の思考
小杉陽太 著
徳間書店

年末の人気番組の一つ「プロ野球戦力外通告」。

華やかなプロの世界から「無職」になってしまった男たちを追いかけるドキュメント。

著者もこの本に登場する元選手たちも、一度はその「戦力外通告」を受けた男たちだ。

だが、この本には全く悲壮感がない。

著者自身、現役時代から親会社がDeNAであったという環境を活かし、学んでいた。

そして引退後すぐに「起業」し、今日に至っている。

馬肉を専門に扱う会社に就職した、ベイスターズの代打の切り札にして元選手会長の下園辰哉。

タイガースを戦力外通告後、初のプロ野球選手出身の公認会計士となった奥村武博。

ペーチェット病と闘いながらジャイアンツの育成選手となり、球団職員を経て大手外資系コンサルティング会社「アクセンチュア」に就職した柴田章吾。

ベイスターズのブルペンキャッチャーから、顧客関係管理のクラウドアプリケーションを提供する外資系企業「セールスフォース」に就職した松下一郎。

ベイスターズ、楽天イーグルス、アメリカ独立リーグを経て、実兄とともに大阪で「焼き肉39ごりら」を経営する藤江均。

プロ野球を戦力外になったことだけが取りざたされるが、もともとプロ野球選手になれたことこそが凄いこと。

野球という複雑なルールのスポーツの最高峰のレベルに一度はたどり着いた男たち。

圧倒的な身体能力と、明晰な頭脳と、コミュニケーション能力がなければ、プロの目にはとまらない。

一人ひとりが、「戦力外」という挫折すら武器にして、本当にやりたいことを掴んでいく。

迷っている時間があったら、一歩踏み出せ。

ピンチはチャンスだ。

そのためにも、自分自身を正確に把握せよ。

その生き様は、刺激に充ち満ちている。

生きる元気、前に進む力が沸き上がってくる好著。


2019/09/04(水) 横浜スタジアム
ベイスターズ 7x-5 タイガース
(延長10回)
勝 エドウィン・エスコバー 5勝4敗
負 能見篤史 1勝2敗

「勝負の時は、必ず9月に来る」

我らのキャプテンは、梅雨明けからそう言い続けてきた。

「プレーするのは選手なので。今回は選手みんなで決めよう」

8月最後の3連戦で、選手会長の石田健大とともに考えてきたスローガンをチーム全員の前で発表した。

「この瞬間を逃したら、一生戻ってこない」

選手、監督、コーチ、スタッフ全員の名前が記されたTシャツを、一人ひとりに手渡していく。

春先の悪夢の10連敗。
そこを打ち破る、初代キャプテン石川雄洋のホームランから始まる快進撃の映像が、少年時代の選手たちと織り交ぜて公開される。

厳しく激しい競争を勝ち抜いて、プロ野球という世界に足を踏み入れた選手たち。

その究極の目標である優勝が、手に届くところまで来ている。

四番に戻ったキャプテンが、最後の最後に結果を出した。

4点のビハインドを追いついて、試合は延長戦に突入。

22時を過ぎて、鳴り物の応援がなくなった横浜スタジアムに、背番号25の美しく力強い応援歌が轟き渡る。

鋭く振り抜いた打球は、熱き星たちが陣取るライトスタンド上段へ突き刺さる。

キャプテンはバットを放り投げて歓喜の雄叫びを上げる。

スタジアムが熱狂に包まれる。

「全員で勝ち取った試合。最後までベイスターズらしく全力で戦います!」

男に二言はない。

横浜にチャンピオントロフィーを。

ハマスタに栄光の旗を。

誰も見たことのないドラマの渦中に、我らは居る。

世間をアッと言わせる、「まさか」がまもなく実現する。

横浜には、日本の主砲が居る。

優勝するのはベイスターズだ!

横浜の空高く
ホームランかっ飛ばせ筒香

さぁ打て筒香
飛ばせ空の彼方
横浜に輝く大砲
かっとばせホームラン

GO GO TSUTSUGOH!

横浜DeNAベイスターズ。
背番号25。
筒香嘉智。

VAMOS A SEGUIR ADELANTE!
前に、前に、積極的に行こう。

FOR THE MOMENT THAT WILL LAST A LIFETIME.
一生残る、一瞬のために。


2019/08/31(土) MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島
ベイスターズ 2-4 カープ
勝 九里亜蓮 7勝7敗
S ヘロニモ・フランスア 6勝5敗8S
負 京山将弥 0勝6敗

2019/09/1(日) MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島
ベイスターズ 3-2 カープ
勝 今永昇太 13勝5敗
S 山﨑康晃 3勝2敗30S
負 薮田和樹 0勝1敗

1勝1敗で迎えたカープ3連戦最終戦。
命運はエースに託された。

「今永から先制点を奪いました!」

広島の実況アナウンサーが、カープの先制を伝える。

彼が失点するのは18イニングぶり。

彼から得点を奪うことの困難さは、実況の興奮からも伝わる。

「今永への誕生日プレゼントさ」
頼れる「嵐のカリビアン」ネフタリ・ソトの同点ホームラン。

「蒼い韋駄天」梶谷隆幸は、フェンスに激突してのスーパーキャッチ。
2016年のクライマックスシリーズで骨折しながら強行出場した感動を思い起こさせた。

エースの同級生にして同期入団の柴田竜拓が、決勝の犠牲フライ。
エースの奮闘に仲間が応えていく。

「小さな大魔神」山﨑康晃が2年連続の30セーブを達成し、敵地で勝ち越し。

通産4度目の30セーブは球団新記録。
「ハマの大魔神」佐々木主浩を超える金字塔。

そして、ジャイアンツのマジックが消えた。

人生初のバースデー登板を、自身のキャリアハイをさらに更新する13勝目で記録。

左腕の13勝は、1998年の野村弘樹以来21年ぶり。

令和の左腕は、その手で時代をこじ開けた。

「本当の勝負は9月だ」
我らのキャプテン筒香嘉智は、常にこう呼びかけていた。

「誰もまだ優勝をあきらめていません」

エースが高らかに宣言して、9月の快進撃の幕をこじ開けた。

さあ、令和元年は横浜元年。そして今永元年。

大逆転優勝への凱歌は轟いた。

誰も見たことのないドラマを、見逃すな!

左腕がうなれば
狙いは外さない
ピンポイントの技
攻めろ 攻めろ 昇太

横浜DeNAベイスターズ。
背番号21。
今永昇太。

THE FLOWER THAT BLOOMS IN ADVERSITY IS THE RAREST.
ピンチの時こそ自分が成長できるチャンス。

FOR THE MOMENT THAT WILL LAST A LIFETIME.