組織再編専門の税理士法人と連携して、上場企業子会社の四半期決算対応をしています。法人税を受験したとき(10年ほど前)には一切なかったグループ法人税制の知識が必要になりましたので、整理したいと思います。
■グループ法人税制
グループ法人税制は、完全資本関係(100%資本関係)がある企業グループに適用される税制である。
平成22年度税制改正によって創設。連結納税制度(平成14年に創設)は任意の選択適用であるが、
グループ法人税制は強制適用となる。
グループ法人 → 連結納税制度 or 単体納税
※単体納税を選択した場合、グループ法人税制が強制
グループ法人以外 → 単体納税
■グループ法人間の対象取引
①譲渡損益調整資産
100%グループ内の内国法人間で、譲渡損益調整資産を譲渡した場合、その譲渡損益をその時点では認識せず繰り延べる。
譲渡損益調整資産とは、固定資産、販売用の土地、有価証券(売買目的有価証券を除く)、金銭債権および繰延資産で、譲渡直前の帳簿価額が1,000万円以上の資産である。
②寄付金
100%グループ内の内国法人の寄附金について、支出法人においては全額損金不算入とするとともに、受領法人においては全額益金不算入とする。
寄附金の支出法人および受領法人ともに所得の金額には影響がない。しかし、支出法人は資産が減少し、受領法人は資産が増加しているため、親法人においては、その保有する株式の価値が変動する。具体的には、親法人における支出法人および受領法人の株式の簿価および利益積立金額の修正を行う。
<例1>
・親会社P社
・子会社A社 子会社B社
・A社からB社へ寄付金100万円支出
(A社) 寄付金100/現金100 → 寄付金100損金不算入
(B社) 現金100/受贈益100 → 受贈益100益金不算入
(P社) 利益積立金100/A株100
B株100/利益積立金100
親会社P社では、A株式の簿価を100減少、同時にB株式の簿価を100増加させる。
<例2>
・親会社P社
・子会社A社
・P社からA社へ土地(時価100、簿価60)を無償譲渡
(P社) 寄付金100/土地60→寄付金100損金不算入
/譲渡益40 →譲渡損益調整勘定(課税の繰延)
A株100/利益積立金100
(A社) 土地100/受贈益100 → 受贈益100益金不算入
※A社が外部に土地を譲渡するまで、課税の繰り延べ。P社は寄付金100が損金不算入により、A株の簿価を100加算する。
③受取配当金
完全支配関係のある国内子会社等からの配当は、受取配当等の益金不算入制度の計算上、負債利子を控除せず、その全額が益金不算入となる。
ただし、内国法人が受け取る外国子会社からの配当等については、グループ法人単体課税制度の適用はないが、外国子会社配当金益金不算入制度の適用がある。
■中小法人の特例措置(資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人にかかる制度)
グループ法人税制の導入により、自社の資本金に加えて親会社の資本金も判定に含まれることになった。資本金の額若しくは出資金の額が5億円以上の法人又は相互会社等の100%子法人等には、 以下の制度は適用がない。平成22年4月1日以後開始事業年度から適用。
(1) 貸倒引当金の繰入れ
(2) 欠損金等の控除限度額(注)
(3) 軽減税率
(4) 特定同族会社の特別税率(留保金課税) 留保金課税が適用される。
(5) 貸倒引当金の法定繰入率の選択
(6) 交際費等の損金不算入制度における定額控除制度
(7) 欠損金の繰戻しによる還付制度
(注) 各事業年度の欠損金の繰越控限度額は次のとおり。
繰越控除をする事業年度
・平成24年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始した事業年度 所得の金額の80%
・平成27年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始した事業年度 所得の金額の65%
・平成28年4月1日から平成29年3月31日までの間に開始した事業年度 所得の金額の60%
・平成29年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する事業年度 所得の金額の55%
・平成30年4月1日以後に開始する事業年度 所得の金額の50%
【No.5800 一定の大法人等の100%子法人等における中小企業向け特例措置の不適用】






