「JAILBREAK」      THIN LIZZY | みつ光男的 だれだれ日記

みつ光男的 だれだれ日記

家族と過ごす何気ない日常と好きな音楽、プロレス、自作小説について。
更には日々の癒しとなるアイドルについてなども長ったらしく綴ります。

父子音楽ユニット「ゴブンノサン」
正式表記は「5ブンノ3」になりそうです。


その活動状況と言えば…
長男の夏休みの宿題もありますがw

順調に曲、制作中ですw

そんな中で自分の音楽的嗜好や
枝分かれしている音楽のルーツをたどる旅をしていたところ

ここ最近で
色々な楽曲を耳にする機会が増えました。

この歳になって理解できるようになった事
あの頃だから思っていた事

そんなのがいい感じでブレンドされて
今があるんだなと再認識。

そんな事もあって
久々の「音楽の時間」w

今回は若い頃はそんなに聴かなくて
タンスの肥やしになりつつあったCDが

ある時期になってグッと聴くようになり
そのバンドの『自分にとっての「本当の魅力」』を
感じるようになったバンドのひとつである


THIN LIZZY(シン・リジィ)と言うバンドの
あるアルバムについて
あれこれ私情を交えながら書いていきたいと思います。

シン・リジィを知ったのは中3の冬でした。
初めて買ったメタル専門誌「BURRN!」で
中心メンバーである
フィル・ライノットが亡くなったニュースを読んだのが最初でした。

まだメタル聴き初めて2年ほど、
どんどんヘビーでアグレッシブな音を好むようになっていた
当時の僕からすると

シン・リジィはそこまでヘビーでもなく
かと言って「メタルの象徴」のひとつとも言える
ハイトーンの金属的な歌声とはかけ離れた
フィルのボーカル。

まるで呟くように、呪文を唱えるように
力なく響くその声は

あの頃の僕にとっては何の魅力も感じませんでした。

高校時代にラジオで「THUNDER AND LIGHTNING」を聴いたときは
カッコいいなと思いました。

でもそれは違った。

「The Holy War」のような
過去のシンリジィを彷彿とさせる曲は
やっぱり魅力を感じなかったのです。

今「THUNDER AND LIGHTNING」を「違う」と書いたのは

あのアルバム自体がシン・リジィの歴史の中で
最も異質なアルバムだと
今となっては思うわけで

シン・リジィはハードではあるが決して
必要以上のヘビィネスやスピードを
売りにしているバンドではない。

それに気付くまで
数年の月日を要しました。

何故、僕が彼らのアルバムを買ったのか?
そのきっかけは
「The Boys Are Back In Town」
この曲に他なりません。

僕が19歳の時、薬物禁止推奨の企画で
こんなアルバムが出されました。

ドラッグが原因で亡くなったミュージシャンの曲をカバーした
コンピレーションアルバム。
「HIGHWAY TO HELL/STAIRWAY TO HEAVEN~メイク・ア・ディファレンス」

そこでボン・ジョヴィが
シン・リジィの「The Boys Are Back In Town」をカバーしていました。

それがやたらとカッコよくて
初期のシンリジィを聴いてみようと
買ったのが
「JAILBREAK」
rps20160808_095542_859.jpg


1.Jailbreak
2.Angel from the Coast
3.Running Back
4.Romeo and the Lonely Girl
5.Warriors
6.The Boys Are Back in Town
7.Fight or Fall
8.Cowboy Song
9.Emerald






「BLACK ROSE」と並ぶシンリジィの代表作。

1曲目タイトル曲の「JAILBREAK」
そのイントロを聴いた瞬間、



(お借りしました、ありがとうございます)

THIN LIZZY    「JAILBREAK」


それまで特に何てことなく聴いていた
このバンドの曲だったのに…






震えが来ました。


ヘビーメタル?
ハードロック?
ロック?
ブルース?

もうそんな次元じゃないのさ(笑)

これはもはや「シン・リジィ」と言うジャンルである、
僕はそう思いました。

敢えて例えるならば
ゲイリームーアの「ワイルド・フロンティア」を聴いた時の衝撃に近い。

僕は拙い頭で考えた。

フィルとゲイリー
二人に共通すること。

『アイルランド出身』

アイリッシュなテイストは
ここまで日本人の感性と重なるものなのか?

日本史専攻で
世界史に疎かった僕でも
アイルランドの歴史は何となくわかります。

僕は自室に置いてあった「BURRN!」誌の
アイルランド特集を読み返しました。

シン・リジィにしてもゲイリーにしても
曲を聴くと
あの「ワイルド・フロンティア」のジャケットト写真にある
荒涼としたアイルランドの風景が
行った事もないのに頭をよぎるのです。

明るめの曲でさえ漂う寂寥感
何と言う哀愁、そして物憂げな雰囲気
これは日本で言うところの
「わび、さび」の世界に通じるのかな?

そしてフィルのボーカル
字余りな音符に乗せて
あのボソボソと呟くような歌声に
最初は違和感を感じ、
メロディ感を全く感じなかった。

メタル系のボーカルって
アイアン・メイデンのブルース・ディッキンソンや
スコーピオンズのクラウス・マイネみたいに

腹の底から声を張り上げる、
それがヘビーメタルのボーカルだと思っていました。

フィルのボーカルは
サビではしっかりメロディを押さえていますが
それ以外の部分ではかなり自由(笑)

そんな変幻自在な言葉のマジックが
切れのあるリズムに乗って歌われる(呟かれる)

そこから生まれる化学反応は
まるでひとつの物語を聞かされているような錯覚に陥ります。

正に「聴けば聴くほど味がある」
これが音楽の本質だと。

長男がいつも口にする言葉に

聴けば聴くほど好きになる曲って
最初は「何だかなー」て思う。
でも気になってまた聴いてしまうんよね。
逆に最初に聴いてインパクトが大きい曲は
何回か聴くと飽きてしまう。


正に言い得て妙。

いわゆる「スルメ曲」と言うやつ。

それはメタルに限らず
パンクでも
J-POPでもアイドルでも同じこと。

シン・リジィは僕にとって
何十年もかけて熟成された
「スルメ」バンドなのです。

何か1曲1曲についてあれこれ
話していくことすら陳腐に思えるほど

彼らの魅力をどう語ればいいのか
僕にはわからないのです。
(じゃあ彼らを何で取り上げた(笑))

とにかくメロディの美しさを
体感していただきたい。

タイトル曲「Jailbreak」の
リズムギターの心地よさ、

「COWBOY SONG」の叙情的な旋律。

(お借りしました、ありがとうございます)

THIN LIZZY 「COWBOY SONG」

アルバムのラストを飾る「エメラルド」の美しいメロディ。

そして名曲「The Boys Are Back In Town」

(お借りしました、ありがとうございます)

THIN LIZZY    「The Boys Are Back In Town」


せっかくなので
PRETTY MAIDSのカバーで一躍脚光を浴びた
「PLEASE DON'T LEAVE ME」もぜひオリジナル盤で
聴いていただきたい。


ただ前もってお断りしておきます。

最初はかなりとっつきにくいです。

メタル好きな人でも
1回聴いて「これムリ」って思われるかも。
実際、今までに
そんな人に何人も遭遇してきました。

最初は僕も実際そうでしたし(笑)

でも2回聴いて「ん?」と思ったら
絶対3回目も聴いてるはずです。

ゴリゴリもいい
キラキラも好き

でもこんな「音世界」もあることを
この記事を通じて知ってもらえたら
僕はそれだけでうれしいです。

そしてこのバンドを好きになる
自分の感性も好きだな、と思うわけで(笑)

しかし、手前味噌な締めやなー(笑)


更には
アイルランド出身のバンドが
そこまで自分の感性と重なるのかを確認するために

あのバンド…





あ、U2じゃないよw
そんな有名なバンドは改めて借りなくてもw

MAMA'S BOYSと言うバンドを
10月大阪に行った際に探してみたいと思っています。

正直、メタル好きな若者、同世代の方、年上の方w
色んな方に

シン・リジィについての見解というか
好きなバンドあれこれの中で彼らはどういうポジションにあるか
ご意見をいただけると
非常にうれしいです。

あ、もちろんメタルファンじゃなくても

今回初めて聴いたよって方からの意見も
大いに参考になりますので。

久しぶりに語りましたw