PEZVOLADOR

PEZVOLADOR

むぎわら帽子の思い出を抱え込んだまま
大人になった人に読んでもらいたい、
終わらぬ夏の人生旅日記。



忘れもしない1999年のその日、当時働いていた店のカウンター越しに、日本から短期出張で来ているという男性に声をかけた。「いつも熱心に読んでいらっしゃいますね。」彼はその文庫本がどれほど素晴らしいかを熱く語られ、数日後、読み終わったので是非読んでみて下さいとその一冊を置いていってくれた。それが僕と宮本輝との出会いであり、その一冊が、当時こんなにも超大作になるとは思いもしなかった「流転の海」の第一部である。

執筆開始から実に37年の時を経て完結した第9部「野の春」を手に取った。あゝ終わってしまうのか、と表紙に目を落とすと、そこには一頭の牛が描かれていた。これはまさしく第二部「地の星」に登場するアカではないか。意表を突かれ現れたあの牛の優しさが滲む優しい目に涙が溢れてしまった。

日本、それも奈良町という余りにも非日常的な朝の中に立ち寄った朝食屋さん。開店を待ってカウンターに座ると、今からおむすびを結ぶであろう手がつくり出した優しさが店のあちこちに感じられ、思わず微笑みを隠しながら新米の香を待った。





娘に聞かせるベッドタイムストーリー。

むかしむかし、あるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました。お爺さんは山へ.. お婆さんは川に.. と、ここまでは毎回一緒だが、この先はその時思いついたままの即席ストーリー。

寝る前なので、夢に出て来ぬよう天狗や山姥には休んでもらい、その代わり、河童や森や川に住む様々な生き物たちが、思いがけないストーリーを繰り広げる。

最近では娘の方から、今日はわたしが話すね。と空想の物語を語ってくれる。

動物の絵を描くのも普通じゃつまらなくなってきた。これな〜んだ?
フルーツコウモリと思いきや、頭がダックスフントのダックスコウモリ。よく見ると2本の足もダックス。こうして画用紙の上には新種の生き物や植物が次々に誕生し、命名されてゆく。

我が家に新しいペットが来た。
丸々とした黄色いオカメインコの若鳥である。娘に名付けてもらおうと頼むと、じっと見つめ、しばし考え込んでから満足げに言った。「オムライス」