コロナで僕らが怒っている理由は、
「あの普通の日々に戻してくれよ!」ということ。
僕だったら、
「全国をライブして周っていたあの日々に戻してくれよな!」
だし、
ラーメン屋さんだったら、
「お客さんでごった返していた自粛前の普通の日々に戻してくれよな!」
だし、
航空会社は、
「世界中からインバウンドが集まるあの普通の日々に戻してくれよな!」
になる。
総じて全ての悲しみと苛立ちの主張は、
「あの普通の日々に戻してくれよな!」ということ。
久しぶりに、近所の大型ショッピングセンターへ行ってみた。
ガランとしていた。
思い出してみれば、前回に来た数カ月前は中国人で溢れ返っていた。
レジも「中国人専用(免税レジ)」があった。
爆買いを目当てに、ビックカメラは「中国語表記」だった。
今は、もう日本人しか居ない。
・・・。
はて?
と考えた。
「あの普通の日々に戻してくれよな!」が論点だけど、
本当にあの日々のほうが「普通」だったのか?と。
ここは日本だけど、
スーパーには中国人の方が多かった。
また、沖縄の道路はいつも渋滞していたけど、
ほとんどが「レンタカーナンバー」だった。
「中国人のためのレジ」も、
「中国語による値段の表記」も、
「中国人専用レーン」も、
さて、あれが「普通」だったのだろうか?
ひょっとするとコロナは、
「異常」だった社会に、「異常だと気づかない人間」が増えていたから、
それを「気づかせる」ために現れて、
「普通」の状態にリセットしてくれたのじゃないか。
そう考えると、こっちの説の方が合点がいく。
毎年北海道でスノボしてるけど、
ゴンドラの中は自分以外は全員中国人。
「ここ、中国に来たんだっけ?」って思ったのは初年度のみ。
人間は慣れてくるから、「これが普通か」と思ってしまう。
スノボ帰りのバスも、全員が中国人。
あれ?これって中国行きのバス?って思ったと同時に、
停車駅のアナウンスは中国語が先。
コロナ騒動に対する怒りは全て、
「あの普通の日々に戻してくれよな!」だけど、
あなたの住む街では、
本当に「コロナ前」の生活が「普通」だったかチェックして見てください。
変わったことのほとんどが、
よく考えたらこっちの方が普通で「元通り」に戻っただけじゃん!
と気づけると思います。
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さとうみつろう
日本の作家・ミュージシャン。中1の長男コクトウ君と、小3の長女ザラメちゃん、最近1才になった次女ミリンちゃんの3児のパパ。石垣島で生まれ中学は大分県、大学は北海道。社会を変えるためには「1人1人の意識の変革」が必要だと痛感し、大手エネルギー企業から独立。本の執筆や楽曲の発表を本格化し、初の著書がシリーズ累計30万部のメガヒットを記録。10代の若者を中心に多くの支持を集める。ところ…
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↓いや、中国だったよね〜と思って。
6か月前に住んでた場所って、もはや中国だったよね〜と思い出して。
で、コロナ後のスーパーで、
「今はもう、日本人しか居ないのか・・・」って考えて、
いやいやいや、こっちの方がフツーですから!と気づいた。
中国人問題だけじゃなく、「変わったこと」のほとんどが、
実は「元通り」に戻されているだけ、ってのが多い。
僕は年間60〜70回くらい飛行機に乗って全国をLIVEして回っていた。
「あの普通の日々に戻してくれよ!」って思うけど、
その生活は「普通」では無かった。
マイル死ぬほど貯まってるし。
マイル貯まってるのに、ANA潰れそうだし!
例えば「外食が普通に出来ていた日々に戻して欲しい!」ってよく聞くけど、
外食って、普通なのだろうか?
わずかに20年前までは、家でご飯を作るのが当たり前だった。
航空便が遅くなって、貨物が届かない!
って言うけど、
ベルギー産の小麦粉と、北海道産のバターと、ベトナムの砂糖で、
「ケーキ作り」って、普通なのだろうか?
なんてワールドワイドなケーキだろうか。
笑い話じゃなくて、日本中のほとんどのケーキがそうだったんだよ。
フードマイレージ(運ぶために使われた石油の量)を考えると、
それは異常なケーキだった。
考えれば考えるほど、
「異常な日々」だったことが分かり、
コロナの発生で、それが「普通」に戻されているケースが多い。
もちろん、今の方が「異常」になってるケースも多々ある。
マスクだらけの社会とかね。
レジの前にかけられたビニールシートの石油の量とか。
でも、「異常になったこと」よりも、
「異常だったことが普通に戻ったこと」の方が、圧倒的に多い。
ぜひ、数えてみてください。
あなたが、「あの普通の日々に戻してくれよ!」と主張する、
その「普通」とやらの異常性を。
きっと、あなたの街でいま起こっている事も、
「正常化」の方が多いはずです。
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