寄り道ばかりしている。
しかも、屋久島のイメージとかけ離れたところばかり。
今日行きたいところも屋久島らしからぬところである。
まずガイドブックに載っていない。
ただし登山者用の登山地図には場所が示されている。
その地図だけを頼りに行こうと思っても、まず行けない。
地元の人やガイドには知れ渡っているから、お金を払えば行けるかもしれない。
ぼくが始めて行ったときは人の話だけを聞いて行ってみたけれど、たどり着けなかった。
それでも2度目にはたどり着けた。
それから何度か行ったけれど、なんとも心落ち着くところなのだ。
宮之浦港から反時計回りに車を走らせると、灯台を過ぎるあたりで急に道が細くなる。西部林道の入り口だ。切り立った崖に道があり、照葉樹林が生い茂る冬でも緑豊かなところである。そこから数キロ走ったところに車を停めて、森の中を歩き始めた。
たぶんガイドツアーで何人も森に入っているのだろう。
一見落ち葉ばかりの地面でもよく見れば踏み後がまっすぐに伸びている。
途中にアコウの木があっても心を揺さぶれない。
もっと先へ。
一歩、一歩、歩いていく。
人里離れた森なのだが、やがて人工的に積み上げられた石垣が現れてくる。昔、ここに集落があったのだ。今は鹿の通り道になって、鹿と猿の楽園と化している。
ここまで来たらもう少しだ。
来た・・・。
大きな岩を抱え込むようにガジュマルがそびえたっていた。
ぼくはしげしげとガジュマルを眺めたり、木によじ登ったり、遠くから眺めた。
静寂の中に、やさしくゆっくり、ゆっくり、時間が流れていった。















