二人の関係 | 旅ノカケラ

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@人生は先がわからないから、面白い。
@そして、人生は旅のようなもの。
@今日もボクは迷子になる。

▼某月某日
以前よりもバイク用品店に多くのカップルが訪れるようになった。
ひとくちにカップルといっても、夫婦、恋人、兄妹、父娘、友達と関係は様々であろう。

♯シーン1

お揃いのイエローコーンのバイクウェアを着た若いカップルが仲良く新作の春夏ウェアを眺めていた。
イエローコーンは機能よりもデザイン重要視のメーカーで、熱狂的なファンが多い。
上から下まですべてイエローコーンを身に着ける人もいるほどで、トータルコーディネートしているというよりも一種の宗教的な制服を着ている感じが漂う。
それがひとりじゃなくてふたりも並んでいると、存在感はすごい。
基本的にカップルが商品を見ているときは水を差すこともあるので、声をかけないことにしている。
でも、かなり目立って、そのうえ連れている女性がかわいいとなると、ついつい目が行ってしまう。
よっぽど、好きなメーカーなんだなぁ。
それに感じがいいカップルだなぁ。
恋人同士かな?
そんなことを考えながら、しばらく眺めていた。
そういえば、今朝、イエローコーンの新作カタログが入荷したんだと思い出して、カタログを2冊持ってカップルのところへ行った。
「入荷したばかりの新しいイエローコーンのカタログですので、よかったらお持ちください」
女性はニコニコしながら「ありがとう」と言って受け取ってくれたが
男性が真顔になって
「一冊でいいです」
と言って受け取ってくれない。
「えっ?」
水を差してしまったか・・・
女性のほうはページをめくりながら
「きゃー、これ、かわいい!」
なんてはしゃいでいる。
受け取ってくれない理由がわからず、少し間が空いた後に
「夫婦なんで、一冊でいいです」
と男性が言った。
なるほどー、と思いながらその場を離れた。

見かけじゃ、二人の関係はわからないものだ。

♯シーン2

微妙な距離を置いてカップルが店内を歩いている。
会話にも微妙な距離がある。
ふたりともお互いに敬語を使っているのだ。
友達というよりも知り合いといったほうがいいかもしれない。
ふたりとも、とても誠実そうな感じだ。
そして、ふたりともツーリング向きのジャケットを着ている。
キャンプ場で多く見受けられるロング丈のジャケット。
どこかツーリング先で知り合ったか、ネットで知り合ったかだろうか。
ふたりの近くを歩くたびに「XXXトコで・・・」なんて聞こえてくる。
ぼくがレジに立っていたら女性が商品を持って来てカウンターの上に商品を置いた。
男性は女性のそばに立ち、商品は持っていない。
金額を告げたら
「これは、ぼくが出しますから」
と、傍らにいた男性が女性に向って言った。
「えっ?」
困惑する女性。
突然の申し出になぜ彼が払うのか理解できない彼女。
もちろん、ぼくも理解できない。
しばらく、どっちが払うか小さな声で揉めていた。

買い物に付き合うことが親切?
デートするきっかけにはなるよなぁ。
物を買ってあげることが親切?
喜ぶ女性もいるけれど、目の前の女性はそんなタイプじゃないような気がするけどなぁ。
そんなことを思いながら、ぼくは微笑ましい光景を眺めることしか出来ない。