1980年代の事件
◎政治家の歳費!
昨今、政治と金の問題が議論されている。
その大きな論点は…
企業・団体献金を認めるか?
そして自民党と公明党、国民民主党は認める。
立憲民主党など野党5党は認めない。
そういう方向で対立している。
そして本日(4月1日)の新聞では、
ネット公開等を条件に
3党(自民、公明、国民民主)が合意したとのこと。
いずれにせよ企業・団体献金は
維持されるようだ。
これに拘っているのは
自民党である!
事実、自民党側として交渉している
自民党政治改革本部の小泉進次郎事務局長は
「自民党の弱体化を狙った作戦だ」
との持論を展開している。
まあ自民党を弱体化させよう
野党が考えているのは事実だろうが、
いずれにせよ自民党は
企業・団体献金が無くなると困る。
そう考えているのだろう。
それは自民党議員は
金がかかるからだ。
しかし国会議員は国から歳費を貰っている。
その額は…約7500万円ほど!
歳 費:約2000万円
文書通信費:1200万円
立法事務費: 780万円
秘書の人件費:約3000万円(3人分)
その他諸々を合わせて
約7500万円ほどだ!
※詳しくはこちらをご覧ください。
この7500万円でも
足りないのだろうか?
では…国会議員は…自民党議員は…
何に金を使っているのか?
少し前になるが、
それに対する回答があった。
その内容をここに記す。
1989年4月4日の新聞に以下の記事が載った。
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自民代議士100人アンケート
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※以下の記事には4月4日以外の記事も含まれる。
この前年、リクルート事件が発生した。
これはリクルート社から
政治家や官僚、企業関係者に
未公開のリクルートコスモス株が譲渡されていた事件。
未公開株は公開されると値上がりする。
それを見越した賄賂だったのだ。
この事件で政治と金の問題がクローズアップ。
そして政治家は何に金を使っているのか?
そういった疑問が広まった。
その疑問に応えるべく、
このようなアンケートが行われた。
因みにこのアンケートは
「代議士」なので衆議院議員を対象としている。
※衆議院議員のみを「代議士」と呼ぶ理由はこちら。
それでは早速アンケートの内容を紹介しよう。
100人の対象は
1年生議員から17回当選議員まで
また現役閣僚や幹事長、衆議院議長経験者など
幅広い議員層から回答を得た。
それによると
・秘書の数:13.1人
・事務所数:東京1.3ヶ所
地元3.1ヶ所
・人件費 :252万円(毎月)
・事務所維持費:250万円(毎月)
・地元との往復:8回、19万円(毎月)
・通信費 :73万円(毎月)
・冠婚葬祭:結婚式6.6回
葬 式26.5回
費用計55万円(毎月)
・新、忘年会:116回
・飲食、会合費:80万円(毎月)
となっている。
そして年間経費総額は
9471万円!
約9500万円となっている!
因みにこれは…
エープリルフールではない!
結構すごい数字でビックリした。
◎秘書の数!
議員の秘書は13.1人
そのうち東京の事務所(議員会館が多い)には4.3人
地元の事務所には8.8人となっている。
現在は3人まで秘書には公費が出るが、
当時は2人までなのでそれ以外は持ち出し。
そのため秘書の費用を含めた人件費が
毎月252万円もかかる。
◎旅費、通信費!
旅費に関しては基本、地元に帰る費用。
地元への活動は普段は秘書がやるが、
週末には議員本人が出向く。
この旅費は議員間の格差が大きい。
10人以上の議員がゼロと回答。
議員は新幹線のパスを持っているので、
これを使う分にはかからない。
しかし飛行機がメインの人はかかる。
通信費はバカにならない。
10万人の後援会会員がいるある議員は
「ハガキ1枚で400万円かかる」とボヤく。
当時の文書交通費は75万円(月)。
(現在は100万円)それではハガキ1枚出せない。
◎香典、祝儀等!
結婚式や葬式は「固い票を生む」との定説が。
それ故に議員や秘書はマメに出かける。
特に予定が決まっている結婚式はまだしも
葬式は急に起きるから対応が大変。
それ故に地元の秘書が出席することが多い。
金額自体は香典が1万円、祝儀は3万円程度。
しかし重なる時が多く、
金額より日程調整に骨が折れる。
◎新年会、忘年会等!
冠婚葬祭と同様に
「固い票を生む」のが宴席。
特に忘年会や新年会のシーズンは
1日数件の掛け持ちは当たり前。
これも秘書と手分けして回る。
本人の出席は約3割ほど。
これは冠婚葬祭と違い、
数が多いので回避がそれなりにかかる。
新年会、忘年会は平均116回だが、
それ以外に毎月の会合などもある。
それ故に毎月80万円ほどかかる。
それ故に年間では数百回に及ぶ。
◎収入!
それらの収入はどこから得ているのか?
収入の内訳は…
・企業献金 39%
・パーティー 17%
・個人献金 15%
・持ち出し 12%
・派閥 9%
・借金 8%
これらは平均であり、
個別の議員には偏りがある。
例えば企業献金で8割以上という人が5人いたが、
借金が5割以上という人も2人いた。
パーティについては5割以上が8人だが、
ゼロという人は40人以上いた。
どうやらパーティは臨時収入で、
あまり中心にはならないようだ。
◎最後に…!
1989年当時の年間経費総額は
1億円と言われていた。
少なくとも
今回の代議士100人アンケートを見ると
それに近い数字が出ている。
それ故に結構正直に回答しているのではないか?
因みに選挙の時に使う金については、
1億5千万円というのが12人に及んだ。
選挙金額を答えたのが54人なので、
4.5人に1人は1億5千万円以上使っている。
当時は選挙は2億円と言われたが、
それも結構近い数字が出ている。
そのこともこのアンケートの信憑性が増す。
まあ歳費等で約7500万円あっても
約9500万円出ていくのなら
大赤字だな!
ましてや7500万円のうちには
交通費など手元に残らないものも入っている。
だから金が必要なのか?
それなら企業団体献金の廃止など
出来る訳ないな!
因みに上記の代議士アンケートを回答したのは…
全員自民党議員だ!