ネズミ講の被害者は救済すべきか否か? | 最近の古いモノは!

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「最近の若い者は…」とよく言われますが、
そう言う「古い者」はそんなに立派だったのでしょうか?このブログでは過去の新聞記事等をベースに、「古い者」の昔を検証してみます。
「最近の…」と言われたら、「あなたの時代はもっと悪かった」と言ってやりましょう。




1980年代の事件




被害者か?加害者か?



殺人、強盗、窃盗、暴行…

世の中色々な犯罪があるが…
大体、被害者と加害者は…

明確に分かれる!



殺人犯と殺人の被害者は…

普通違う!



人殺しに殺される人は…

被害者だ!




もちろん人殺しが
別の人に殺されることはあるが、



それはまた問題だ!



殺人犯が人を殺している時は…

殺している奴が加害者で
殺されている人は被害者


そうに決まっている!






ところが…

被害者と加害者の区分が不明確な犯罪がある。




それが…


ネズミ講だ!



ネズミ講とは
参加者が金品を払って参加し、
その参加費を既存の参加者で分配する組織。

そうすると参加者は
ただ金品を取られるだけかと思うが、

新たな参加者はまた新たな参加者を勧誘する。
そうやって組織を拡大すること
利益を得ることができる。




ネズミ講のパターンはいくつかあるが、
具体的に言うと…


1.参加者(自分)が5千円を払い組織に参加する。

2.その5千円は既存の参加者が配分する。

3.配分方法は自分を勧誘した人に1千円
その人を勧誘した人に1千円を5代前迄に払う。

4.そして自分自身は新たな参加者2名を勧誘する。

5.その新たな参加者は各々5千円ずつ払い、
各1千円を自分自身と4代前までと配分。



これを繰り返すと、参加者(自分)

5千円を提供しただけで、
3万2千円(1千円×32人)が手に入る。




因みにとは宗教行事を行う集団だったが、

転じて結社のことを意味する。









話を戻すと、


確かに計算上は儲かるように思うが…

ここに罠がある!



これは無限に参加者が増えることを
前提にしている。



しかし必ず限界が来る。



例えばネズミ講は指数関数的に数が増えるので

どんなシステムにしても

28代目で日本の人口を越える。


それ故にこのネズミ講は
「無限」を前提にしているので


無限連鎖講

ともいう。






しかし先の指摘したように、

人間の数は有限なので
いつか限界が訪れる。



その時にこのシステムは…

破綻する!




そして破綻した時は
後から入った人は自分の出資分を回収できず、

ほぼ被害者となる。



しかし先に入った人は

加害者になる。






うーむ!



参加者は加害者なのか?被害者なのか?




どっちなんだい
 

 

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警察  微妙だよな
 

警察  ネズミ講の被害者
 

警察  今、被害者って言ったけど
 

警察  被害者といっていいのか
 

警察  っているんだ!
 

警察  例えば詐欺師
 

警察  詐欺をする奴が詐欺師で
 

警察  詐欺をされる方が被害者
 

警察  それは間違いない!
 

警察  まあ被害者にも落ち度はある
 

警察  詐欺に引っかかるのは…
 

警察  一攫千金を求める
 

警察  そういう安易な輩が多いが…
 

警察  あくまで彼らは欲深かっただけで
 

警察  加害者ではない!
 

警察  しかし…ネズミ講は…
 

警察  ネズミ講の被害者は…
 

警察  被害者なのか?
 

警察  ネズミ講は自分たちのグループに
 

警察  参加者を勧誘することから始まる
 

警察  その参加者は既存の参加者に金を払い
 

警察  既存の参加者はそれを分ける
 

警察  その時には新規参加者は間違いなく
 

警察  被害者だ!
 

警察  しかしその新規参加者は
 

警察  次の参加者を募集する
 

警察  その瞬間に彼らは…
 

警察  加害者だ!
 

警察  つまり…
 

警察  彼等は確かに被害者だが…
 

警察  次の瞬間に加害者になる。
 

警察  まるでゾンビみたいだな…
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とは全く言ってないが…

被害者と加害者の区分が付きにくいのも


ネズミ講の特徴だ!






ところで有名なネズミ講の事件といえば


天下一家の会事件だ!




これは被害者が100万人以上、
そして被害総額が1900億円という

戦後最大のネズミ講事件だ。



この事件が社会問題化したことで、
ネズミ講を取り締まる法律
無限連鎖講の防止に関する法律」ができた。



それによってネズミ講自体は
取り締まられるようになった。



ところがこの法律には…

欠陥があった!









「金銭」では取り締まられず!


と…いうのはこの法律…


取締の対象が金銭だったのだ。



つまり参加者が金銭を提供する場合、
取締の対象になった!



しかし「金銭」じゃなければ…
取締の対象にはならなかった




そこに目を付けたある人物が…
金銭授受ではないネズミ講を考えた。



それが国利民福の会事件





主催者の男性は
「国利民福の会」という組織を作り、

金銭ではなく国債を参加費用とした。


それで「金銭」という条文を潜り抜けようとした。





19882月3日の新聞に以下の記事が載った。

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国債使う”ネズミ講”流行
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この仕組みはネズミ講と同じだが、
そのやり取りは国債を使っていた。


実際に当時の法律は「金銭」を対象としていたので

国債は対象だった。




因みにこの主催者は…
 

先の天下一家の会事件の関係者だった。



うーむ!


やることはいつも同じだ。

 

 

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主催者  そういえば
 

主催者  俺がいた天下一家の会
 

主催者  結局捕まったが、
 

主催者  詐欺じゃなくて脱税
 

主催者  だから執行猶予もついた
 

主催者  1900億円もの被害があり、
 

主催者  100万人が騙されたが、
 

主催者  その程度だった。
 

主催者  しかしその後法律ができて
 

主催者  ネズミ講自体が違法になった。
 

主催者  でも…ね!
 

主催者  そこには盲点がある。
 

主催者  なぜなら取り締まりの対象が…
 

主催者  金銭なんだよね。
 

主催者  つまり金!
 

主催者  それが取り締まりの対象。
 

主催者  じゃあ…
 

主催者  金じゃなければイイ!
 

主催者  そこで考えた。
 

主催者  国債ならよくね?
 

主催者  国債なら信用もある。
 

主催者  だから金の代わりになる。
 

主催者  そして「金銭」じゃない。
 

主催者  だって債権だから
 

主催者  だから国債でネズミ講をやっても
 

主催者  問題!
 

主催者  だから参加者には
 

主催者  国債を購入してもらって
 

主催者  それを既存の参加者に渡す
 

主催者  そして新たに勧誘した人に
 

主催者  同じく国債を購入してもらい
 

主催者  それを既存の参加者に渡す
 

主催者  つまり金の代わりに国債
 

主催者  それ以外は全く同じ
 

主催者  そうすれば…
 

主催者  大丈夫だ!
 

主催者  よしっ、やろう!
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事実、国債は取り締まりの対象ではなく、

違法ではなかった!




そのため一応詐欺罪で有罪になるが、

その理由はネズミ講ではなく、
架空の講で集金したことだった。


「架空の講」とはこの「国利民福の会」とは
主催者の別名であり、実体はない

ということだ。


まあ結構コジツケで逮捕したのだ。



いずれにせよ、現在では法律が変わり、

「金銭」の部分は金品となり、

債券も対象となっている。



それもこの事件がキッカケで改正された。




最初の事件でネズミ講を取り締まる法律ができ、
次のネズミ講で法律が改正された。


結構引っかかる奴等が多かったようだ。







ところで…

この「国利民福の会」の被害者だが…



早速次のネズミ講に引っかかった。



19885月24日の新聞に以下の記事が載った。

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新手 国際ネズミ講?
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今度は「国」ならぬ「国ネズミ講」か


記事によると…


海外の銀行の定期預金をし、
新たな預金者を3人以上集めた会員には

預けた金に対して
最高2800を受け取ることができる。


というもの。


記事には詳細がかかれていないが、
ネズミ講と同じシステムである。




そしてその中には国利民福の会の被害者が…

大量に紛れているという。


どうやら国利民福の会がダメになったので、

新しい先に乗り換えたようだ。


因みにこの海外銀行の本店は
登記上は太平洋の島国トンガにある。



うーむ!


懲りん奴等だ!


やっぱり救済は不要だな!


ネズミ講の被害者?なんか!