若者が欲しいものをストレートに求めた話! | 最近の古いモノは!

最近の古いモノは!

「最近の若い者は…」とよく言われますが、
そう言う「古い者」はそんなに立派だったのでしょうか?このブログでは過去の新聞記事等をベースに、「古い者」の昔を検証してみます。
「最近の…」と言われたら、「あなたの時代はもっと悪かった」と言ってやりましょう。




1990年代の事件





青年期の心理!


人の心と行動を調べる学問

それが心理学


その心理学にも
色々な分野がある。

例えば…

認知心理学
社会心理学
深層心理学
臨床心理学
犯罪心理学 等々



その心理学の一分野にあるのが

発達心理学



発達心理学とは
人の加齢による発達の変化を調べる学問

誰でも子どもの頃と老年になってからでは
心理状態は違うモノ。



そういった年齢による違いを調べる学問だ。



その発達心理学の中にあるのが

青年心理学


つまり青年期(児童期と成人期の間)を対象とする。



ところでこの青年期だが…
昔の人には無かった!






どういうことかというと、
以前から若者期というのはあった。

つまり若い時代だ。



しかしそれは青年期とは言わない



なぜなら昔は土地に縛りついて生きてきたから。

それ故に人生は大体決まり、
自分自身で選ぶことはできなかった。



人生の選択でいうと「就職」と「結婚」だが、

昔は両者とも大体決まっていた。



ほとんど選択肢などなかった。


人は選択肢が無い場合、

悩まない!


故に心理学的には

研究の対象にならなかった。

 



因みに若者期とは
大人になるまでの準備期間で

いわば修行の時代だった。



ところがイギリスで産業革命が起きて以降
土地から解放されて都市部に人が流入。

そのほとんどは若者だった。


彼等は新しい人に出会い、
新しい仕事をして


自ら人生を選択できるようになった。

そして自由を手に入れた。




しかしその代償として

人生の選択という負担を受ける。



誰でも選択肢が無ければ
その生き方を選ばざるを得ない。


しかし逆に言えば気楽でもある。



だが自ら選ぶのであれば
その結果は自らの責任となる。


本当にこの仕事でいいのか?

本当にこの人が運命の人なのか?



選択肢が無ければ悩みようがない。



その自由が生まれたが故に

人は悩みを大きくする。



それ故に「青年期」が生まれ、

その心理を研究する学問が生まれた。


因みにこの見解は
日本の青年心理学を代表する研究者

白井利明氏の説明だ。

 

以下のP6~7からの引用

 

【中古】 よくわかる青年心理学 第2版 やわらかアカデミズム・〈わかる〉シリーズ/白井利明(編者)





つまり青年期という分野が出来たのは
自由により、青年が悩みを抱えたからだ。

だから青年の心理を調べましょう。

そういうことだ。





しかし…ちょっと待って欲しい。


そんなこと

調べる必要があるのか?



調べなくてもわかる。


若い時分の悩みなど…
これしかない!




だ!



それ以外無い!




そして女は金があればどうとでもなるので、

つまり金こそ最大の悩みだ。



金が欲しい!


金が無い!




表現こそ違えど、

悩みは金だ!




つまり金を稼ぐことこそ、

青年の望むことなのだ。




そしてそういう奴等が…以前いた!





彼等は金を儲ける方法を…
みんなに教えていた。



その方法とはこういうものだ。




人にリストを売りつける。



そのリストには
0番から8番までの数字が振られ、
全部で9名の氏名と住所が記載されている。


彼等はそのリストを1万5千円で購入する。



そのリストの5番目に5千円
0番目の人に1万円を送金する。


その後、そのリストから0番目を外し、
自分を9番目に加えたリストを作り発行。

それを2名の新しく勧誘した人に売却。


そしてその2名は新しいリストの
5番目に5千円、0番目に1万円を送金

その後、2名は各自自分を8番目に加え、
別の2名にそのリストを売却する。


そうすると自分が5番目に来た時に5千円
0番目に来た時に1万円が手に入る。



そしてこのスゴイところは…

最初に1万5千円払えば、
最大520万円儲かるということ。




自分が2人に売り、
その2人が2人に売ると、
全部で4人になる。


そして自分が5番目になった時には
全部で16から5千円ずつで8万円

自分が0番目になった時には
512から1万円ずつで512万円


520万円儲かる。



こっ…これは…

全員儲かるじゃないか!






うーむ!


考えた奴は天才じゃねーか?

 

天才 (幻冬舎文庫) [ 石原 慎太郎 ]

 


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天才  儲かります
 

天才  必ず儲かります。
 

天才  どうして?
 

天才  この仕組みを知れば…
 

天才  あなたにも理解できます。
 

天才  たった1万5千円払うだけで
 

天才  520万円儲けることができる
 

天才  その方法がね!
 

天才  まずあなたが買うのはリスト
 

天才  氏名と住所が入ったリストです。
 

天才  このリストには0番から8番の
 

天才  番号が振られている。
 

天才  その9のリストを
 

天才  あなたは1万5千円で購入する
 

天才  因みに「購入」と言ったけど
 

天才  実際はちょっと違う。
 

天才  このうち5番目と0番目の2名に
 

天才  その金を送金します。
 

天才  その金額が1万5千円
 

天才  5番目の人に5千円
 

天才  0番目の人に1万円
 

天才  それが1万5千円の中身。
 

天才  それの何が儲かるのかというと
 

天才  今度はあなたの氏名を載せられる。
 

天才  そのリストに!
 

天才  あなたの名前を8番目に記載
 

天才  その代わりに0番目を除外。
 

天才  この人はお役御免で、
 

天才  リストは一つずつ上がる
 

天才  つまり8番目の人は7番目に
 

天才  7番目の人は6番目に…
 

天才  そして1番目に書かれていた人が
 

天才  今度は0番目に上がる。
 

天才  その新たなリストを2名に売る
 

天才  あなたが…!
 

天才  それを繰り返すと
 

天才  いつかあなたは5番目になり、
 

天才  遂には0番目になる。
 

天才  そうするとあなたの手には
 

天才  520万円
 

天才  計算してみようか?
 

天才  あなたが5番目になると
 

天才  16人が5千円ずつ8万円
 

天才  あなたが0番目になると
 

天才  512人が1万円ずつ512万円
 

天才  合わせて520万円
 

天才  多少時間がかかるが、
 

天才  たった1万5千円払えば、
 

天才  いずれ520万円
 

天才  確実に儲かる!
 

天才  さぁ…どうする?
 

カモ  やります!
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100%罠かもね (I’sノベルズ) [ 南原兼 ]

 



と…いうことが流行っていた。



因みにこれを考えた奴は

大坂の高校生だったようだ。




うーむ!


頭がいい奴がいるもんだ。










ネズミ講!


もちろんこれは…

詐欺だ!



19917月15日の新聞に以下の記事が載った。

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高校生がネズミ講
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ネズミ講とは無限連鎖講という。

無限連鎖販売とは、金品を払う参加者が
無限に増えることを前提にした仕組み。

もちろんそういうことはないので、
必ずどこかで破綻する!



それ故、全くの違法行為だ。

もちろん当時も!



つまり1991年頃は
高校生も違法詐欺行為をやっていた。


それ故に新聞にも

「高校生がネズミ講」などと書かれている。




天才かと思ったが、
単なる犯罪者だったのか。

 

【中古】人生は単なる空騒ぎ 言葉の魔法 /KADOKAWA/鈴木敏夫(単行本)

 


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犯人  そうです。
 

犯人  破綻します。
 

犯人  ネズミ講は絶対に
 

犯人  破綻します。
 

犯人  大体、1人が2人に売るなんて
 

犯人  いつまでもできる訳ないでしょ。
 

犯人  これは人口が無限である。
 

犯人  そういう前提じゃないと
 

犯人  無理!
 

犯人  それ故、ネズミ講とは
 

犯人  無限連鎖講
 

犯人  そう言われる
 

犯人  因みにとは結社の意味
 

犯人  つまり無限に結社の人員を増やす。
 

犯人  そういう前提じゃないと破綻する
 

犯人  それがネズミ講
 

犯人  参考までに言っておくと
 

犯人  1人が2人に販売すると
 

犯人  27人目で1億人を超える
 

犯人  つまり日本国民全員が参加しても
 

犯人  27番目の人は売り手が無い。
 

犯人  だから最初の参加者は儲かるけど
 

犯人  後から入る人はほぼダメ。
 

犯人  そういう仕組み!
 

犯人  だから今回のケースでも
 

犯人  520万円入るのは512人から
 

犯人  つまりその時点で
 

犯人  512人が購入している。
 

犯人  そして彼らは自分たち以外に
 

犯人  1,024人の売り先を見つけなければ
 

犯人  販売できない!
 

犯人  つまり…これは…
 

犯人  詐欺です
 

犯人  本人が言うのだから間違いない。
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と…いうことだ。



しかし1991年とは
バブル崩壊直後。


まだまだ気分ではバブルの時。



当時は「財テク」と言って
一般家庭でも株式などをやっていた。


金こそ正義!


そういう時代だった。


その時代が生んだのが
彼らネズミ講の高校生なのかもしれない。



まあ…金が欲しい!




これは青年期だけじゃなく
死ぬまで願い続けることだけどな。