「長居は無用」を実践し続けた女性! | 最近の古いモノは!

最近の古いモノは!

「最近の若い者は…」とよく言われますが、
そう言う「古い者」はそんなに立派だったのでしょうか?このブログでは過去の新聞記事等をベースに、「古い者」の昔を検証してみます。
「最近の…」と言われたら、「あなたの時代はもっと悪かった」と言ってやりましょう。





1970年代の事件




続いていくモノ、消えていくモノ!

今では普通になったが、
以前はその発想に驚いた映画があった。

それはこれだ!

リング!



何が驚いたといって、
ビデオに呪いが残るということ。


普通、呪いとは
生きているものに残るものだが、

あんなハイテク(当時はそうだ)装置に
呪いが残るという設定に驚いた。


それだから大ヒットのかもしれない。


その予告編はこちら





このようにビデオやカメラのように、
普通、呪いなど無縁(と思われる)ものが
怪談の対象となる一方、



逆に昔の妖怪でも
怪談の対象にならなくなったものもある。


例えばこれ


妖怪・小豆(あずき)洗い




これは水木しげるゲゲゲの鬼太郎には出てくるが、


今ではあまり知られていない。


なぜなら小豆洗い自体が
あまりやらなくなったからだ。

だから日常感が無く、
逆にビデオのようなモノの方が、

日常的だ!


それ故、ビデオは怪談で使われ、
小豆洗いは記憶から薄れていく。


因みに妖怪・小豆洗いとは…こんな感じ!

結構怖いものだな!



このように昔は使われていたけど、
今では使われなくなったモノがある。


時代の移り変わりとともに!







他にも…例えば言葉では…。

高松の熱燗!

という言葉がある。



これは現在では高松の人でも知らないが、

昔は確かにそういう言葉があったそうだ。

明治時代に生まれた噺家
橘ノ円都はそう証言するようだ。



「高松の熱燗」とは

高松とは四国にある高松市だ。

そこでは来客があり、その人が帰ろうとすると
「まだいいじゃないですか。アツカンで…」

と言われるそうだ。


「アツカン」と言われるので
酒でも出るのかと思って待っていると、

何も出ない!



そして再度帰ろうとすると、また、
「まだいいじゃないですか。アツカンで…」

と言われる。



しかしこの「アツカン」とは熱燗ではない


「あつかわん」

つまり何もお構いしませんが…
という意味なのである。


「何もお構いしませんが、
 まだ帰らなくていいじゃないですか。」


そういう意味なのだ。


確かに何も出ないので、
構われていない!


そういう意味ではあっているが、

普通、「アツカン(=あつかわん)」とは言わない。



しかしこの言葉も先に書いたように

今は使われていない!


高松の熱燗についてはこちらを参照。





つまり現在でも残っている言葉や物事は

時代とともに移り変わる!



妖怪・小豆洗いのように
「小豆洗い」自体が行われなくなれば、

そういう妖怪も伝わらなくなる。

高松の熱燗も同様だ。




つまり…今でも伝わっている言葉などは

多くの人に使われているから
今でも生き残っているのだ。




そういう言葉の一つが…

長居は無用だ。



長居は無用とは…

その場に長く居るのはよくないので、
早々に引き上げたほうがよい…ということ。


同じような言葉に

長居は恐れというものもある。




その長居は無用とは、

多くの人々に使われ続けているから

今でも残っている。



普通に通用する言葉だ。


「高松の熱燗」と言っても誰も知らないが、
「長居は無用」なら誰でも知っている。



その違いは使い続けられたか否か




それでは誰が使い続けていたのか?





197611月8日の新聞夕刊に
以下の記事が載った。

--------------―
採用その日に
--------------―



記事によるとこういうことだ。


東京・上野署は無職の女性E(30)
盗みの疑いで書類送検した。

Eは台東区にあるお汁粉店に
「レジ係募集の新聞広告を見た」
と言って訪れた。

そのままレジ係に採用されたが、
わずか2時間半でレジの中から
現金20万4600円を盗んだ。


Eは同じ手口で
40300万円を盗んだと自供している。


Eは偽の履歴書を持ち込んで、
採用されてるとその日かその翌日に
売上金を持ち出していた。



採用されるとすぐ持ち逃げか…!


まさに長居は無用だな!

 

 


------------------
婦人  無用よ!
 

婦人  長居は無用。
 

婦人  長く居ればいいというものでもない。
 

婦人  長く居ればメリットもあるけど
 

婦人  デメリットもある。
 

婦人  それは…
 

婦人  捕まる可能性が高まる。
 

婦人  長く居ると
 

婦人  どうしても世間話をする。
 

婦人  そうすると色々身の上話もするし、
 

婦人  情報が漏れる
 

婦人  例えば世間話では
 

婦人  「クニは?」と言われる
 

婦人  最初は「日本です」と誤魔化すが、
 

婦人  二度は使えない!
 

婦人  そして出身地の話をすると
 

婦人  バレことも多い。
 

婦人  そうなると犯行の後に困る
 

婦人  例えば出身地の話では
 

婦人  「カメダ」という地名が
 

婦人  犯人逮捕のキッカケになるが、
 

婦人  それはカメダではなく、
 

婦人  亀嵩(かめだけ)だった。

婦人  このように地名から足がつくこともあり
 

婦人  世間話…特に出身地の話は
 

婦人  タブーだ!
 

婦人  事実、カメダから犯人は割り出された
 

婦人  つまりこういうことだ。
 

婦人  犯行をするにはできるだけ早く
 

婦人  人間関係ができる前に終わらせる
 

婦人  長居は無用よ!
----------------------

 

 




とは全く言っていないが、

「長居は無用」の犯行を
繰り返していたのは事実だ。







効率的!

しかしあなたは
このように思ったのではないか?

効率悪いのではないか?


もう少し長く居て、
店の状況を把握した上で盗んだ方が…

効率的ではないか?



長い時間をかけて下調べすれば、
金を貯めている場所を見つけられる。


そうすればもっとたくさんの金を盗める。



そう思ったあなた…


それは間違いだ!



勤めたその日に盗めば、

ほとんどの場合捕まらない。


事実彼女の場合も
余罪が300あるが、


それまで捕まってなかった。



捕まれば一巻の終わりだ!



なら捕まらないで
ある程度金が盗める。


当日が狙い目だ!

 

 


----------------------
婦人  狙い目よ
 

婦人  当日が狙い目
 

婦人  時間が経てば経つほど
 

婦人  捕まる可能性が高くなる
 

婦人  それならいっそのこと当日
 

婦人  それなら捕まる可能性は
 

婦人  低い
 

婦人  よく言われるけど
 

婦人  もっと時間をかけて調べたら
 

婦人  もっと多額の金が盗める。
 

婦人  そういう人がいるけど
 

婦人  現場を知らないのね!
 

婦人  確かに時間をかけて調べれば
 

婦人  もっと多額の金が手に入る
 

婦人  そういうこともある
 

婦人  でも…ね…
 

婦人  逆にリスクは高まる
 

婦人  付き合っていれば
 

婦人  こっちの素性も知れて
 

婦人  逮捕も近くなる。
 

婦人  大体がして、私が狙うのは
 

婦人  普通の商店よ
 

婦人  そんな大金ある訳ないでしょ。
 

婦人  それなら時間をかけて調べるより
 

婦人  手っ取り早く金を掴む
 

婦人  そしてすぐ逃げる
 

婦人  その方法が一番よ
 

婦人  ヒットアンドウェイとでもいうべきか
 

婦人  そういう方法なのよ。
 

婦人  例えば投資の世界でも一緒
 

婦人  多額の金を動かして
 

婦人  年に10%ほど儲けるか?
 

婦人  少額を何度も回して稼ぐか?
 

婦人  後者はディトレードなんて言うけど
 

婦人  毎日、少額でも動かして
 

婦人  繰り返し儲ければ
 

婦人  結果として高額が稼げる
 

婦人  チリも積もれば…というけど
 

婦人  そういうことよ。
 

婦人  もっと時間をかけて調べろ?
 

婦人  素人が…!
 

婦人  知らんくせに黙ってろ!
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とは全く言ってないが、

少なくとも彼女はそう考えていたようだ。



まあ…一つのやり方だな!


彼女がコツコツ盗みを働いたことで、

「長居は無用」という言葉が

今でも残っている。



そういう意味でも
日本文化の功労者かもしれない。


確かに泥棒が長居することは
全くの無用だ!


彼女は正しい!





それでも…一言!



真面目に働け!