ダマされた三島由紀夫! | 最近の古いモノは!

最近の古いモノは!

「最近の若い者は…」とよく言われますが、
そう言う「古い者」はそんなに立派だったのでしょうか?このブログでは過去の新聞記事等をベースに、「古い者」の昔を検証してみます。
「最近の…」と言われたら、「あなたの時代はもっと悪かった」と言ってやりましょう。




1960年代の事件




フェイクニュース!

フェイクニュース

偽物報道という意味で、
事実と異なる報道をすること。




昨今よく聞く言葉だ。


最近日本に来ていたこの人がよく使っている。

ただしこの人の場合は、
自分に都合の悪い報道をフェイクニュースという。



しかしフェイクニュースという言葉は
昨今よく言われていることだが、


昔から存在した。


デタラメを言って、
人々をダマす人は後を絶たず、


一時的に信じられることもある。



例えばこれ


1999年7月には
世界が滅亡すると本気で信じていた。



これは当時の子供は、
かなり信じていたと思う。



このようなものにダマされないためにも、
知識人の意見は重要だ。



そのような知識人がお墨付きを与えれば、
まず間違いない!




しかし…


必ずしもそうではない。



むしろ知識人のお墨付きが、

効果になることもある。





19696月20日の新聞に以下の記事が載った

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花々しすぎる”戦果”
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記事によるとこういうことだ。


太平洋戦争中の戦闘機乗りで、
ノンフィクション作家の木下静雄氏。

彼の書いた作品「戦塵録(せんじんろく)」が
架空の物語だったことがわかった。


この作品はノンフィクションと銘打っていたが、
実際は数々の誤りがあった。



例えば著者は当時15だが、
当時はその年齢では普通パイロットになれない。


また「敵全機撃墜」という表現が多々出てくるが、
そんな15歳いない


当然そうなれば、パイロットたちの噂になるが、
当時の飛行機乗りは誰も知らなかった。




また隊の上官の名前や、戦後になって使われた
沖縄の嘉手納飛行場(戦前は中飛行場と言った)等

当時のことを知っている人からは、
自然なことが多かった。


そのため、これはノンフィクションではなく、
フィクションではないかと疑問を持たれた。


そして新聞記者のインタビューにも…
木下氏本人が言葉を濁していた。

 

 



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著者  うん?
 

著者  ノンフィクションじゃない?
 

著者  一応ノンフィクションだよ
 

著者  おかしいところがある?
 

著者  15歳でパイロットになれない?
 

著者  当時は人が足りないからね
 

著者  全機墜?
 

著者  まあ私の目に入ったのが全機だから
 

著者  例えば30機の編隊があり、
 

著者  そのうち2機しか目に入らなかったら、
 

著者  2機が全機だよ。
 

著者  私の中では
 

著者  だって他の28機は目に入らないのだから
 

著者  仕方がないでしょ
 

著者  嘘をついたんじゃない
 

著者  把握できなかっただけだ。
 

著者  当時のパイロットが知らない?
 

著者  それは知らない
 

著者  こっちは人に知らせるためにやっていない
 

著者  お国のために撃墜していた
 

著者  だから他人が知ろうが知るまいが、
 

著者  こっちの責任ではない。
 

著者  例えば今人気の乃木坂46
 

著者  多くの人が知っているだろう
 

著者  だけど知らない人もいる
 

著者  白石麻衣や齋藤飛鳥や
 

著者  生田絵梨花や与田祐希を
 

著者  知らない人もいるぞ
 

著者  大体、西野七瀬が卒業したのも
 

著者  知らない人もいるだろう
 

著者  じゃあ知らなくても問題ない。
 

著者  それは俺の責任ではない。
 

著者  えっ?
 

著者  本当にノンフィクションか?
 

著者  まあ一部にフィクションはある。
 

著者  どこが?まあいいじゃないか。
 

著者  私の立場もあるが、
 

著者  出版社の立場もある。
 

著者  今後は相談してから答えたい。
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と…いうことのようだ。




因みに、「相談してから答えたい」とは、

本当に言っている。



なんか政治家の答弁みたいだな()。









三島由紀夫の不覚!

ところでこの作品を読んでダマされた人がいた。


それが当時著名な作家、三島由紀夫

三島はこの作品を絶賛していた。




三島曰く

「いわゆる文学作品を

 はるかに凌駕している」

とのこと(笑)。



さらに序文まで書いていた。



当時の超有名作家三島由紀夫が推薦しているのだから、
ダマされた人も多かったことだろう。



そういう意味では

三島も共犯者と言える。




ところで当の三島は何と言っているのかというと、

実にリアリティがあった、と言いつつ、

「お恥ずかしい話です」

とのこと。


お恥ずかしいじゃ済まんだろ!

 

 



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三島  お恥ずかしい
 

三島  穴があったら入りたい
 

三島  まんまとダマされました。
 

三島  でもね…
 

三島  結構リアリティがあったんですよ
 

三島  本物の香りというか
 

三島  偽物に書けない重みというか
 

三島  そういうものを感じました
 

三島  だから序文も書いたんです。
 

三島  実際序文で…
 

三島  絶賛しました
 

三島  彼がこれを書いたのは…
 

三島  神意である…って、
 

三島  真意じゃないですよ。
 

三島  これなら真の意味となりますが、
 

三島  神意ですから
 

三島  つまり神の意思です。
 

三島  そういうものを感じたんです。
 

三島  そういうリアリティがあったんです。
 

三島  どこに?
 

三島  仏印でのフランス娘と恋愛とか
 

三島  あのあたりです
 

三島  仏印って、今のベトナムですよ。
 

三島  あそこはフランスの植民地で、
 

三島  そこでの話です。
 

三島  あれは経験しないと書けない
 

三島  そう思ったんですが、
 

三島  あれもだったのか。
 

三島  ってますね
 

三島  まあ私は国粋主義っぽいですが、
 

三島  軍隊経験が無いもので、
 

三島  だからわからんのです。
 

三島  つまり…
 

三島  お恥ずかしい
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このような状況だったようだ。



当時の超有名作家としては、
本当にずかしいだろう。



そしてこの作品を出版した
昭和文明研究会の担当者のコメントは



もしこの作品がフィクションなら、
私は立つ瀬がない

とのこと、




もちろん三島由紀夫も
そうだろうなぁ(笑)。