アラまあ!新型アウトランダーの画像が公開されたわよ。奥さん。
うーーーーーん、良いわね・・・良いんだけど・・・。
コレ、お高いんでしょ?
ああああああ・・・見るからに高そうなのよ。
それと公式サイトの記載によれば20インチ仕様を設定した模様・・・
要はアウトランダーも上級移行という流れでOK?
国内仕様の設定がどうなるか知らんけど・・・
まあ大差はないでしょうな・・・。
新型登場の度に上級移行する方式もホドホドにしないと・・・ね。
そして、初代の設定は秀逸だったわね・・・としみじみ感じるのですよ。
とにかく、国内仕様の登場を待ってみましょう。
さて、そうやって容易く上級移行を図ってしまうモデル達とは異なって、堅実な進化をしてきた軽自動車。
特に軽トラック及び軽バン等の軽商用モデル・・・その存在は私たちの生活に密接に関わっております。
酒屋さん、八百屋さん、農業、漁業、畜産業等々・・・様々な分野で活躍し、私たちの日々の生活を支える重要な存在でございます。
そして、この軽商用に関して僕が常々思っていることがございます。
軽商用バンはフルキャブ型じゃダメかしら?
そもそもフルキャブって何よ?という話ですが、
ボディ形状の話としてご理解くださいませ。
正確には色々と定義があるらしいですが、ここでは上図のようなボディ形状の違いをフルキャブ/セミキャブとご理解ください。
フルキャブは前席直下に前輪があり、セミキャブでは前輪は前席前方に位置しております。
要はフルキャブはワンボックス車に見られるスタイル、一方セミキャブはミニバンに見られるスタイルですな。
そして現在は軽トラック⇒フルキャブ、軽バン⇒セミキャブが定番となっており、同じ軽商用でありながら別々のボディ形態を有しております。
ということで、まずそこに至る経緯を説明しますね。
ご存知のとおり、軽商用に関しては1998年の軽規格改定を受けて、各社新型モデルの登場を機にワンボックス系モデルのセミキャブ化が進みますた。
コレはほかでもなく衝突安全性の向上を意識した変更だったわけ。
※1998年軽規格改定・・・全長100mm全幅80mmのボディサイズ拡大。
排気量は660ccのまま。この改定により現在の規格になった。
短いボンネットを持ち、前輪が前方に移動・・・衝突時の安全性に配慮してクラッシャブルゾーンを設けた形態になりますた。
で、この流れで全てのモデルがセミキャブ化すると思っていたら・・・
軽トラック界隈においては・・・
我らが三菱ミニキャブ、スズキ・キャリイ、ホンダ・アクティがセミキャブスタイルを採用したのに対し、スバル・サンバーとダイハツ・ハイゼットはフルキャブスタイルを採用・・・つまり二分化したのでございます。
コレは各社の考え方の違いとしか言いようがないわけですが・・・
一般的に両者に関して言われている長所短所をお示しすると・・・
こういう感じ・・・セミキャブ採用によるロングホイールベース化と、乗員スペースとの兼ね合いが各項目の違いに影響しております。
で、結論としては現在の軽トラではフルキャブの完全勝利という状況になったのでございます。
その結果に至った要因は・・・
荷台長と小回りの問題。
上の図からご理解いただけるかと思いますが、セミキャブ構造はその構造上キャビンが長くなるわけ・・・それを軽規格の全長制限内で実践すると荷台長を削る結果になるのね。
あと、ロングホイールベース化すると内輪差も拡大して、小回り性能も不利になるわけですな。
ホンダ・アクティトラックを例にすると・・・この型になって荷台長が短くなったのが不評で早々に荷台長を伸ばす変更をしたのは有名な話。
しかし、荷台長を伸ばすと言っても、全長には制限があるからキャビンを削るしか方法がなくて・・・結果、乗員空間が狭くなるという・・・それはそれで不評みたいな・・・。
もちろん、ロングホイールベース化で小回り性能も悪化してしまった・・・ある意味、踏んだり蹴ったりな状況になってしまったわけ。
で、その後アクティトラックはフルモデルチェンジを機にフルキャブ構造に戻ったのはご存知のとおりですな。
まあ、結局のところ・・・軽トラといふものは・・・
限られた寸法内で最大限の積載量を実現する荷台長。
そして・・・
小さなボディを最大限に活かした小回り性能。
これらが非常に重視される世界なのでございます。
ちなみにスズキ・キャリイトラックに関しては・・・
先代モデルの途中でショートホイールベースのフルキャブ型モデルを追加してセミキャブと併売するという奇策を講じましたな。
そして、キャリイも現行モデル登場時にフルキャブ型に回帰しますた。
まあ、そもそもが・・・セミキャブ化の発端となった安全性能がフルキャブでも確保できたという事実。
確保できていなければハイゼットトラックはこの形では売ってなかったわけでしょ。
つまりフルキャブでも基準なりの安全性は確保できたという話。
こういった経緯により現在では軽トラック全モデルがフルキャブを採用するに至っております。
それは・・・
とりあえずセミキャブ化してみたけど、
実はフルキャブのまんまで良かったっぽくね?
・・・という感じでセミキャブ化した者達にとっては結構残酷な話。
そして、このことが軽商用モデルにおいてトラックとバンがそれぞれ異なる進化に至った背景にございます。
その一方で軽トラと異なる進化をしてきた軽バンなんですが・・・。
軽商用バンモデルは前記1998年の軽規格改定時からの流れのままでセミキャブを踏襲しております。
あくまでも僕の想像ですが、軽バンにおいては荷室長や小回り性能に関する要求度が軽トラより緩やかなのかもしれませんな。
さらにセミキャブならば乗用ワゴンと共通ボディでイケるというメーカー側の事情にも合致した結果、現在に至っている・・・みたいな。
ところが、その軽バンにおいて近年になり新たな動きが出てきますた。
N-VANはN-BOXのプラットフォームがベースらしい。
ハイゼットキャディはまんまウェイクですな・・・このようにスーパーハイトワゴンをベースにした商用モデルが登場しております。
ちなみに、この方向性自体は完全に新規のものじゃなくて・・・
1980年代にダイハツ・ミラウォークスルーバンが存在しており、コレを現代的パッケージングで成立させたものだと認識しております。
で、なんでこういうモデルが登場したのかしら?って考えると・・・
コレも僕の想像というか・・・勘繰りというか・・・なんですけど・・・
セミキャブ型軽ワゴンを
廃止する意図があるんじゃないかしら?
・・・なんて思ってみたりするわけ。
なんでそう思うのかって言うと・・・
一旦、話を乗用モデルに移しますが・・・
最近のスーパーハイトワゴンの室内空間の広さは凄まじいでしょ。
使い勝手も非常に考えられている。
でね、何が言いたいかと言うと・・・
セミキャブ軽ワゴンの存在意義というものがだいぶ薄れている気がする。
もちろんセミキャブ型軽ワゴンのファンが一定数いることは知ってます。ただ、一般的な動向としてはスーパーハイトワゴンが選ばれているのは間違いないと思うのですよ。
それに燃費性能もセミキャブ型は不利な傾向ですから、そのポジションがスーパーハイトワゴンに集約されていく・・・つまり従来的なセミキャブ型の軽ワゴンが廃れていく可能性がゼロではないと思えてくるのね。
そういう視点で近年の乗用スーパーハイトワゴン派生による商用バンの登場を見ていると・・・セミキャブ軽ワゴン廃止の布石であり、さらに商用バンのスーパーハイトワゴン型移行への試験的要素も含んでいるように思えてくるわけね。
いや、あくまでも想像の話よ・・・でもね、なくはないかな・・・と。
結局、セミキャブ型の乗用ワゴンと商用バンにおいては部品共有という相互依存の関係があるわけですよ。
ところが、スーパーハイトワゴンの登場によって乗用セミキャブワゴンの存在意義の希薄化が今後進んだ場合、その相互依存の意義も希薄化すると思われ、つまり商用バンのためだけにセミキャブ型を継続することが果たして正しいのかしら?という話ですな。
で、もし仮にその想像が現実になっていくとすれば、新たな相互依存先を求めていく可能性はあると思っている。
ゆえに・・・例えば・・・・
スズキ・スペーシアバンとか・・・
三菱・ekカーゴ
・・・みたいなモデルが登場するかもね・・・みたいな。
ただ、それだと問題がないわけではない・・・で、その問題とは・・・
荷室長が短くなっちゃうわけ。
現在のスーパーハイトワゴン派生型商用バンの特徴として・・・
フロントエンジン搭載による低床化と安全性向上が利点となる一方で
N-VANについてはアチコチで最大スペース長2635mmが強調されているけど、コレはあくまでも助手席を倒した場合の最大数値であって、助手席を倒さなければ1510mmですよ。
まあ、まだN-VANは頑張っていると思う・・・ハイゼットキャディでは
1400mmですからね。
でね、セミキャブ型のハイゼットカーゴが2名乗車時・・・つまり助手席を倒さなくても1860mmの荷室長が確保されていることを考えると、結構な差があることは否定できません。
さらに・・・
最小回転半径がそれなりに大きい
=小回り性能の悪化。
という点も無視はできない。
セミキャブ型よりも30~40cmほど数値が大きいのね。
狭い曲がり角では、この数十センチの差がバカにならんのです。
ちなみにフルキャブ型の軽トラとの比較ではさらに差がついて数値的には100mm程度違う。(N-VAN=4,6m 軽トラ=3,6m)
仮に、前記のように軽バンの要求性能が軽トラのそれより緩やかだとしても、ここまでの差が商用バンとしてどこまで許容できるのか?
そういうことを考えていると、乗用スーパーハイトワゴン派生で軽バンを成立させることに若干の無理を感じてしまうのでございます。
こういう状況を踏まえて、全ての問題点を解消しながら、部品共有等の相互依存関係を構築して、商用モデルとして求められる性能と効率化を両立できる方法は何かしら?・・・と考えていたら、僕は一つの答えのようなものに行き着いたのでございます。
それが冒頭に書いた・・・
軽商用バンはフルキャブ型じゃダメかしら?
・・・という話ですよ。
あくまでも素人目線の単純な話ですが・・・軽商用バンをフルキャブ化すれば、軽トラックとの部品共有化ができるだろう・・・と。