ボストンクーラー | 春永昼猫のブログ、小説

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ボストンクーラー 

秋晴れに初風そよぐ頃。

場末のBAR M&Nではというと…。

くわぁ~と大きなあくびのねね。

「今夜もヒマだからもう寝ようかしら?とねね。」

「ちょっとちょっと、ねねったら何言ってんの?年中お昼寝タイム猫なのにって…、このくだり、前もあったような?」

「あったかもにゃ。ここまで来ればアンタとアタシはマンネリ夫婦みたいなもんにゃね。」

と…そこへチリンチリン♪
来客の様だ。

悲しみに打ちひしがれて泣いている女性。

「あら、カノンちゃん、どうしたの?いらっしゃい。またカシスオレンジ飲みにいらっしゃって下さったんですか?」

「ごめんなさい…、今夜はそんな気分じゃないんです。」落ち込んだ様子のカノンに

「あら、お目目が腫れるまで泣いちゃって…美人さんがもったいないにゃん、ねね様のモフモフなお腹で癒されるにゃんか?」ねねがカノンを慰めようとカノンの前まで移動すると、ねねのお腹に顔をうずめるカノン

「はい…、ありがとうございます…。モフッ…!あったかい…安心する…!」

「で、どうしたんですか?以前いらっしゃった時は、とても幸せそうに見えましたが…?」
疑問に思ったみつがカノンに問うと

「実は私…彼に別れを告げられたんです!!」

「えっ!?にゃんですって!?」

みつもねねも驚きの衝撃を抑えられない!!

「私…彼のことが大好きでした。
彼の為にお料理を作ったり、お洗濯したり、毎日とても尽くしました。
彼は、私との結婚も考えてくれていました。
なのに…他の人とくっついてしまって…。
あぁ…私はあの人しか考えられない…他の人は好きになれない!!」

「そういう時は、無理に他の人を好きにならなくてもいいにゃん。
そうしちゃうと、変なオトコに引っかかるにゃん。
元彼の良かったところを思い出して次はこういう人とご縁があればいいにゃって思えばいいにゃん。」

「さすがねね師匠、すごい!!」

「そういう考え方もあるのね…私…彼を想いださないように、しばらく別の仕事とかに専念したいと思います。ありがとうございます!」

「それでは、いつもそよ風が似合うカノンちゃんにボストンクーラーをお出ししましょう。」

材料…ラム(ホワイト)…45㎖
   レモンジュース…20㎖
   シュガーシロップ…1tsp
      ジンジャーエール…適量

作り方…ジンジャーエール以外の材料をシェークして、氷を入れたグラスに注ぎ、冷えたジンジャーエールで満たして軽くステアして、

ボストンクーラー15度中口の出来上がり。

どうぞ。

「こくっ。あっ、甘酸っぱくて爽やかな味わい…。ありがとうございます!」

爽やかな笑みをたたえ、そよ風のようにカノンはまた去っていった。

チリンチリン♪