哀しみのバイオリン フランシスコ・バルガス | mitosyaのブログ

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個人誌「未踏」の紹介

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哀しみのバイオリン

日本初放送作品。

本作はモノクロ作品です。

<受賞歴>
2005年 カンヌ国際映画祭
「ある視点」部門最優秀男優賞(アンヘル・タビラ)
 
<2009年1月の放送予定>
1月8日 6:00

原題/英語題 El violin/

□製作年

2005

□製作国

メキシコ

□上映時間

98

□監督

フランシスコ・バルガス

□出演

アルヘン・タビラ、ダゴルト・ガマ、ヘラルド・タラセナ


<内容>
先住民たちの住む山村に、息子と孫と暮らしていたドン・プルタルコ老人。村で農業を営みつつ、町のバーでバイオリンを弾いて慎ましく暮らす彼らには、反政府ゲリラとしてのもう一つの顔があった。ある日、一家が町から戻ると、村は政府軍に急襲された後だった…。

<見どころ>
政府軍と反政府ゲリラが対立する70年代軍事政権下のメキシコ。悲しい時代の記憶が、主人公ドン・プルタルコが奏でるメキシコ伝統音楽に乗せて綴られる。
ギレルモ・デル・トロが惚れ込み、ガエル・ガルシア・ベルナルが設立した配給会社の第1作となるなど、メキシコ映画界珠玉の一本。


   哀しみのバイオリン 2005年(メキシコ)
 
フランシスコ・バルガス
 
青春の時、仲間と共に電車に乗って映画を観に行った。「アルジェの闘い」、仲間の思想学習をねらって---、映画を観終わり出てきた私たちは、打ちのめされていた。戸惑、不安、疑念---、革命というものを言葉と、理想でしかとらえていなかった十六歳の心は、ビルごと爆破された主人公のアリの死を、自らに重ね、お前はそれでも革命をしたいのかと、態度表明を---、時代は、ある者は毛沢東へ、ある者は武装戦線へと誘った。
「哀しみのバイオリン」はそうした時代の記憶を思い起こさせる、バイオリン弾きの老人の行動はいつの時代にもある、人に立ちふさがる壁への問いであるのだった。

この世が始まった時
神様たちはその手で
大地を創り
空を創った
火と風と
動物も生まれた
最後に生まれたのが
人間の男と女
みんな幸せに暮らした
だけど悪い神様がいて
そいつが人間に妬みと野心を教えた

人が生命を賭してレジスタンスするのは、そこに抑圧と隷属の暴力があるからに他ならず、革命とは理想するものでもなく、被抑圧者にとっては自然裡なものであるのだった。