「人間の絆」サマセットモーム | 葛木御歳神社から~宮司がゆったりのんびり綴ります

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1600年以上の歴史を持つ葛木御歳神社の宮司東川優子が日々思うことを書き綴ります。

「人間の絆」サマセットモームー過去の読書記より

擦り切れたペルシャ絨毯のきれはし。これがサマセット・モーム「人間の絆」のテーマだった。人生の意味を問う主人公に、カフェで毎日飲んだくれている自称詩人が答える。「明日、人生の意味を示すものを見せてやる。」翌日期待を胸に現れた彼の前に取り出されたのは、擦り切れたペルシャ絨毯のきれはしだった。

 人生は一枚の絨毯を織り上げるようなもの。緻密な美しい絨毯でも、簡単な模様の絨毯でも一枚の絨毯に変わりはない。人生などたったそれだけのもの。そういったある種諦念を持ちながら、それでも、自分なりの模様を織る。何のためにだって?そんなことわかる訳がない。それでも、自分なりの模様を織りたいと願う。それが何の役に立つのだろう?役に立つためだけに生きているって訳でもないだろう?自己満足?そう、自己満足だって立派な目的だろう?

 そうやって考えているうちにも絨毯は少しずつ織りあがっていく。仕上がりはどうだろう?自分で納得できれば何より幸せだったってことだろうね。