今回は

ブラームスとクララの関係について

 

クララ・シューマンの伝記(日記・手紙)

ブラームスの書簡集(+解説)*必要な箇所だけ抜粋して読書

クララの4女、オイゲーニエの回想録

に加えて

他の資料や

オンラインで調べたことからの感想や考えです。

 

 

 

ブログで

ブラームス、クララ、シューマン(音楽)

のテーマの記事は

伝記等を読み進めながら書いたので、

考えに少し変化もあります。

 

今の時点での考えをまとめておこうと思います。

 

クローバー2026年に『続編』を

5つの記事にまとめました

目次の『続編』をクリックすると

紹介箇所に飛びます

 

2人の出会いから心の変化を

手紙や日記をもとに推察します

 

 

ブラームスとクララは恋愛関係だったのか

 

この2人の関係は恋愛だったの?

 

その疑問が日記や書簡集を読み始めたきっかけでした。

 

ブラームスとクララ&ロベルト・シューマンの三角関係と言われたり、

ブラームスと妻の不倫を疑ったシューマンが自殺未遂をしたとか、

シューマンの最後の言葉

私は、、、知っている」で

不倫に気づいていたなどと言われたり書かれたり。

 

手紙は全て残っているわけではなく、

(ブラームスが死後の流出を恐れて、クララに返還を求めたり、読後の破棄を請うたため)

日記の内容も出版時に選別されているので、

それから全てがわかるわけではないですが、

出版された物を読んでみると、

 

2人は不倫ではなかった

ロベルトの死後も恋愛関係にはならなかった

 

と考えるのが自然に思えました。

 

クローバー追記(2026年2月)

恋愛感情があったかもしれない

初期の2人の関係については

続編(記事の末尾に記載)で詳しく追っています

 

ロベルトの気持ち

 

クララがブラームスと親しいつきあいをするきっかけは

夫ロベルトがブラームスの才能を賞賛し、

彼女も同じ思いを持ったからです。

 

ロベルトの病状(おそらく梅毒進行による脳への影響)が悪化し

暮らしに重い影がかかっていた時に

 ブラームスが現れ

ロベルトの状態が良くなり、クララも喜びます。

 

ロベルトが自殺未遂を起こしたのは

幻聴幻覚がひどくなり耐えきれなくなったことや

そのために家族を傷つけてしまうのを恐れたことなどが原因ではないかと

日記から感じられます。

 

シューマンが幻覚などで家族を傷つけるのを心配して

治療に専念しようと精神科の病院へ自ら入院を決めた後も

ブラームスと

面会や手紙のやり取りを続けていますから

不倫等を疑ったとは思えません。

 

ブラームスの書簡集の本に写真や人物画などのページがあります。

 

そこには

シューマンと出会ったばかりの20歳のブラームスの人物画が載っていました。

まだ少年のような美しいブラームスのこのスケッチを

ロベルトは入院中ずっと持っていたようです。

才能を信じていた若者であり、彼にとって大事な人だったのでしょう。

 

画像右下にブラームスのスケッチ画の一部

 

ロベルトの最後の言葉、

私は知っている

これはクララの日記に書かれています。

 

ロベルトは脳に腫瘍状のものがあり、

意識が混濁

言葉も満足に話せず

体も衰弱して、昔の面影もないほど衰弱し切っていた中、

やっと口に出せた言葉でした。

 

その時は意識が戻っていたようで

愛情の温かみを感じる眼差しをクララに向けて言ったのが

 

私の、、、クララ(だと)、、、私は知っているよ

 

途切れ途切れで曖昧なものの

そう聞き取れた、と書いているのです。

クララは自分が来たとロベルトが気づいていると喜んでいます。

 

この時期の彼女の日記を読めば

彼女の夫に対する深い想いは変わっていないのがわかります。

 

最後に許された面会中

ロベルトは動かぬ体で力を振りしぼって腕をクララに回し抱擁。

食欲も食べる力もない中

クララの指先についたワインを嬉しそうに吸います。

 

2年半、家族との面会禁止で会えない2人でしたが

愛し合う気持ちは最後まで変わりませんでした。

 

クララの気持ち

 

ロベルトが入院中、

クララを全力で支えたのがブラームスでした。

 

ブラームスから親友ヨアヒムへの手紙を読むと

この時期クララを愛していたのがわかります。

 

クララとブラームスの手紙のやり取りや日記を読むと

まるで恋愛のようにも見える表現なのですが、

クララは恋愛ではなかったと思います。

 

「あなた」から「君」に手紙の書き方が変わったのは、

ブラームスがお願いし、

クララも彼は家族のようなものだからという理由で承知したと日記にあるので

恋人だから変えたわけではないのがわかります。

 

4女オイゲーニエの回想記に書かれているように

おそらく我が子のように思っていた、というのが一番近い感情かもしれません。

 

ロベルトの入院後からは

お金のやりくり、子育てなど心配事が一気にのしかかるのに

悩み事の相談は子供には小さすぎて話せない。

 

20代になったブラームスになら話せる。

 

ブラームスは夫シューマンを尊敬し

夫もブラームスを天才と惚れ込んでおり、

愛する夫が愛する若き天才音楽家だから信頼できる。

 

ブラームスはシューマン夫妻、特にクララに夢中なので

クララのためなら精一杯のことをする。

 

上の画像にあるブラームスのスケッチ画や

20歳頃の写真をみると、

実年齢よりも幼い雰囲気で

可愛らしいとも言えるブラームス。

 

2人を流産、8人の子を出産し、

もう子供は充分と考えていたクララ。

ヨーロッパで大人気のピアニストである30代半ばの彼女が

10代の少年の頃から知るヨアヒムと同世代のこの写真の彼を

当時恋愛対象と見ていたと考えるのは

少々無理があるように思えます。

 

声もかなり甲高かったそうですから、

恋愛対象というより、

我が子に近いというオイゲーニエの説は説得力があります。

 

ブラームスから恵まれない身の上話を聞いたり

実家を訪問してその家庭環境を知り

母親とも話し、

自分が母親代わりの役目もあると感じたと日記にあります。

 

それなら夫ロベルトの死後は?

 

ブラームスがアガーテと恋愛関係になり

腰に手を回すのを目撃、その翌日滞在先を去ったと言われたり

(クララの日記には直接的な書き込みは見当たらず

ブラームスの書簡集の著者の解説として書かれていました)

 

その年の夏はひどい夏で手紙を書ける状態になかったと

別の友人に書いていたのは

嫉妬からきたものだったのか?

 

恋愛に限りなく近い反応ですが、

例えば

ママが一番大好きとくっついてきたわが子に

ガールフレンドができてそっけなくなったり、

親友に別の親友ができたりして、

自分以外の人と仲良くしているのを目撃すると

恋愛じゃなくても大なり小なりショックですよね。

 

クララの気持ちはそれに近かったかもしれない。

クローバーでもこの後友情にしては熱い手紙のやり取りが残っているので

もしかしたら一時的に恋愛モードになったかも、、、

 

ブラームスとクララは

出会ってから亡くなるまで

多少親密度は変わりながらも

強い絆で結ばれていたのは確かだと思います。

ブラームスは親友 best friendと日記にも書かれています。

 

若い頃は子育てを手伝ったり家族のように過ごしているので

夫に近い面も感じられます。

 

ただその要は夫ロベルトであり音楽。

 

クララは夫ロベルトを

10代の少女の頃から亡くなるまでずっと一途に愛していたのが

日記を読み続けるとわかります。

 

ロベルトの曲をほぼ無名だった頃から引退まで演奏し続け、

作品集を出版するなど、

ロベルトの音楽は彼女が生きていく上での糧でした。

 

ブラームスの作品も同様に弾き続け

ロベルト亡き後の心の糧に加わりました。

 

ブラームスの気持ち

 

ブラームスは10代の頃にクララのピアノ演奏を聴きに行っているので、

その頃からのスター的存在。

ロベルトも名の知れた作曲家。

 

その夫妻に才能を認められてサポートも得られ

音楽家人生が開けたのですから

ブラームスが

シューマン夫妻との出会いが

人生で最も美しい経験

と後年手紙にクララに書いたのも納得です。

 

ブラームスにとって

夫妻がいなければ人生は全く別物だったと思えたでしょう。

 

最後までクララに忠誠を尽くしたのは

ロベルトへの感謝も含め

人格者クララへの敬愛

(世界で一番愛する人と

後年も何度かクララ宛の手紙に書いており、

若い頃からの恋愛感情が

昇華していったと思われます)

 

エンジェルのようなあなた

 

ブラームスがクララへの手紙に書いていた表現が印象的でした。

 

まとめ

 

ヨハネス・ブラームスとクララ・シューマンの関係は

恋愛としては20代のブラームスが片思い的要素を感じます。

片思いといっても、両思いになりそうでならないつらさ。

 

子供のように愛らしいブラームスの愛情表現は

あらゆる層のファンから愛を捧げられる世界的ピアニストのクララにとって、

恋愛感情と認識できなかったのかもしれません。

 

ブラームスには性格的に難しい面もあり

年月が経つにつれクララがお手上げ状態になることもありました。

 

けれど

クララがブラームスを音楽家として賞賛し

わが子のように

そして親友として強い想いを持ち続けたのも間違いないでしょう。

 

結婚対象としての恋愛感情はなかったとしても

音楽を通してこれほどの強い絆を結べる関係は稀有であり貴重だと思いました。

 

クララの存在があってこそ

ロベルト・シューマンとヨハネス・ブラームスは才能を十二分に発揮

クララの演奏が世に広まる手助けをしたとの思いを持ちました。

 

 

⬆️J・ブラームス ピアノ協奏曲第1番 リハーサル抜粋

(ピアノ:サー・スティーヴン・ハフ/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団)

師、ロベルト・シューマンの病気の悪化やクララへの想いで複雑な時期に作曲

 

 

⬆️R・シューマン ピアノ協奏曲

(ピアノ:内田光子/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団/

指揮:サー・サイモン・ラトル)抜粋

 

第1楽章のピアノはロベルトが名づけたクララの愛称「キアリーナ」を

音に変換したドシララから始まる新婚時代の作品

 

長々と書いてしまいました。

一個人の感想として読んでいただければと存じます。

 

 

続編

2026年2月8日:さらに日記や手紙を読み

オンラインで調べながら

新たな見解を追加し

時系列でまとめました⬇️

 

 

 

 

 

 

 

お読みくださりありがとうございました。

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