7月2日大阪での

サー・スティーヴン・ハフ

ピアノリサイタルの感想の続きです

 

1つ目はこちら⬇️

 

 プログラム

第1部

シャミナード

 

 秋ー6つの演奏会用練習曲op.35-2

 オートルフォア‐6つのユーモラスな小品op.87-4

リスト

 ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178/R.21

 

第2部

シャミナード
 主題と変奏op.89

 森の精op.60

ショパン

 ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 op.58

 

サー・スティーヴンが子供の頃から慣れ親しんだシャミナードと

リストとショパンのソナタのロ短調を聴き比べられる豪華なプログラム。

 

 シャミナード

 

リストと合わせた

「秋」は穏やかな前後と激しさのある中盤のコントラストが面白い。

「オートルフォア」はメランコリックな雰囲気。

 

「秋」は「フレンチ・アルバム」

「オートルフォア」は「ニュー・ピアノ・アルバム」に収録されて聴いていたので

ライブで聴けたのが嬉しかったです。

 

このシャミナードが

それぞれリストとショパンの序曲のような曲調を感じました。

 

前半の

「秋」は明るさと激しさの組み合わせがソナタ ロ短調の流れを

「オートルフォア」の始まりは

リストのダンテの始まりのメロディを思い起こさせるようで、、、

(リストの激しさはないのだけれど、

カランコロンと短調の響きがなんとなく)

 

後半のシャミナードは

ショパンの繊細さや明るさを感じさせるような曲調。

 

「秋」の演奏は特に好きでアルバムでよく聴いたので

目の前で繰り広げられるシャミナードの世界にため息が出ました。

 

感動で拍手しそうになりましたが、

第1部は拍手を入れず、リストまで演奏という形だったので

グッと我慢。

 リスト

 

リストのソナタはサー・スティーヴンのアプリ演奏を視聴していたので

それをライブで目の前に見て聞けるのを楽しみにしていました。

 

Liszt Sonata in B minor (for iPad)

このアプリはサー・スティーヴンの演奏と曲やリストについての解説付き。

 

曲の演奏にサー・スティーヴンの解説を

副音声をつけて聴くこともできるので(英語・字幕付き)

作品について学べる上

サー・スティーヴンが弾きながらどんなことを考えているのか、

(ここは音を外すとマズいとか、犬が足にまとわりつく感じ、とか)

ピアニストの頭の中がわかって面白いです。

 

リストのピアノ・ソナタ ロ短調については

以前、恩田陸さんの小説と合わせて書いています⬇️

 

この記事を読み直したら、

私の書いていることは

サー・スティーヴンのインタビューのほぼ受け売りです(笑)

解説になるほどと感動し、

そのまま自分の聴き方となったようです。

 

リストにしては珍しく曲にタイトルがないのは、

壮大で一つのイメージに収まりきれない

いろんな方向性や広がりがあるのではという解釈。

 

この曲をどう弾くべきかは、こんな風に語られています⬆️

 

リサイタルに話を戻して、

ライブの迫力、

繊細さから強靭さまで幅広いテクニックと表現で曲に引き込まれました。

 

素晴らしかったです。

ブラボーの声も。

 

今回のリサイタルでこの演奏が一番印象に残りました。

 

 ショパン

 

ショパンのソナタは

アルバム

「FRÉDÉRIC CHOPIN

Late Masterpieces」

の収録版を聴いていました。

 

何か1つのタイトルでイメージが湧くというより

曲が広がっていく流れにそのまま身を委ねるような

リストのソナタロ短調と似ているように

個人的には感じています。

 

この曲は

前曲のシャミナード:森の精から

ほぼ間を空けずに弾かれました。

 

ショパンの優美さもありながらの

フォルテの力強さもありパワフルなソナタ。

 

ペダルの踏み替えもかなり細かくて、

(1音ずつ1、2小節みたいな刻みも)

エレクトーンよりも足技がいるなぁと

ふと頭をよぎりました。

 

どの曲も素晴らしくて

演奏に耳も目も釘付けで、

 

長く感じるはずのリストも

何度も出てくるmotiveも出てくるたびに表現の展開に惹きつけられて

聞き応えたっぷりで

終わってしまうのが惜しいほどでした。

 

 アンコール

 

アンコールは2曲。

 

東京のリサイタル(武蔵野市民文化会館7月6日)と同じく

 

クリスティアン・シンディング

春のささやき

 

ショパン

ノクターン第2番

 

1曲目のアンコール後も拍手が鳴り止まず、

2回目の時に、

1曲目の

「春のささやき」について

サー・スティーヴンが少し解説してくださいました。

 

サー・スティーヴンのブリティッシュ・イングリッシュと

お話はいつも楽しみなので、

演奏だけでなく解説も聞けてラッキー。

 

シンディングは

ノルウェーのロマン派でリストより若干後ですが、

この春のささやきはリストの影響もあるようです。

 

Rustles of Spring(春のささやき)は

100年くらい前に人気があった曲だとおっしゃってました。

 

次の曲はショパンで馴染みのある曲です

とおっしゃってノクターン第2番。

 

この日、リサイタルへ来る前にちょうど練習していたので

昨年同様、再び聴くことができて幸せ。

 

旋律の美しさ、

装飾音の華麗な流れ

全体的に穏やかで、最大でもメゾフォルテのノクターンらしい調べで

素晴らしかったです。

 

 

素敵なリサイタルをありがとうございました。

 

 

お読みくださりありがとうございました。

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