昨日はご心配をおかけしました。
首の激痛、
運動不足もあるかと、
久しぶりにリングフィットアドベンチャーをしたら、
首が痛みが引いてきました。
今日はインタビュー記事についてです。
長文になったので、
後で2分割して、アップし直すかもしれません。
あ、でも、またやらかすと怖いので、
このままかも、、、長くてすみません。
今月末、
サー・スティーヴン・ハフが
シンガポールでリサイタル(ソロ)とコンサート(オケ共演)をされます。
以前の記事にも書きました⬇️
来日予定がないので、
本気でシンガポールまで行く気でいましたが、
(山が動かぬなら、こちらから山へ行く、とな)
コロナの感染拡大であきらめました。
(軽症で完治ながら、身内や近しい人も次々とかかり、且つ、病院受診も難しい状況を見たので。)
夫は楽観主義者なので、
行けばいいのに。
全然大丈夫。
(何が?)
と、
「一人で行ってこい」エールを送るのですが、
あらゆる不安がありすぎるので、
やはりあきらめます。
(ワクチン証明など手続きもややこしそうだし、
感染も不安だし、
いつ以来の海外だか忘れたほど行ってないし、
シンガポールは観光で大昔に行ったきり、
シンガポールでのコンサートやホールのマナーもわからない。)
前置きが長くなりました。
シンガポール公演(2夜)を前に、
ハフ氏のインタビュー記事が出てました。
Flying Inkpot(空飛ぶインク瓶)
という、シンガポールのクラシック音楽専門サイトで、
アイリーン・タン氏がインタビューされています。
とても面白かったので、
要約と感想を。。。
上のサイトに英語で全文掲載されていますので、
興味のある方はぜひチェックしてみてください。
ハフ氏のシンガポール初演は1986年1月。
シンガポール・シンフォニー・オーケストラとの共演で
サン=サーンスのピアノ協奏曲第5番「エジプト風」でした。
それ以来何度もコンサートをされてますが、
今回は、
ナイトの爵位授与後初めてのシンガポール公演となります。
⬆️ハフ氏の爵位授与について書きました。
*シンガポールでの一番の思い出を尋ねられ、
素晴らしい食事や温かい友情、
音楽を作ることなど色々ありますが、
8年前にラッフルズホテルのバーで、
友人らの前でノエル・カワードの
「娘さんを舞台に立たせないでください、ワージントン夫人」を歌ったのは
思い出リストの上位に入るでしょうね。
と語ってます。
この選曲ってブリティッシュ・ジョークですよね、おそらく。
ハフ氏は歌が上手だと思うけど、わざと、
皆の前で歌うほど上手くないのに歌わせるんだからぁ
みたいな。
*ブラームスのピアノ協奏曲第2番は、
今回指揮者なしの演奏。
シンガポールでは、
特にロマンティックな協奏曲は、
指揮者なしの手法を
あまりとらないとのこと、
ピアノを演奏しながら
オーケストラをリードする難しさはどこですか?
と尋ねられ、
指揮者は、
ソロイストと他の楽器演奏者を合わせるのに
かなりのエネルギーを注いでます。
いないと、
全員がもっと密接につながろうとする力が働きます。
と答えています。
指揮者なしオケ共演、
日本でもあまりないですよね?
先日、久しぶりに「徹子の部屋」を見た時、
廣津留すみれさんが
アルバムで、
メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を
指揮者なしで演奏した話をされましたが、
その時も同様の答え、
「ソロとオケの一体感が増す」
とおっしゃってました。
ハフ氏は加えて、
「指揮者なし」は、
リハーサルが難しいがメリットもあるとおっしゃってます。
特にブラームスのピアノ協奏曲第2番は、
「大きめの室内楽の作品」的な精神があるので、
このやり方で演奏するのは、
とても魅力的だとのこと。
*イギリスの文化生活への貢献で、
爵位を授与されたことをどう思うか、
また、
芸術や文化の分野で貴方が果たす役割はなんだと思いますか、
との質問に、こう答えてらっしゃいます。
この栄誉をうれしく思うのは、
イギリスでクラシック音楽が、
まだ重要であると気づかせてくれることです。
クラシック音楽家は、
ある意味、絶滅の危機に瀕する少数派で、
メディアや人々の創造性に残り続けようと戦っています。
クラシックはエリートや年配者の娯楽だとよく誤解されます、と。
同感です。
エリートのものじゃないです。
以前ブログにも書きましたが、
クラシックは高尚なイメージ(確かにチケットは高い!)があるけれど、
美しい音楽に感動するのに階級や資産は関係ないのです。
心が共鳴するかしないかだけなんです。⬇️
ハフ氏にとって、
クラシックはなくてはならないもの、
人類の文化史の中心、
クラシック音楽と文化のつながりは、
過去そして今もなお同様に重要だ、と。
その重要性は、
欧米よりアジア諸国の方がずっと理解されているとのこと。
この話は
月刊ショパン8月号のハフ氏動画インタビューでもおっしゃってましたし、
他のインタビューでも度々話されてます。
アジアのクラシック人口、特に熱心な若者が多いと。
*ハフ氏はピアニスト&作曲家であり作家でもあるので、
音楽と言葉の関係について、
聴覚が鋭いと、
(言葉のリズムやフレーズの流れを考える)詩的な作家になれますか?
との質問に、
作家の作品を読めば、
音楽が好きかどうか、結構当てられると思いますよ、との答え。
ハフ氏自身も、
文章を書く時、リズムや節は意識するとのこと。
人はよく、
歌う観点から音楽について話すけれども、
話すことも音楽なんだと思ってないのでは?
フレーズの長さ、
子音の明瞭さと形の重要性の観点で見れば、
音楽であるけれども、そう思ってないのでは、と。
いや、もう、その通りだと思います。
だからこそ、
私はイギリス英語の発音とイントネーションが好きだし、
アメリカ東部、西海岸、中西部などアクセントの違いも興味ある。
フランス語の音やフローも好きだし、
イタリア語の元気の良さも好き。
自分の生まれた地の
話し言葉の抑揚、単語のアクセントも含めて
言語の音楽的な部分をけっこう意識してきました。
文法はわからないのに音が好きで
意味がわからないまま音を真似て、
話せると誤解された失敗もあるけれど。。。
(すみません、余計な話でした)
*アイリーン・タン氏の最後の質問は、
貴方は、
博識家、驚くべき、著名な、
「真のルネサンス人(文芸復興家)」、
同世代の最も際立った芸術家の1人、
等々、呼ばれてきました。
個人的には、貴方をどんな風だと知ってもらいたいですか?
どんな人物として記憶に残りたいですか?
ハフ氏の返答は、、、
多分、親切で、ユーモアのセンスがある人だと。
この2つはなかなかセットで出てこないんですけどね
ああ、もうなんて最高の回答でしょう。
こういう想定外な返しが素敵じゃありませんか。
すごい才能の持ち主で素晴らしいピアニストなのに、
少しも気取ったところがない。
心より尊敬申し上げます。
かなりの長文にお付き合いくださりありがとうございました。