回転と後退はとても上手くなってきた。もちろん後退はしたくてしているわけではなく、前に行こうとするとどんどん後ろに下げって行く。

ほしいモノが後ろや横にあるときはクルット回って取ってはいるが、前に有るときは必死に体を倒して取ろうとし、それでも無理なら前に行こうと必死になって、どんどん後ろに下がって行く。なぜか遠くになってしまったそれを見つめては、すぐに諦めて他の届くモノへと手を伸ばす。諦めが早すぎるのも、なかなか前進しない原因かとも思うのだけれど。
保育所で4時間も寝ていたミトモ。ほかの園児たちに「よく寝るねー」と言われながらもずっと眠っていたらしい。

毎晩0時過ぎまで眠らず、眠っても2.3時間おきには「おっぱい」と泣き出すのに、昨日の夜は21時には眠り始め、その後夜中の3時までおっぱいも飲まずに眠り続けたミトモ。そして朝の8時にパチッと(本当に音がしたようにパチッと目覚めた)起きた途端にニコニコだった。

そんなにしっかり睡眠をとったはずなのに、なんで4時間も眠るんだ?
なんとなく保育料を損した気分になったのは、せこすぎるだろうか。
家に帰るととにかく愚図りまくり何もできない。だったらずっと傍に居て一緒に遊んでいればいいのだけれど、帰るとやはり夕食作りや掃除やらとやりたくなってしまう。

なので仕事帰りにはまっすぐに家に帰らずに、会社近くのカフェでのんびりすることにした。

スリングで隠しながら授乳をした後は、ずっと抱っこをしたまま馬鹿みたいにミトモとべたべたくっついて遊ぶ。
ミトモも楽しそうにくっついている。時々隣の席のおばちゃんに声をかけられて相手をしてもらっている。
そして30分ほど遊んでから帰宅することに。

すると驚いたことに以前ほど愚図ることはなくなって来た。時々思い出しては私を呼ぶけれど、一人でおもちゃ箱をひっくり返しては遊んでいるようになった。
私は時々ミトモに声をかけながら夕食の準備ができるようになった。

当たり前だけど、甘えたかったんだと今更ながら実感する。
保育所に迎えに行くと、先生が
「今日ミトモちゃんが、離乳食を全部食べましたよ!」ととても嬉しそうに報告してくれた。
先生たちも大感動で、一口食べるごとにべた褒めして食べさせたとのこと。

夕食のときにも、久しぶりに自分から口をあけて食べたいと意思表示をしてくれる。3.4口で満足してしまったけれど。少しは食べることの楽しさを思い出してくれたのかも。
7月に入ってからは、できることが随分と増えてきて、服の袖を通すのも自分から積極的にやってくれるようになったし、左右の手で違うものを持って遊ぶようにもなった。持っているコップにモノを入れたり出したり、色々と遊び方も変わってきた。

変わりに猫たちへの興味は薄くなったみたいで、以前は姿を見ると「きゃー、あー」と興奮して呼んでいたのが全然気にしなくなってきた。近くを通っても「何?」という感じだ。
だけど今度は、以前は全く近寄らなかった黒猫が、すぐにミトモの横に寄ってきて寝そべるように。さすがに真横に座られるとミトモも気になるようで、耳を引っ張ったり目を突こうとしたり大変なのだけど、黒猫はじっとおとなしくされるがままになっている。どうやら面倒を見ているつもりなのかもしれない。

白猫の方は、今もまだあまり近寄っては来ない。時々しっぽを引っ張られては怒っている。
相変わらず保育所から帰ってくると私にべったりで、少しでも離れると大泣きしだすし、離乳食も2.3口しか食べてくれない。
私は慣れない仕事への不安と緊張と、毎日の進まない家事とでヘトヘトになっている。

それでも毎日が楽しい。
仕事を覚えていくのが楽しい。
色んな人との出会いやコミュニケーションが楽しい。
ミトモとの時間が楽しい。

そして、泣いているミトモに優しくできる自分がとても嬉しい。
初めて赤ちゃんせんべいを渡してみた。楽しそうに上下4本の歯でサクサクとかじっては口の外へ。
どうもサクサクするのが楽しいようで、唾液でふにゃふにゃになったせんべいは嫌らしい。

食べるものとは思っていないのかもしれない。

細長い小判上のおせんべいを両手で持ってサクサクとかじっていき、かじった部分がふにゃふにゃになると、くるっとひっくり返して反対側をまたサクサク。
1本あっというまにサクサクしてしまい、後にはふにゃふにゃのせんべいの残骸が一面に。
ああもったいない。
あれから毎日、もぞもぞもぞもぞと動く努力はしているみたいだけれど一向に進展せず。ミトモもじれったいのか「きゃー」と叫んで怒りながら動こうとしている。

今夜も同じように体を上下にゆすっているので見ていると、なんとそのまま180度回転してしまった。本人は意図せずだったみたいだが嬉しかったみたいだ。前にはやはり行けず、動けば動くほど滑って後ろに体が行ってしまっていた。

それでも初動き。初回転。
つい最近まで動こうともしなかったのに、すごい進歩だ。
相変わらず哺乳瓶は受け付けず、保育所の先生たちも色々と試してくれたようだが、ミトモは全くミルクを飲むことはなかった。
ここ数日保育所に行った日は、昼間は絶食状態だった。唯一少し使えるようになってきたコップで少しのお茶を飲むだけで、私の迎えを待っていた。

なので登園寸前に駅のベンチで授乳をし、迎えにいくとすぐに近くのベンチで授乳をしていた。

本人は元気なのでそれでも大丈夫なのだろうと思うのだけれど、やはりかわいそうなので、離乳食を食べさせることにしましょうかと先生と相談する。
とはいえ離乳食も実は最近は全然食べてくれない。一口二口食べるともう口をあけてはくれない。それでももし少しでも食べてくれたら安心だ。
哺乳瓶でのミルクはすっぱりと諦めて、今日からは離乳食を持たせることにした。

夕方迎えに行くと、持たせた離乳食の3分の1程食べてくれたと、先生も嬉しそうに教えてくれた。

6ヶ月末にはすでに座っていたというのに、まだ寝返りもハイハイもできず、寝っぱなし座りっぱなしで全く動くことのできないミトモ。それが夜になって初めて自分で動こうとしている。お尻をもぞもぞもぞもぞ。それも気合なのか「きぇ~~~~」と叫びながら体を前後に振っている。
するとようやく反動で5ミリほど前に動いた。それがとても嬉しかったのか、体を前に倒して自分の足を眺めては、足先をもぞもぞもぞもぞ。
結局動いたのはそれっきりだったけれど、自分で動こう、動けると知った貴重な夜。