そういえば

この夏に妻が九州転勤になり、8月あたまから保育園児の娘とのふたり暮らしが始まっていた。

 

テレビ番組の制作をするディレクター業務をしていて、いったん仕事が始まれば土曜も日曜もなく、まして昼も夜もなく番組が完成するまで働いてきたような業界なので、たぶん妻の転勤の話しが持ち上がるのが昨年だったなら万事休すで、私か妻のどちらかが仕事をやめることになっていたかもしれない。

 

ただ、世を覆う働き方改革とやらのおかげさまで、お上から号令がかかった途端に会社でも労働環境の改善をやかましく言うようになり、男親がひとりで子育てしながらでも続けられるような仕事をあてがってくれるなど、周囲の配慮や助けもあって、なんとかやれている。

(ここ1年で職場におけるそういう意識の変化は驚くほど進んだ。ただ、会社が社員の幸福に興味があるか?というとそうではなくて、役所からぺナルティ付きで”働かせ方”を管理されるようになったから、にすぎないのだが。)

 

 

朝起きて、自分の弁当を作り、夜のコメを炊飯器にセットして、前夜の洗い物をやりながら子供を起こす。だいたい声をかけるだけでは起きないのでEテレを付けてテレビの音で起床させる。子供が起きたらテレビを消してNHKラジオに切り替え、パンを焼くあいだに子供に自分で今日の持ち物を準備させる。準備するのは水筒、手拭きタオル2枚、歯ブラシとコップ、その日保育園で使う着替えなど。それに加えて今日着ていくものまで準備させたら食事をとらせる。食べ終わった子供をせかして口をすすがせ歯磨きをし、顔を洗わせ、目やにがちゃんと取れているかをチェックしつつ耳やおでこまでしっかり濡らして親が洗顔を仕上げる。こどもの着替えが進むのと同時に洗濯ものを干し、それが終わるとようやく親は自分の世話に着手できる。

 

自分が仕事に出る準備ができたところで子供と一緒に家を出て自転車で保育園に送っていき、その日のお迎え時間を用紙に記入して子供にもその見込みの迎え時間を伝え、親は職場へ出発する。

朝にこうしたひと騒動をやって、日中は会社で働き、遅くとも19時には会社を出て、遅くとも保育園の最終20時までに子供を迎えに駆け込む。

 

そうして帰宅後はひと騒動の夜の部のはじまり。食事をして、風呂に入れ、歯を磨いて、お話しを聞かせながら寝かせる。子供が寝ると、自分もへとへとで寝てしまう。夜に仕事を持ち帰って家でやることは最近になってあきらめた。

 

幸い、料理は私自身がが子供の頃から好きだったので、なんでもあり合わせのもので適当にパッパと作る事はできる。妻はそういう私だから、娘をまかせてひとりで転勤する決心をしたのだとも思う。

 

娘との二人暮らしをするようになってからの一番大きな変化は、娘が野菜を食べるようになったこと。

それはうれしいのだが、片親の暮らしは緊張が解けることがないのがつらい、といえばつらい。