――ところで、大枝さん、ここ最近様々なダイエットがありますが、大枝さんからみていかがでしょう?
大枝博士は黒縁の眼鏡を外して、ふうっと息を吹きかけ、ポケットから取り出したハンカチのようなものでレンズをふいた。そうして、眼鏡を上にかざし、ふむ......と小さく言って、眼鏡をかけた。
白くなった前髪をかきあげて言った。
「そもそも、なぜみなダイエットをするの?」
――それはまあ、人によっていろいろとあるでしょう。健康の問題とか、太っていると異性に嫌われるだとか......
「そこ、そこ!多くのダイエットの目的は、太っていると異性にモテない!って考える輩が多い。自分を格好よく見せたい。それで異性と仲良くしたい。あばよくはSEXしたい――その理由でダイエットする輩が多い」
――はあ、まあそういうのもありますが、純粋に健康のためにする人も多いかと......。
「健康のため?別に太っていても問題ない場合も多い。むしろ極端なダイエットは危険である。これまで様々なダイエット方法がでてきた。体重を減らす。体脂肪を減らす。それが何になるのだ!結局、行きつくところはSEX。なぜSEXに行きつくか?君、解るか?」
――はあ、いや、みんながみんなそうではないような気もしますが......
「種が滅びないためなのだよ。人間――ホモサピエンスが滅びないためにはSEXして子孫を残す必要がある。だからみんな少しでも自分を異性から気に入ってもらおうと必死にダイエットする。なぜなら、デブは恋愛、SEXの対象外だからな。今の感覚では」
――はあ、大枝博士、それはまた――
「いいか?異性と交じりあうためのダイエット!そんなの続かない。何故ならば人間はその前に自分が生きることを選ぶ。だから食うのだ!死なないように。そしてそれが確実になってから、性、子孫繁栄に向かう。すなわち、食欲は性欲に勝る。だからダイエットは成功しないのだ」
――でもそれは矛盾してませんか?
「だから時代背景があるのだ。今の時代はおかしい。なぜ痩せている方がモテル?本来デブが持てなければならない。だから私は言う。デブ中心社会でないと人類は滅亡する」
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現在、執筆中、「ダイエット・ゲーム」という小説の一部です。