前回、見る立場からいうと、動画はつなぎ目が意識されずストーリーのあるものが核心だと申し上げました。今回は、ワンシーンにおける位置について着目してみました。
■上手(かみて)と下手(しもて)
お芝居の好きな方はご存知でしょうが、舞台には、“上手”(かみて)と“下手”(しもて)があります。
観客から見て、右側が上手、左側が下手です。
なぜか、日本語では、左右が上下に置き換わってしまっています。
ちなみに、英語では舞台から見て、上手は stage left、下手は stage right と呼びます。
それはともかく、動画においても上手・下手を意識するとよいと考えます。
例えば、社員研修用の動画において、上司・部下のような上下関係を表現しようとしたならば、この上手・下手の配置で良いでしょう。
あるいは、クレーマーは、圧迫感を持たせる意味で、上手である右側から登場させるべきです。
■撮影位置(ポジション)
動画を撮影する位置のことをポジションといいます。
芸術作品となれば、ポジションのこだわりは重要です。
例えば、名監督の小津安二郎はロー・ポジションからの撮影に非常にこだわった方です。日本家屋をもっとも美しく撮るためのポジションとか、畳に座った人物たちをもっとも安定した構図になるとかを狙ったものといわれています。
もっとも、社員教育用の動画の場合、奇をてらう必要はありません。
人物の会話シーンなどでは、通常、目線(アイ・ポジション)で撮影するのが原則です。
 
■俯瞰(ふかん)とあおり
カメラのポジション(撮影位置)とは別に、カメラの被写体に対する角度のことをカメラ・アングルといいます。これが、上手・下手に対して、本来の上下の位置の問題です。
被写体を上から撮ったようなアングルを“俯瞰”(ふかん)といいます。
スカイ・ツリーから東京の街並みを上から映したようなシーンのことです。
俯瞰で撮ることで、客観的な描写になるため、情景説明は省略できます。
社員教育用の動画でしたら、会議の光景を一瞬で知らせるのには、俯瞰がよいでしょう。
また、弱い立場、地位の低いイメージ、心理的な弱いイメージを表現できます。
あるいは、物事を小さく見せるといった効果をねらうときにも使うことができます。
これに対して、被写体を下から撮ったようなアングルを“あおり”と言います。
あおりで撮ることで、被写体を大きく見せたり、威圧感を与えることができます。
地位の高い人やクレーマーなどを表現できます。
以上、今回は、動画における上下左右の位置について、見る立場から論じてみました。
 
 
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