このヘッドは、真ん中が持ち上がるように弓なりに歪んでいたので、上下両面の面研を実施しました。
その為に、バルブの高さが狂ってしまうというのは初めからわかっていたことです。
つまり、バルブシート面から見て2番3番が弓なりに持ち上がった分上がっているということです。
その狂いは、気にしなくても組み立てることは出来るのですが、ロッカーアームの角度がその狂い分変わってしまうという現象が発生します。バルブタイミングなどにどれだけの影響があるのかはわかりませんが、バルブステムの突き出し高さをそろえることでロッカーアームへの影響を及ぼさないように処置してみます。
今回のやり方も実験みたいなものなので正解なのかどうか、単なる辻褄あわせなのか意見の分かれるところではありますが、アマチュアの遊びなので忖度でお願いします。
まずは、ヘッドにバルブをすべて差し込み、そのバルブステムの突き出し誤差をステンレス定規を当てて図ってみます。
ヘッドを逆さにすることで、バルブが抜けることもないので測定は容易になります。

要は、バラつきがないかの確認の為に定規を当てるわけです。
長いものは持ち上がります。凸凹のないようにして測ります。

1番と4番の高さに合わせてすべてのバルブステムに定規を当てると、歪んでいる分2番と3番にその狂い分が持ち上がることになり、上面ではバルブが閉まっていない状態を確認することが出来ます。

ポートからライトを当てると光の漏れでよく確認できます。

そこで、この長すぎる部分をグラインダーなどで切削して高さをそろえます。
切削面は鏡面仕上げをします。
ここは、ロッカーアームが直接あたる部分だからです。

おさらいしますと、グリーンの曲線のように歪んでいたものを面研してフラットにしてはいますが、その内側に当たるバルブシート面はレッドの曲線のように弓なりのまま補正することが出来ないので、その補正をバルブステムの高さで行うという方法をとってみました。

バルブステムを切削して短くすると、リテーナーの取り付けに変化が現れてしまいます。
突き出し量が状況によっては足りなくなる場合もあるでしょう。
今回は、ギリギリ突き出し量が残っているのでそのままでも良いのですが、リテーナーの取り付けに工夫をして余裕を持てるようにすることにします。
左は、切削加工したもの、右は、ノーマル、突き出し量に違いがあります。

以前、リテーナーの考察をしたときに比較検討していますが、その中の方法で突き出し量を少しばかり多く出すようにしてみます。
そのときの比較がこの写真です。解説を入れました。
赤丸で囲った組合せが適当と考えていますので、組立にはこちらを採用します。
ややスプリングを押し付ける設定ですが、さほど大きな支障はないでしょう。

各タイプの部品展開は以下の通りです。
Aタイプは古いタイプで、Oリングを装着し、これによりオイル下がりを抑制する働きを持たせていたと思われます。
Bタイプでは、Oリングがなく、オイルステムシールの採用で、オイル下がりを防止する機構のエンジンに装着されていました。
今回は、この両タイプの組み合わせによって取り付け高さを変更する予定です。

左から、切削加工品にBタイプで組んだもの。切削加工品にAB組合せで組んだもの。未加工品にAB組合せで組んだもの。になります。突き出し量は十分です。

一応、このような方向で考えていますが、実際の組み付け時にはフリクションロス削減の観点から、Bタイプのみで組み付けるかもしれません。
まだまだ、考えています。