おはようございます。

非正規こそが最前線!アルバイトパート育成アドバイザーの佐々木美智子です。

 

前回は「仕事の価値に見合う時給」というテーマでお伝えしました。今日はそれにちなんで、時給の金額を見たときにアルバイト志願者はどのような気持ちになるかについてお伝えします。

 

アルバイトの募集情報を探すとき、多くの人は仕事の内容+条件(勤務時間など)と給与(時給)を一番最初に見ます。

 

仕事の内容に関しては、どんな職場かを見れば大体わかりますので、勤務場所を確認する程度ですが、勤務時間と時給はじっくり見ます。

 

アルバイトやパートで仕事をする人は、自分の都合を優先にしなければならない訳アリの方々です。ですから、シフトの決め方などできるだけ具体的な情報が必要なのは、以前からお伝えしている通りです。

 

そして、その限られた時間の中で、できるだけたくさん稼ぎたいという希望もありますが、中には、学生や扶養範囲希望の主婦の方々など、得られる収入に制限がある人もいることを踏まえましょう。(こちらは非課税枠の引き上げによって従来と若干変動があると思われるので、専門家への確認をお勧めします。)

 

派遣(スポット・レギュラーに関わらず)で長く仕事をしていると、募集時の時給が高い職場を見ると「何かあるのでは?」と考える人もいます。「職場の環境や人間関係に問題があって、人が集まらないから、時給が高いのかもしれない」などと考えて、誰か経験者を見つけて確認してから応募するかしないかを決めます。

 

このように「謎に給料が高い」場合は、逆に敬遠される可能性もあるので、高い時給を設定する場合は、何らかの情報提供をしたうえで設定したほうが良いでしょう。

 

時給金額によって、スタッフのモチベーションやスキルアップに良い影響を与えるのは「昇給」です。

 

ある職場に私が最初に行き始めたころ、パートさんたちの雰囲気が悪くて、デリケートな方々は「あの職場にはもう行きたくない」と、噂されていた食品工場がいくつかありました。

 

日雇いで就業していた派遣の私たちは、繁忙期の募集ということもあって、それなりの高時給で就業させていただいたのですが、後から聞いたところ、当時その工場のパートさんたちの給料は、ほとんど最低賃金レベルだったとのことでした。

 

一定期間その職場の募集が無くなり、数年後に以前よりもかなり高い時給で募集があったのでその職場に行ってみると、職場のルールも徹底されて、私達派遣に怒鳴り散らす人もいなくなり、とても居心地の良い環境で仕事をすることができました。

 

私たちの時給がアップされた状況をみるなら、おそらく、直接雇用のパートさんの時給も上げられたのでしょう。収入額がアップすれば、心にもゆとりを与えられるものだと実感しました。

 

そのような、職場全体の昇給も良いのですが、時給のアップによって、スタッフのモチベーションやスキルを上げるのにもっと効果があるのは、仕事のレベルを上げることで、時給が上がるシステムを取り入れることです。

 

私がアルバイトを始めたばかりの頃は「試用期間」といって、新人の頃は通常時給よりも50円安いということがありました。試用期間が終わると通常時給に引き上げられ、そこで新たな責任感からモチベーションをアップさせる1つのきっかけになりました。

 

(私は個人的に「試用期間」は推奨しております。理由は次回の記事でお伝えします。)

 

私が勤務経験のある居酒屋チェーン店では「ランク制」のようなものがあって、できる仕事の数によって、そのランクが上がって時給がアップするシステムでした。業務に関わる範囲が広がれば、それだけ責任の範囲も広がります。

 

また、ファストフード店では店内での立場そのものが変わるという制度があります。

 

最初は覚えた仕事のスキルをテストされて、合格できれば3円~5円程度時給が上がりますが、一定の分野(キッチン調理・フロント接客)すべてに合格すればトレーナーになって大幅アップ、さらに両方の分野のスキルが身に付けば「マネージャー」として、店舗運営や人員管理にも携わる業務が増え、やはり時給が大幅アップします。

 

イベント会社では、一般のスタッフから研修を経て警備員資格を取得した際に、時給がアップしました。厳密に言えば、スタッフ業務と警備業務はカテゴリーが異なるので、警備業務の方がスタッフよりも時給が高いことによる時給のアップということでしたが、警備員の資格を持っている人がスタッフ業務をした際にも手当が上乗せされるというメリットがありました。

 

これらの経験の際に1つだけ気になったのは、時給が上がった際に、スタッフ一人ひとりには、その件について特に報告がなかったことです。

 

イベント会社で新任の警備員研修の受講者を募る際には、警備業務の時給や手当に関する情報が案内されていましたが、飲食店では時給が変わる際に特に何もいわれなかったため「自分の時給がいくらだかわからない」と言いながら働いていたスタッフがけっこういました。(実際私もそうでした)

 

これは本当にもったいない話だと思います。

 

「○○さん、今回のスキルテストに合格したから、明日からの時給〇円アップね。」とか「来月からランクアップして時給も〇円になるから、ますます頑張ってね。」と声をかけていただければ、嬉しいと同時に気持ちが引き締まって、モチベーションが高まったり、ますますスキルを上げていきたいという気持ちになります。

 

業務内容に変更がなくて、最低賃金引き上げや会社規定による昇給だとしても(この場合は全員一斉や書面での回覧でも大丈夫です)給料アップの情報は嬉しいものです。ですから、ぜひともきちんとスタッフさんにお伝えしましょう。

 

そしてここからはお願いも含めての提案です。

非正規の場合、働く事情は個人によって様々です。

 

お店としては学生など、若くて体力のあるスタッフを優遇したくなるかもしれませんが、学業などとの兼ね合いから、アルバイトに力を入れられない場合もあるかもしれません。また、主婦(夫)やシングル・マザー、シニア、フリーターなど、経済的な必要があって短時間の勤務でたくさん収入を得たい人もいると思います。

 

ですから、個人の希望をしっかり受け入れて、学生には無理のない範囲で仕事をしてもらい、必要な方々にはできるだけ早く高時給の立場になれるように、面接や採用の段階で給与体系の情報を提供し、研修などスキルを身に付けられる機会を多くしてあげてはいかがでしょう。

 

「ここでアルバイトすれば、自分の希望がかなえられる」という思いを抱いてもらうことが、長く働いてもらう上でも有効だし、一人ひとりを大切にするうえで、大切なポイントになります。

 

仕事を覚えるのに時間がかかっても、無期限で働いてもらう可能性が高い方々への研修は、今後に向けての投資としても決して無駄にはなりません。ぜひとも幅広い人材を上手に活用できる「知恵」と「工夫」を駆使していきましょう。