★★★★★★★★★★

1995年 107min.

ネタバレ んーと、単純な話なので。とりあえずラストは伏せときましたけど。

敬称略

 

 

 監督 サム・ライミ

 製作総指揮 トビー・ジャッフェ、ロバート・タパート

 製作 ジョシュア・ドーネン、アレン・シャピロ ほか

 脚本 サイモン・ムーア

 音楽 アラン・シルヴェストリ

 

 ジョン・ヘロッド:ジーン・ハックマン

 エレン:シャロン・ストーン

 コート:ラッセル・クロウ

 フィー・“ザ・キッド”・へロッド:レオナルド・ディカプリオ

 グッドソン:スヴェン=オーレ・トールセン

 フォイ:レニー・ロフティン

 エース・ハンロン:ランス・ヘンリクセン

 ドッグ・ケリー:トビン・ベル

 クレイ・キャントレル:キース・デイヴィッド

 スカーズ:マーク・ブーン・ジュニア

 ユージン・ドレッド:ケヴィン・コンウェイ

 ホレス:パット・ヒングル

 ケイティ:オリヴィア・バーネット

 エレンの父:ゲイリー・シニーズ

 ドク・ウォレス:ロバーツ・ブロッサム

 

 

 えとこれですね、わたし前回の更新で「大災難P.T.A.」を観たときに、ジョン・キャンディがなんかジーン・ハックマンに似てるなとか思って、久々にジーン・ハックマンの映画観たいなあ、「クイック&デッド」とか、とか思ってたんですけどね、そしたらクジで本作を引いたという、まあことここに極まれり、の感がありますね。

 

 えと、で、監督がサム・ライミの西部劇ってのは興味わきますよ。そもそもサム・ライミはご存じ「死霊のはらわた」で鮮烈デビューだったわけですけれども、その後はコメディに走ったり本作のような西部劇を撮ったり、はたまた「スパイダーマン」なんかを監督したりと多岐にわたって大活躍してる鬼才ですよね。で、そんな人の作品に音楽でアラン・シルヴェストリが参戦してるとなったら、そりゃあこれ観ないわけにはいきませんね、ということです。期待せん方がおかしい、というわけです。

 

 この時代の映画音楽界は、ジェリー・ゴールドスミスとジョン・ウィリアムズの二大巨頭に追いつけ追い越せとばかりに、このアラン・シルヴェストリやジェイムズ・ホーナー、マイケル・ケイメンなんかが台頭してきた時代で、群雄割拠という感じでした。その若き精鋭の一人、というわけです。

 

 役者にしてもそうですよ。本作はもうこれ、シャロン・ストーンをみんなで盛り立てようとばかりにジーン・ハックマンを筆頭に、ラッセル・クロウ、ランス・ヘンリクセン、キース・デイヴィッド、パット・ヒングル、ゲイリー・シニーズなんて演技派が脇を固めていて、ワクワクしかありませんよ。

 

 て、え、ていうかジェイムズ・ホーナーって亡くなってたの!?ということに気づきました。自分で操縦していた飛行機事故で亡くなったそうで、わたし本作のこと調べるまで全然知りませんでした。しばし絶句でありました。

 

 いや、ま、気を取り直して。

 

↑トライスターのロゴ。

 

 これはなんかちょっと懐かしいですかね。最近はどうしてるのでしょうか。ちゃんと映画製作してるのでしょうか。まあわたし自身が最近の映画を観ていないのでなんとも言えませんけれども、当時はコロンビア・ピクチャーズの子会社でいろんな名作を製作してましたから、ちょっと思いました。

 

↑主役、なんでしょうかね、シャロン・ストーン。

 

 めっちゃかっこいいですね。

 

 シャロン・ストーンはわたし、「ロマンシング・アドベンチャー キング・ソロモンの秘宝」で初めて観たんですけれどもね、そのあと再会したのが「ポリス・アカデミー4 市民パトロール」ででして、あまりの激変ぶりに映画館の椅子からずり落ちそうになるくらい驚いたのを覚えてますよ。それがここまでなるとは、なんか感慨深いものもありますね。想像もしませんでしたからね。「ロマンシング・アドベンチャー キング・ソロモンの秘宝」では、かわいいというイメージでしたけれど、すっかり妖艶な女性を演じきれるようになったのはすごいことです。

 

↑ランス・ヘンリクセン。シブいですねえ~。

 

 この人もいろんな役をやりますよね。「エイリアン2」ではロボットの役もやってましたしね。名バイプレイヤー、というわけです。まあ若干わたし的にはスコット・グレンとかぶったりはしますけれど。

 

↑キース・デイヴィッド。こちらも相変わらずシブすぎますね。

 

 出てくれば強烈な存在感とともに確実な演技でしっかり映画に重みを増してくれるのですけれども、だからわたしどうしてこの人が今イチ大物になりきれなかったのかが不思議でなりません。都合のいい役者、では決してないと思うんですけれどもね。まあ今回はわたしこの人みて、ああ、アダモちゃん死んじゃったな、とは思いましたけど。

 

 さあそして、

 

↑我らが、いや、わたしの神様ジーン・ハックマン!

 

 もうカッコよすぎますね。このころは、ハリウッドで一番忙しい役者って言われてた時期ですね。しっかりとこのお方をカッコよく魅せてくれたサム・ライミ監督に感謝というところです。悪役がこんなに似合うとはわたし驚きでした。レックス・ルーサーとはわけが違いますからね。すごいことです。

 

↑ラッセル・クロウも若いですねー。

 

 なんかいろいろ貴重な作品のような気がしますよ。

 

 えと、内容は、要するに早撃ち大会のお話、ということなんですけれどもね、どうやらそれに流れ者のシャロン・ストーンと悪人ジーン・ハックマンがどう絡んでくるのか、ということのようですね。開始20分ですっかり引きこまれてます。

 

↑パット・ヒングル。

 

 この方はなんかずっとこんな役ってイメージですけれど、こういう役こそこのお方、という言い方もできますよね。配役がこれ、王道すぎるような気がしてきました。

 

↑いちいちカッコいいわけです。

 

 で、このあと最初の戦いが始まるわけですけれども、これがもうサム・ライミ感満載で、思わず笑ってしまいました。

 

↑この二人もなにかいわくありげですよ。

 

 なんかまだまだいったいなにがどうしてという感じではありますけれども、それでもイライラしないのは話がスピーディーに進んでいるからなのでしょうかね。余分なシーンがまったくなくって、どんどん話が進んでいきますからね。まあそれほど内容がある映画でもないのですけれども、それにしてもテンポが良いというわけです。

 

↑見れば見るほどアダモちゃんです。

 

 さて、で30分を過ぎると、ラッセル・クロウの素性が知らされます。元殺し屋、ということだったようですね。で、それはジーン・ハックマンも知ってて、でも今は殺しは辞めて牧師になってるもんですから、それが気に喰わないようなのですね。で、この早撃ち大会で本性を暴き出してやろう、というわけのようです。

 

 ただ、でもそれもそんな細かくは描いてないです。あくまでも話の流れ的に明らかになるという感じで、なんか心地よく話が入ってくるわけです。

 

 あ、ちなみにジーン・ハックマンは、この西部の田舎町の権力者で、銃の力で町民を従えている悪いヤツ、という設定ですよ。

 

 でもってラッセル・クロウ、おれはゼッタイに銃は撃たない、なんて言ってたですけれども、

 

↑やっぱり撃ちました。

 

↑いや、文句なしにカッコいいです。神です。

 

↑その神と絡むのがこんな感じですから、

 

 ますますカッコよく見えますね。

 

 ジーン・ハックマンをこうもこれでもかってくらいカッコよく撮ってるってサム・ライミも、じつはやっぱりジーン・ハックマンの大ファンなのでしょうね。うれしいことです。

 

↑で、本作でシャロン・ストーン初めての早撃ちのシーンですが。

 

 ここはたっぷり2分間かけて魅せてくれましたけど、わたし息できませんでしたよ。さすがサム・ライミ、抑えるところはしっかり押さえてくれますね。わたしがエラそうにいうことではないのかもしれませんけれども、いや好感がもてますね。

 

↑ワインを飲むジーン・ハックマン。

 

↑同じくワインを飲むシャロン・ストーン。

 

 いえね、こういうなにかを飲むシーンっていつもそうなんですけれども、アフレコで「ずずずーっ」てすする音をあてるんですね。でもそれってどうなんですかね。わたしはいつもやりすぎやと思いますよ。そもそもアメリカ人て食事の時に音を立てるとイヤがるじゃないですか。そんなにすすってるような飲み方にも見えませんし。シャロン・ストーンがずずずーってのはイメージダウンもはなはだしいとわたしは思うんですけどね。いつもそれが気になるわけです。

 

↑ジーン・ハックマン、当時65歳ですよ。何度も言いますけど、カッコいいです。

 

 現在94歳。もうとうの昔に俳優業は引退されましたけれど、昨年末にハンバーガーショップでハンバーガーを購入する写真が出回ったりして、ご健在でうれしい限りです。ていうか、考えたらジョン・キャンディの倍以上生きておられるのですね。なにからなにまでスゴイのです。

 

↑開始1時間、ここで彼の素性もハッキリします。

 

 昔ジーン・ハックマンと組んで銀行を襲ったりしてたそうですよ。まあそれならジーン・ハックマンが怒るのも無理はないですね。時間配分も絶妙です。

 

↑ジーン・ハックマンを狙う殺し屋だったようです。

 

↑それを知ったジーン・ハックマンです。

 

 ここではジーン・ハックマンが、自分を狙う殺し屋を恐れているということをほのめかす描写なのですけれども、いい脚本です。ああ、なんだ、ジーン・ハックマンだってやっぱり死を恐れてるんじゃないか、ということを見せてるわけですよ。ゼッタイ死なない存在じゃないじゃん、早撃ちで負ける可能性だってあるんじゃん、ということを知らしめているわけですね。おかげでこのあとの展開がまた俄然おもしろくなるわけです。

 

↑キレるジーン・ハックマンもいいですねえ。

 

 で、キース・デイヴィッドは

 

↑こうなりました。

 

 サム・ライミの面目躍如、といったところでしょうか。わたしは爆笑案件でしたけど。

 

↑初めて人を撃ったあとのシャロン・ストーンです。

 

 いい演技してますね。心の葛藤がしっかり顔に出てます。あれほど憎んでいた殺しを自分もしてしまった、いくらパット・ヒングルの娘を犯した男とはいえ、殺してしまったことは許されることではない、的な。ひしひしと伝わってくるいい演技なわけです。

 

↑「CSI:NY」のゲイリー・シニーズはシャロン・ストーンのお父さん役です。

 

 この人とジーン・ハックマンとの因縁もここで描かれました。そしてあとは大団円へ、という流れになります。ここまでの一連の流れはもう王道中の王道なわけですけれども、だからこそ安心感バツグンで、なにも考えずに素直に観ることができてます。

 

 そして、

 

↑シャロン・ストーンが宣戦布告して、

 

↑それを聞いて笑う、と。

 

 でもね、この笑いは、息子からも戦いを挑まれちゃいましたし、だからちょっと怖がってる笑いなんですよね。それがこの表情ですよ。まさに神なわけですね。

 

↑で、息子を殺してしまいました。

 

 こういう話を用意しているのも映画のだいご味ではあります。いえね、読めるんですよ、こうなるってことは。でも、それが良いんですよ。いいじゃんいいじゃん、てなるわけです。

 

 ところでちょっと腑に落ちないところがありまして。

 

 ラスト前なんですけど、シャロン・ストーンとラッセル・クロウが闘わなくちゃならなくなりましてね、でも二人とも相手を殺したくないから銃を抜けない。それに業を煮やしたジーン・ハックマンが「10数える間に撃たなかったら二人とも撃ち殺す」って言って10からカウントダウンしたのですけれども、1まで数え終わっても撃ちませんでしたのですよ。えと、10から数えて1まで数え終わったら10は数え切ってるわですから撃たなきゃおかしいじゃないですか。1から0まではもう11カウントなんですよ。それってどうなんですかね、と思ってしまったのでした。ま、どうでもいいですけどね。言いたいことはわかりますからね。すみませんでした。

 

 で。

 

↑早撃ち最終対決へのぞむ緊張感からのこのジーン・ハックマン!

 

 今日一カッコいい神なのでした。わたしチビリそうになりましたよ。ウソですけど。

 

↑この方もカッコいいところを魅せてくれました。

 

 なんかここへきて、イキな映画やなあ、と思うこととなったのでした。

 

 ラストはド派手に終わりました。結末はぜひご覧になっていただければ、というところで、ジーン・ハックマンに感謝をささげて終わることといたします。

 

 神はやはり神なのでした。

 

↑ところでこちらのお方ですが。

 

 誰だかおわかりでしょうか。あの「ソウ」の悪いヤツです。わたし、すげ、て言いました。

 

 

今日の一言

「みんな普通に馬乗れるのね」

 

 

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