★★★★☆☆☆☆☆☆

2014年 165min.

ネタバレ 最後めんどくさくなって結果的にネタバレしていないみたいになりました

敬称略

 

 

 監督 マイケル・ベイ

 製作総指揮 スティーヴン・スピルバーグ、ブライアン・ゴールドナー ほか

 製作 ロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラ、イアン・プライス ほか

 脚本 アーレン・クルーガー

 音楽 スティーヴ・ジャブロンスキー

 

 ケイド:マーク・ウォールバーグ

 テッサ:ニコラ・ベルツ

 シェーン:ジャック・レイナー

 ルーカス:T・J・ミラー

 ジョシュア・ジョイス:スタンリー・トゥッチ

 ハロルド・アテンジャー:ケルシー・グラマー

 ジェイムズ・サヴォイ:タイタス・ウェリヴァー

 ギル・ウェンブリー:ジェイムズ・バックマン

 ダーシー・トリル:ソフィア・マイルズ

 スー:リー・ビンビン

 

 

 さて、で、前3作とはうってかわってのトランスフォーマー、ということになるのでしょうかね。なにしろシャイア・ラブーフどころか、ジョシュ・デュアメルもジョン・タトゥーロも出てきませんからね。まあね、それはいたしかたないとはいえ、シリーズファンにとってはこれもうほんとになんともはやな展開なんでしょうね。1作目でそのアイディアで度肝を抜いて、2作目でこんなもんかと落としといた上での3作目の名作、なわけですから、こりゃこれからいったいどんな展開になっていくんやろという期待感満載だったところの本作、なにしてくれてんねやラブーフ、ということでしょう。

 

 ただ、じゃあこの危機を逆にどうやって逆手に取ってくれるのか、ってのも楽しみではあるわけですね。なにせこれ、スピルバーグとマイケル・ベイの最強コンビなわけですよ。そりゃ、そんなトンデモなことにはなりはしないと思うじゃないですか。

 

 まあね、先にもうの数出てますからわかってしまうのでしょうけれども、とりあえずそれは置いといて、気持ち半々で観始めることといたしました。

 

↑オープニングのCGは素晴らしいですよ。

 

 で、次ですよ。これがもういきなりの「なんじゃこりゃ」なんですけれどもね、

 

↑恐竜……。???

 

 えと、「ジュラシック・パーク」やったかこれ、と思ってしまいますね。

 

 まあ、トランスフォーマーたちはその昔に地球にやってきて、古い人類と接触しているというのはこのシリーズの流れなのですけれども、恐竜は聞いてないわ~、です。恐竜の時代には人類はいませんからね。そら頭の上を「?」が飛び交いますよ。

 

↑まあでもオープニングですしね。

 

 「?」でもいいか、という感じで観進めました。観るしかないですけどね。

 

↑前作から5年だそうです。シカゴの復興は進んでいないようで。

 

 どうやら政府は、エイリアン(トランスフォーマー)どうしの戦いでこんなんなってしまったから彼らを排除しようとしている、ということのようです。

 

 まあね、気持ちはわかりますよ。こんな戦争以上のような廃墟になってしまって、そら復興もタイヘンですよ。それをなにかに責任転嫁しなきゃやってられん、というのは重々わかりますけれどもね、でも実際はそうじゃないじゃないですか。誰のおかげで被害がこれだけで済んだか、ってこともあると思いますよ。それを全部が全部をいっしょくたにしてしまって、トランスフォーマー=悪、みたいな方程式を作ってしまう政府はアホなのか、と思ってしまいますよね。わたし、え~、なにこれ、ってつぶやいてしまいました。

 

↑マーク・ウォールバーグと

 

↑その娘テッサのニコラ・ベルツ。ふぐ刺しではないですよ、念のため。

 

 これ映画のあいだじゅうずっと、マーク・ウォールバーグが「テッサ」っていうたびにふぐ刺しを想像してしまいました。役名も考えてもらいたいものですね。

 

 とりあえずマーク・ウォールバーグは変人ぽいです。

 

 そしたら、

 

↑軍医ラチェットは殺られてしまいました。

 

 要するに、オートボットもディセプティコンもないわけですよ。ここのシーンでそれがハッキリします。人類にとってはオートボットだろうがディセプティコンだろうがトランスフォーマーはすべて敵、掃討作戦開始、というわけです。前作のシカゴの件で家族を殺された、ってのがやけに闘志を燃やしてます。復讐劇、なわけです。

 

 そしたら、

 

↑なんか人間に味方するロボットが出てきましたよ。

 

 なんなんですかね。そこらへんの説明はないです。一瞬わたし、人間が造ったのか、って思いましたけど、そんなわけはないでしょう、きっと。

 

↑ハロルド・アテンジャー役のケルシー・グラマー。

 

 CIAだそうですよ。こやつが元凶のようです。なんか政府も軍も掃討作戦には関与してないみたいです。

 

 これね、このシリーズの良くないところですけど、説明がないもんですから話がごっちゃになってよくわからなくなっちゃうんですよ。あとになって、あーそういうことかあ、てなりますけど、それやっぱり観ている側はイライラしますよね。関係性がわからないと頭の中の整理がおいつかなくなって、もうついていけなくなっちゃうんですよ。しかも本作これ、シリーズ最長165分ですよ。わたしもうそれだけでウンザリしてしまいました。

 

 だからもちろんワクワクなんてしませんね。逆に、オートボットたちまで敵になって人間に殺されるなんて、なんかもう悲しくなってしまいました。

 

↑で、ひょんなことからオートボットのトラックがここの家に来ます。

 

 ここらへんのいきさつはオープニングで語られてますから、それ考えると、ああまた運命の話やな、とちょっと期待したんですけどね。ここで開始25分、時間的に流れは速く感じましたけれど、展開はやけに遅いなあという印象です。こんなんで全編165分なわけですよ。やっぱりね、長い映画の時にはよく思いますけど、もうちょっと、いやそうとうこれ短くなるやろ、とは思いますね。

 

↑そしたらこのトラック、オプティマスでした。

 

 人間のワナにかかって相当な痛手を負っている、と。あのCIAのせいみたいですね。マーク・ウォールバーグとふぐ刺しの父娘は、だって味方でしょ、って驚いてましたね。そんなんしてるから観てるほうがこんがらかってくるわけですよ。

 

↑これが敵です。

 

 でも、CIAとは味方とか同盟とかそういうことではなさそうですね。さっぱりわかりません。頭の中、整理のしようもないです。やっぱり焦らしすぎでしょう、となります。ちなみに、こやつらが地球を乗っ取ろうとしてるみたいです。

 

 て、そう、さっきから「みたいです」とか「のようです」とか書いてますけど、要するに観ててもそんな思いにしかならないわけですよ。ハッキリわかんないんです。これね、わたしもうイライラしだしてますよ。だって新しい敵でしょ?内容なんて複雑でもなんでもないじゃないですか。新しい敵が地球を乗っ取る、そういう映画ですよ。そんなめんどくさい説明なんかまったく要りませんよね。なんか父娘の家庭内のやりとりとかも盛り込んでますけど、そんなんも不要ですよね。ラブーフのときにはそんなんありませんでしたよ。いや確かに親子のやりとりはありましたけど、それはそれでスマートにおもしろくって、映画自体を邪魔するものではぜんぜんなかったですよ。なんならそれのおかげでメリハリがついて映画の肥やしになっていたじゃないですか。これ、同じ人が作った映画なのかと疑ってしまいます。

 

↑カーチェイスやってます。

 

↑ここのシーンは手に汗握りましたけどね。

 

 でもそういう映画じゃないですしね。カーチェイスなんて、刑事ものですよ。もちろんトランスフォーマーたちが車に変身しているっていうのはありますけど、でもそれってこのカーチェイスのためじゃないですよね。変身だけしてりゃいいわけですよ。

 

↑オプティマスの復活はカッコよかったですよ。

 

 でもカッコよかったのはこれも含めてほんの少しでありました。あんな伝説の騎士みたいに言われてるわりには、けっこうやられてボロボロになってましたしね。

 

 なんて言ってたら、

 

↑父娘と家族のように付き合っていたルーカス(T・J・ミラー)、

 

↑お亡くなりになりました。

 

 わたし「え……」て言ったあと固まりましたよ。まさか、ということですね。ここでわたし、この映画の新しい展開にかける最強コンビのハンパない決意を見た気がしましたんですけどね、けっきょくそれだけでした。ルーカス犬死に、であります。

 

↑娘の彼氏、シェーン(ジャック・レイナー)。

 

 パパは焦ってますけど、この彼氏がでてきて映画がグッと緩みました。そんな話はいらんのですよ。娘にまとわりつく彼氏をウザがる親父、ってなんでそんな話がこの「トランスフォーマー」に必要なんですか。ゼッタイいらんですよ。ムダでしかないです。こんな話を入れるくらいなら、それ全部削ってもっと時間短くしろよ、と思います。

 

↑ぼろかったトラックはオプティマス仕様に変身しました。

 

 突然変身しました。なんで今まで変身してなかったのかの説明はやっぱりなく、だからほんと唐突に変身しました。反撃ののろし、ということではありますけど。

 

 ひとつ救いだったのは、相変わらず音楽は秀逸だった、てことですかね。音楽だけ聴いてれば、ワクワク感は出てきますね。

 

 ていうか、人間どもがほんとにイヤなヤツで描かれてるんですよ。なんか前3作の、悪いけど愛敬ある、みたいなのがまったくなくってですね、だからすごくイヤな気持ちになってしまうわけです。まあそのおかげで、オートボットたちへの「たのむぞ」感はすごくありますけどね。でもやっぱり気持ち的には観ていていい気はしません。

 

↑いろいろ新顔が出てきますが、

 

 え、なんで新顔?とはなります。あれ、前作までの生き残りって軍医ラチェットしかいなかったっけ、てことですよ。どうでしたかね、もう調べる気にはなりませんどね。

 

 いやもうだから、そういう話なんですよ。複雑にし過ぎてわけわからんのです。最初のような、ごちゃごちゃしすぎてなにがどうなってるのかわからないとか、どっちが味方で敵なのかさっぱり見当もつかんとか、そういうのはなくなりましたけど、だからせっかくそういうことになったんだから、なんでこうわざわざめんどくさくするのか、ってなっちゃうわけです。

 

↑ビーはいました。

 

 まあのちにその名も「バンブルビー」って映画ができるわけですから、そらビーは生き残ってるのでしょう。じゃあラブーフはどこいったんや、ってのはシリーズ観ている側の共通した思いじゃないでしょうかね。

 

↑ジョイス社長。

 

 こやつが黒幕、なんでしょうか。そんな感じで登場してきましたけど。やっぱりよくわかりません。

 

 あのですね、新たな展開なんですよ。それはそれでいいんです。だからこうしていろいろなことをするのも、マンネリ打破でいいのかもなんですけどね、でもやっぱりマンネリでもなんでも、シリーズ通して観ているこっちとしてみればやっぱり寂しいわけですね。ここでこの展開にラブーフがいたらどう絡んでくるんやろ、なんてつい思ってしまうわけです。もちろんそれは作り手の責任ではないんですけどね、でもやっぱり、なんです。

 

↑なんかオプティマスを作ってるとか。

 

 でもどうしてもメガトロンになってしまうそうですよ。なんでですかね、って聞くのももうヤボなんですかね。でもそういう説明って必要なんじゃないんでしょうか。最後までこの説明はなかったですよ。

 

 で、ということはこれ金儲けの話か、なんてことにもなってきますよ。これじゃ「ジュラシック・パーク」と同じですね。もうちょっと奇抜なアイディアはなかったんかねとここでも嘆息です。ないならないで、やらなきゃよかったんですよ。やめる勇気も必要だったのでは、と思ってしまうほどイライラは募ってるわけです。

 

↑完成イメージも、これじゃアイアンマンです。

 

 で、1時間すぎてやっとなんか骨子が見えてきました。要するに、アテンジャーがジョイス社長と組んで革命を起こす、ということだそうです。国を守るとは名ばかりで、というわけですよ。で、その革命のためのロボットを作るためにオプティマスのテクノロジーが必要、というわけです。

 

 まあそれはそれで、なるほどではありましたけど、新たな展開としてはちょっとありふれすぎてて弱いんじゃないの、という気はします。

 

↑オプティマス、怒りまくってますね。

 

そういうところはいい感じなわけですよ。でもなんか空回りっていうか。そこまでの話の流れが、長いわイラつくわですからね、すんなりとこれ「いいじゃん」とはならんわけですよ。

 

 しかも、

 

↑こやつの存在を忘れているという。

 

 あ、そういえばこんなやつおったな、て感じで出てきました。すっかり忘れてましたよ。わたし鼻で笑ってしまいました。もうそんな感情しかないわけです。秘密兵器、だそうですけどね。ロックダウン、というそうです。

 

 ちょいちょい入ってくるスロー映像は、なんか「ジャッジ・ドレッド」とかジョン・ウーの映画を観てるようで、それはそれで効果的だとは思いましたけど、やっぱり話はバラついていて、一本通った核がない、て感じなんですよ。イライラして落ちつかない、終始そんな感じなわけです。まったく入り込めず、4つが限界だと思いましたね。

 

↑テッサを助けに敵の宇宙船に乗り込みます。

 

 まあいろいろあってふぐ刺しさんがとらわれて、それを助けに行くということになりました。ここが1時間40分弱。わたしね、ここでとうとう「ああまだあと1時間もあんのか」と思ってしまいましたよ。どうにもワクワク感はないのです。

 

↑こんなんゼッタイにムリですしね。

 

↑ビーはいつもカッコいいですけど。

 

 オプティマスいわく、ビーはまだ子供だそうです。だからしゃべられへんのかな、なんてもうそんなことはどうでもいいですね。

 

 で、1時間45分ごろ、真相が語られることになりました。まあその話としては「なるほどね」なんですけど、「おおーっ、それはすげえわ」とはなりませんでした。1時間45分も経ってるんですよ。いくらあと1時間もあるって言ったって、1時間45分なんて普通の映画だったらもう終わっててもいいくらいの時間じゃないですか。そら、いまごろかよ、ってなりますよ。そもそも登場人物たちにまったく魅力がないし、だから興味もわかないし、つまり共感できないし、とないないづくしで、もうはっきり言いますけど、おもしろくないです。

 

 で。

 

 ここから話が中国に移りましてね、わたし一気に興味失いました。とつぜんコメディ路線に走りましたし、もう0でいいかと思いながらも、まあCGはすごいし、ビーは頑張ってるし、せめて3つにはしといてやるか、て感じになりました。シリーズも「3」で終わりやわ、というところの3つでありますね。

 

 その後、ラストまで約40分くらいはずっと肉弾戦でした。終わり方も、あいかわらずあっけないですし。

 

 う~ん、それなりにラストはなんか感動はするんですよ。でもやっぱり気持ちは入ってませんから、けっきょくの感動シーンも茶番にしか見えず、しっくりしないまま終わってしまいました。

 

 ラストのラストはなんか「つづく」みたいな感じでしたけど、そうなると逆にどれだけひどいことになるのか、あるいは盛り返すのか、そういう楽しみしかありませんね。当たればいいんですけどね。そういう期待感を込めて1つ増やして、やっぱり4つでフィニッシュです。間違っても5つには届きません。そんな映画でした。

 

 

今日の一言

「ああ、ラブーフよ……」

 

 

レビューさくいん

※こちら(↑)をクリックするとレビューの索引に飛びます。