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2022年 130min.
ネタバレ してるんだと思います。
敬称略
監督 ジョーダン・ピール
製作 ジョーダン・ピール、イアン・クーパー
脚本 ジョーダン・ピール
音楽 マイケル・エイブルズ
OJ:ダニエル・カルーヤ
エメラルド・ヘイウッド:キキ・パーマー
リッキー:スティーヴン・ユアン
エンジェル:ブランドン・ペレア
アントレス:マイケル・ウィンコット
アンバー:レン・シュミット
オーティス:キース・デイヴィッド
ボニー:ドナ・ミルズ
ネシー:バービー・フェレイラ
バスター:エディ・ジェイミソン
フィン:オズ・パーキンス
えと、本作が昨年公開される直前にわたし映画館に「ジュラシック・ワールド 新たなる支配者」を観に行ってまして、そのときの予告編で本作を紹介していたんですね。で、まあ昔っから予告編はほんとに興味をそそるようにうまく作られてますから、わたしもご多分に漏れず、こりゃあまた観に行かなアカンわい、などと思ったものでした。ただ、ザンネンながらちょっと予定が合わず、転職をするしないのちょうど境目だった時期でもあって、けっきょく観に行かなかったものですから、今回これが初鑑賞、ということになるわけです。ただしこれ「ザンネンながら」と書きましたけれども、公開当時の評判は決して良くなく、実はそれもまた観に行かなかった一因ともなったわけですので、さあどういう映画なのか、ということで観始めますよ。
一応事前に出演者だけは把握してまして、ホラー映画界の黒人俳優の大御所とも言うべきキース・デイヴィッドが出ていると知ったときはわたし色めき立ったものです。
ただ、一抹の不安と言えば監督のジョーダン・ピール。この方、「ゲット・アウト」「アス」で一躍有名になった人ですけれども、わたしそのどちらも観ましたが、ものすごくビミョーだったので(「ゲットアウト」はレビューしとりますのでご覧になっていただければ幸いです)、今回も安心しては観られませんね。
あ、ちなみに「ノープ(NOPE)」、「あり得ない」て意味らしいとのことでしたけど、調べたら「NO」のスラングだそうですね。ふーん、ではあります。
↑キース・デイヴィッドは速攻でこんなことになりました。
出てきたと思ったらいきなりです。まあね、不穏な空気、っていうのはいいんですけど、楽しみにしていた人がこれではちょっと足元救われた的な感じになりますよ。
↑主役のダニエル・カルーヤです。
「ゲット・アウト」でも主役でしたが、6年経って太って老けました。ヤフェット・コットーに似てきましたね。前は男前だったんですけどね。て、あ、ヤフェット・コットー・ファンの方には申し訳ないです。m(_ _)m(←いるのか、ヤフェット・コットー・ファン)
音楽は申し分ないですね。けっこう心臓に響いてきて、おどろおどろしさは満載です。さあこの音楽に載せてはたしてどれほどの恐ろしいことが待ち受けているのか、とこちらも身構えることになります。まあ、さきほど抱いた一抹の不安はぬぐい去れてませんが。
なんて思ってたらいきなり半年後になってしまいました。やはりキース・デイヴィッドは亡くなってしまったそうですよ。まあ、ふーん、てなりました。まだ始まって10分ですしね。これからを期待しましょう、というところです。
で、開始30分が経ちました。なにも起こりません。この間に起こったことといえば、キース・デイヴィッドが死んでしまったこと、のみです。ほかにはほんとになんにも起こらないです。で、そうなるとどうなるか。ホラー映画の殺人鬼よりももっともっと恐ろしい「睡魔」が襲ってくるのですね。フレディよりも怖いわけです。大丈夫なのかこの映画、と思いましたが、そういえば「ゲット・アウト」も前半寝てもうたなあ、とか思いだしましたよ。後半になって巻き返すようにスピーディになった気がしましたから、今回もそれにかけるしかないところではありますかね。
いや、ていうかそもそもダニエル・カルーヤの役どころがクラすぎてまったく好感が持てないんですね。やはり「ベイマックス」でもそうでしたけど、主役に好感持てなかったら終わりですよ、そんな映画。観る気がまったくなくなります。ホラーなのかどうかもよくわかんないですしね。不安が的中しだしてます。
↑そしたらようやくなんか起こりだしましたよ。
暗闇でなんかちっちゃなヘンなやつらがこっちをのぞいてるんです。いや、これはちょっと怖かったですね。おお、いよいよか、なんて。そしたら、
↑近所のガキどものいたずらだったという……。
あーあ、という開いた口のまま、あくびがもれました。
で、続けざまに
↑後ろから忍び寄る影。
でもやっぱり
↑同僚の従業員が来ただけで。
こんなんばっかやん、てわたし口に出して言いましたよ。だってもうここで開始45分ですよ。3分の1が過ぎたわけですよ。それでこんな子供だましにもならんようなことばっかり観せられてちゃ、しまいにイライラしますよね。ていうかもうムカついてますよ。
で、そんなムカついているときに、監視カメラに何かが映って「ギャーっ」て叫んだら、
↑カマキリのドアップだった、て。
いやもうこれ、どないしたらええねん、てことですよ。
さらに、
↑ダニエル倒れてますけどね。
もう最初っからずーーーーーーっと、画面が暗いんですよ。いや、ホラー演出なのかもしんないですけどね、こう暗くてなんも見えないんじゃ、ホラーもクソもないですって。
さらにそれに拍車をかけるのが、もったいぶってるってことですね。なんかね、雲から何かが出てくるんですけど、全貌はぜんぜんわかんないんです。いやそらあね、得体のしれなさがあったほうが観客の不安をあおるにはもってこいなのでしょうけれども、それにも限界があるってもんでしょうに。これほどまでに次々と肩透かし食らって、しかもよく見えない、焦らされるじゃ、こちらももう我慢の限界ですよ。
もうほんと、なんとかしてくれよ、です。劇中では、危険だのヤバいだの言ってますけど、観ているこっちは、なにが危険でなにがヤバいかなんて全然わかんないですからね。なにしてくれてんねん、てなりますよ。
↑雲です。
雲ですわ。なんか正面の雲がずっと動いてないんですって。ここで開始1時間ですか。なんか事が起こりだしてきた感を見せてますけどね、とはいえ大したことはないです。それまでのイライラに比べたら、屁のツッパリにもなりゃしませんね。
↑チンパンジーのコーディです。
その昔のテレビ番組収録時に出演していたチンパンジーのコーディくん、突然キレて出演者たちを撲殺したそうですよ。
て、なんなんこれ?なんでこんなシーンが必要なんですか。いや、なんでも、
↑そのテレビ番組に出演していた子役、
チンパンジーマジギレ事件の一部始終を見ていて、目の前で頭撃ち抜かれるチンパンジーを目の当たりにしてまして、トラウマ抱えたまま
↑大人になった、と。
なんか、ダニエル・カルーヤたちの友だち役らしいですけどね、関係性はよくわかりません。だってそこらへんわたしちょっと意識失ってましたからね。でも大勢に影響はないです。この大人になったかつての子役リッキー(スティーヴン・ユアン)はけっきょくなんかに食べられちゃいますからね。だからこの人にそんな過去なんてなんにもいらんかったわけですよ。
まあなにせよくわかりません。わからんことだらけで、なにも起こらないし、おもしろくも怖くもなんともないです。
↑なんか牧場でショーやってますけどね。
でもこのショー自体が何やってるかわかんないし、MCの彼がずっと説明しててちっともショーは始まらんし。
なんかね、いろいろ考察されている人もたくさんいて、人種差別を掘り下げたとか、人種差別とホラー映画が融合した衝撃作とかいろいろ言ってますけど、そんなんわたしどうでもいいんですよ。人種差別の話が観たかったらそういう映画を観ればいいじゃないですか。わたしは純粋にホラーを楽しみたいだけだったんです。エンターテインメントが観たいんですよ。こんないろいろ考えなくちゃならなくって、深く考察しないとわからないような映画を観たいなら、ハリウッドの映画なんて観てないですって。フランスとかなんかそこらへんのヨーロッパの映画観ますよ。そうじゃないんですって。眠くなるような映画はいらんのですよ。わたしにとっては別の意味での衝撃作ですわ。
↑ようやく宇宙船の端っこが見えました。
開始1時間はとっくに過ぎてます。
その後、ショーを見てた人たちはみんななんかこの宇宙船に食べられちゃいました。で、そこへひょっこりダニエル・カルーヤが戻ってきて宇宙船を見ることとなります。
↑矢印が宇宙船ですね。
あ、宇宙船て言ってますけど、わかりやすくするためにであって、実際は宇宙船ではないようですよ。ご了承ください。
まあ、ダニエルがここでようやく宇宙船を見たということですけれど、まあ「あ、そ」的な感じです。
↑半分以上経過してようやく、がこれなわけです。
もうめんどくさいです。
演出もね、凝ってるつもりがそうではなく、いちいちわたしイラつきます。なんかですね、何か一つ事が起こると、事の顛末に入る前にいったん画面が暗くなって「ハイ、次の場面」みたいになるんですよ。もったいぶるのもいいかげんにせえよ、です。ほんとにとことんめんどくさいんです。
それでいて、
↑ダニエルの推察力はハンパないです。
さっき宇宙船と遭遇して、その場を見ただけで、「あいつは生きている、みんな食べてしまった」て電話で言ってます。瞬時にすべてを理解したようで、すげえ、て思いましたよ。コナンくんも顔負けです。
↑家の真上に宇宙船です。
「インデペンデンス・デイ」やん、て突っ込んどきました。
あ、画面が暗すぎてキャプチャー写真が全然見えてないですけど、わたしの責任ではございません。あしからずご了承ください。これでも加工はしたんですけどね。
えと、それで。
まあこれ、ダニエル・カルーヤが言うように、あやつはみんな食べるんでしょう。で、食べられない金属とかは吐き出しましてね、その吐き出したなにかが当たって、冒頭キース・デイヴィッドはあえなく殉職、となったというわけですね。まあ、はいはい、なるほど、という感じでした。
↑車に乗ってたら突然何かが落ちてきて……。
だからホラー映画でびっくりさせるような演出するんじゃねえ、っての。それはホラー映画ではないですよ。お化け屋敷といっしょだと、わたしはいつも言ってるんですけどね。
↑もうダメだ、というときになんとか車で脱出します。
でもこれも、どうして助かったのかは全然わかりません。
↑そしたら直後はこんなんなってますし。
ダニエル・カルーヤが言いますよ。まず、目を見なければ食われない。そして、しょせん動物なのだからなにがほしいかはわかっている、って。何でもまるっとお見通しなのですよ、ひとりだけ。仲間由紀恵もビックリですね。
↑バーガーショップを出ると、こんなシーンもありますけど、
まあなんのドキドキもしませんね。ちなみにこの写真、ダニエルさんがでっかいテンガロンハットかぶってるのでは決してないです。
↑これが動物ですか。
これが動物なら、「ナビゲイター」ですね。SF映画じゃん、となりました。
↑なんか変形しましたが、
時すでに遅し、でありますね。なんならわたしここで、もうええて、余計なことすんなって、て突っ込んでました。
なにがなにやらさっぱりピーマンなのです。
↑ラストはこの風船が大活躍です。
いや、まあ大活躍いうか、この風船をヤツに食べさせて口の中で爆ぜさせて終わり、て。マシュマロマンほどの活躍はなかったですね。あれだけの量のヘリウムガスですから、爆発の威力はそうとうなものだったかと思いますけれども、それにしてもあっけなくヤツは木っ端みじんになりましたとさ。
最後の最後まで地味で、わけがわかりませんでした。
なにがおもろいん、これ、という「タイタニック」現象ふたたび、なのでありました。
あまりのことにわたし途中で、観ながらいろんな人の書いてるレビューを見てみたんですけど、総じて評価が高い。ある人なんか、「撮るたびに腕が上がる監督さんの映画」なんて言ってましたけど、あえて突っ込みますね。
あんたそれ本気でいってんのか!?
★ゼロでええわ、です。
ていうか、マイナス10にしときました。
今日の一言
「あー、観に行かなくてよかった、っと」