ちょっくら「ボリビア」へ行ってきたよ~(36年ぶりに) | ふぉるくろーれ夜話/mitaquenaのブログ 

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仕事をリタイアしてから始めたケーナの演奏をきっかけに、思い出したり思いついたりした、主にフォルクローレに関するよしなしごとを綴ります。

先日、久しぶりにちょっと「ボリビア」まで行って帰ってきたので、その話をする。

 

もちろんボリビア本国ではない。本国には「ちょっくら」では行けない。まだ行ったこともない(漠然と、来年中には一度行ってみたいなあ、と秘かに思っているけれど、具体的な計画はない)。

 

正確に言えば、「アンデスの家ボリビア」に、36年ぶりくらいに行きました、という、ただそれだけの話だ。

少し前に、こちら()のブログ記事を書いた後、当時のことが懐かしく思い出されて、久しぶりに足を運ぶことにした。

 

「アンデスの家ボリビア」は、ご存じの方には釈迦に説法だが、単なるフォルクローレ楽器・雑貨の販売店ではない。

お店の概要や歴史等の詳細は、公式サイトをぜひ一度ご覧いただきたい。

アンデスの家ボリビア – ボリビア直輸入楽器店 (andes-bolivia.jp)

 

私なりに説明すると、「アンデスの家ボリビア」は、日本でおそらく初めて本格的にボリビア音楽を紹介し、永年にわたって、モノ(良質な楽器や最新のボリビア盤の仕入販売)・ヒト(愛好家同士の交流の場づくり)・情報(本場の第一線の音楽家の招聘やコンサートへの協賛等)の多方面で、社会人愛好家および大学フォルクローレ・サークルをサポートし、数多の日本人フォルクロリスタを輩出し続けた伝説的な「場」「イエ」だ(だから「アンデスの」であり、一人称は「当家」なのだと思う。ただ本稿では便宜上「お店」と呼ばせて頂く)。

 

かく言う私も、小中学生の頃、神奈川県足柄上郡松田町寄(やどりき)にあったお店に何回かお邪魔して、ご主人の福岡稔さんから最新のボリビア・フォルクローレ界のお話を伺ったり、新譜を購入したりしたものだ(一度だけ、厚かましくも稔さんのギター伴奏でケーナを吹かせて頂いたこともある。私が下手すぎてセッションにならなかった。今思い返せば汗顔ものである(^^;)。

 

私がフォルクローレ界から離れている間に、お店が東京の小平市へ移転し、その後稔さんがお亡くなりなられたことは、ネット情報で知っていた。

しかし、その後のことは追っておらず、ただ2022年の川俣町コスキンに足を運んだ際に出店していたのを見かけて、お店が存続しているのを認識したくらいだった(それもお伺いするまですっかり忘れていた)。

 

そして、先月から社会人フォルクローレ同好会に入り、ケーナの練習を始めた中、同好会の指導をして下さっている先生から、希少なキルキ材のケーナを譲って頂き、そのケーナが今の「ボリビア」が仕入れたものだと伺った。

そこで、再訪したい、しなければ、という思いが募り、ついに新「ボリビア」へお邪魔することになった。

 

再訪まで36年かかったが、実際に行ってみれば、近かった。あっけないくらいに。

 

松田町時代は自宅とお店の行き帰りだけで半日近くかかったものだが、現店舗は、高田馬場から西武新宿線急行で20数分、最寄の小平駅から徒歩2分である。

 

ビル1階入口前に重厚な看板が掛かる。

とうとうやって来たよお、ボリビア~~!!

昔と変わらぬ力強い「ボリビア」のロゴを見て、テンションが上がる。

 

なお自分の記憶よりも、エルケを吹くおじさん推しになったのかなと思っていた

――のだが、旧店時代にお店の広告でよく目にして慣れ親しんだキルキンチョ(アルマジロ)君も元気そうで、なんだかそれだけで嬉しくなる。

 

階段を上り、ビルの二階が店舗となる。

店内の様子は公式サイトを参照されたいが、マウロ・ヌニェス作の美術品のような正統ビジャセラーノ系木彫りチャランゴほか、今では本国でも入手不能と思われる名器や、やはり入手困難な名盤のジャケットが壁面に展示され、物販スペースには、著名製作者のケーナから、CD、LP、書籍、衣料、アクセサリー・小物類等が、綺麗に整理されて並んでいる。カフェも併設されていて、明るい雰囲気だ。

 

扉を開けて中へ入ると、現在のご主人・福岡永梨さんが、気さくに話しかけて下さる。人あたり良く、配慮の行き届いた方で、話し上手・聞き上手なので、話が弾み、楽器製作者たちの近況から、先代の思い出話、愛好家の皆さんの消息近況まで話が尽きず、ついつい閉店まで長居してしまった。

 

同好会に入ったとはいえ、例会は演奏の練習中心なので、昔話や好きな演奏家・アルバムの話は意外とする機会がないものだ(私がオタク過ぎて、知らず知らずのうちに何となく煙たがられていければいいのだが…(;^_^A)。

 

しかし一度にこれだけフォルクローレの話をさせて頂いたのは、本当にいつ以来だろうか。多分、松田町まで遠征していた10代のフォルクローレ少年の頃以来だろう。

心だけは10代に戻って、単なるお買い物以上に楽しい時間を過ごさせて頂いた。

(福岡さん、話し相手をして下さり、本当にありがとうございましたm(__)m)

 

帰宅後、本日の獲物を並べてみる(楽器類は今回はケースのみ購入)。

これだけでも大層な収穫であるが、モノの収穫以上に、フォルクローレを通じたヒトとのつながりが増えたことが、一番の収穫だと思う。■