「英検1級2次試験に必要なスキルとは?」
MUさんと一緒に、英検1級2次試験の対策をまた始めました。インターネットからたくさんの練習問題を拾って、練習しています。そして、わかったことがあります。
「MUさんも、記述式の問題には弱い。」
他の生徒さんと同じように、「マークセンス方式」の問題を解いて育った世代です。だから、選択肢を選ぶことに関しては得意ですが、正解のない問題では解答まで時間がかかっています。そして、ポイントを外した解答をしてしまいます。例題を出しますので、ちょっとご覧ください。
Should the voting age be lowered to 16?
「投票年齢を16歳に下げていいでしょうか?」
この問題で、MUさんが「Yes」としました。そして、2つの理由を考えたのですが、いずれもポイントから外れていました。そこで、MUさんと問答を繰り返しながら、理由を探っていきました。
「MUさん、ここにある16歳に注目していただきたいのです。16歳って、どんな意味がありますか?」
「社会的に責任が持てる年齢です。」
「それもありますね。では、いままでの投票年齢は何歳でしたか?」
「最初は20歳です。」
「どうして、20歳なのでしょうか?」
「それは、成人だからです。」
「では、それから何歳に変わりましたか?」
「18歳です。」
「どうして、18歳に変わったのですか?」
「それは、成人年齢だからです。」
「そうですね、では16歳って、どんな意味がありますか?」
「分かりません。」
「では、学年で言うと、何年生ですか?」
「高校1年生です。」
「そうですね。」
「それに、早生まれなら、高校2年生です。」
「はい、そんなこともありますね。では、高校へ行かない人はどうしていますか?」
「中学を卒業してから、働いています。」
「では、どうして中学を卒業して働くことが出来るのですか?」
「それは、中学までが義務教育だからです。」
「そうですね、義務教育が終わったら、働いていいんですね。つまり、社会人として1人前ってことです。ここで、ようやく、1つ目の理由が出てきましたね。」
「16歳は、義務教育を終えて社会人として1人前と考えらえるから、投票する年齢でいいのです。」
そういう理由が成り立ちます。16歳に着目すれば、こうして問答を繰り返すことで、おのずと理由が出てきます。
「では、高校生を見てください。社会科の授業で投票のことを習いましたか?」
「はい、教科書に載っています。」
「そうなら、どうして投票するかを知っていますね。」
「はい、教科書に書いてありました。」
「それは、知識ですね。」
「はい、そうです。」
「では、実際に投票することで、投票するという経験が加わるから、知識が生きてきませんか?」
「はい、そうです。」
それが、2番目の理由となりました。
「教室での知識に経験を加えることで、今までの知識が生かされる。」
そして、この2つの理由が求められる16歳という根拠になります。
「中学を卒業して、16歳と言う年齢になる時に社会人として活躍することになるから。」
こうして、毎回MUさんと問答を繰り返して、練習問題をやっています。問題のポイントを外さないようにして、そこに着目して、「どうしてそうなるか?」を考えながら、理由を導き出します。
これって、「テンプル大学ジャパンで身につく、クリティカル・シンキング」なのです。高3年生になったMUさんには、まだ難しいことかもしれません。都立高校なら、考える力をどれだけつけることが出来るかは知りませんが、英検1級の2次試験を受けるためには、この考える力が絶対に必要なのです。
「準1級と1級の違いが、ここにあります。」
ここまでお読みいただきまして、ありがとうございます。
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