【11月1日投開票】特別区設置協定書紹介3・特別区の設置に伴うコスト【都構想住民投票】 | 選挙バカ一代~衆院選、参院選、統一地方選~

【11月1日投開票】特別区設置協定書紹介3・特別区の設置に伴うコスト【都構想住民投票】

今回は特別区設置協定書紹介第3弾です。

皆さんお待ちかね?特別区設置に伴うコストについてです。

 

1.なぜ、特別区制度が必要なのか

2.特別区設置協定書の概要

3.特別区設置に伴うコスト、財政シミュレーション

4.Q&A

 

「「特別設置協定書」について(説明パンフレット)」は以下からダウンロードできます。

https://www.city.osaka.lg.jp/fukushutosuishin/page/0000513378.html

 

特別区設置に伴うコストは上記資料のP32に記載があります。

また、財政シミュレーションはP33、34に記載があります。

特別区設置による経済効果はP36に記載があります。

 

<特別区の設置に伴うコスト>

 ・特別区庁舎は既存庁舎を活用するなど、設置に伴うコストをできる限り抑えている。

  (前回の住民投票時より、イニシャルコストで約350億円を削減

 

  コストの試算(大阪府+特別区)

   イニシャルコスト(はじめに1回だけかかる経費):241億円

     (内訳)

     システム改修      …182億円

     庁舎整備        … 46億円

     移転、街区表示変更等…13億円

   ランニングコスト(毎年かかる経費)        : 30億円

     (内訳)

     システム運用・庁舎管理等…30億円

  

 ※特別区の庁舎について、区域内の既存庁舎を活用してもなお執務室の不足が生じる淀川区及び

   天王寺区は、不足分について現大阪市本庁舎(中之島庁舎)を活用。

 

以上が特別区設置にかかる経費です。

自民党特設サイトではコストに1340億円かかるとなってますが、その中には、新庁舎建設費用まで計上されています。

しかし、上にあるように、特別区設置に当たり、新庁舎の建設は行いません。

従って、自民党の言っていることはおかしいです。

 

あと、ここで絶対に触れなければならないのが毎日新聞の大誤報!

そもそもの発端はこの記事でした。

 

大阪市4分割ならコスト218億円増 都構想実現で特別区の収支悪化も 市試算(毎日新聞)

https://mainichi.jp/articles/20201026/k00/00m/040/061000c

 

 

この記事では、「大阪市を四つの自治体に分割した場合、標準的な行政サービスを実施するために毎年必要なコスト「基準財政需要額」の合計が、現在よりも約218億円増えることが市財政局の試算で明らかになった。」と書かれています。

 

しかし、後日の大阪市財政局の発表によると、「単純に大阪市を4つの政令市に分割する簡略な算式での試算であり、実際の交付税の算定ルールにはない考え方に基づくもの」との事。

政令市は特別区よりも役割が多いため、コストも大きくなって当たり前。

大阪市は大きすぎるという課題に対し、解決策が分市ではなく特別区となった理由の一つがこのコスト増なのでしょう。

まぁ、判断材料の一つとして、4つの政令市に分割した時のコストについてマスコミが市にデータの提供を求めるのは理解できます。

しかし、上記の記事の見出しでは、「特別区に再編した時のコストが、特別区設置協定書の説明パンフレットで説明したコストより218億円増えたと大阪市が試算した」と誤解するように誘導されており、極めて悪質な記事です。

私が当ブログを再開しようと決意した理由がまさにこの毎日新聞の悪質な情報操作です。

タイトルの下に書いてるでしょ?「もうメディアには惑わされない。B層脱却のため、衆院選、参院選情報だけでなく、地方選の情報も大阪を中心に書き留め、いざ投票に行く時の判断材料とできればと思っています。」って。

ここは私が出来る役割を果たすべきだって。

 

あと、上記毎日新聞の記事の中で触れられている「基準財政需要額」ですが、元東京都知事の猪瀬直樹氏によれば、「基準財政需要額は交付税算定上の理論値。実際の行財政運営の実態と関係ない。」そうです。

 

では、当記事で取り上げている特別区設置協定書説明パンフレットで用いられているコストはどうやって試算されているか。

同じく猪瀬氏のツイートを引用します。

 

都構想に伴うコストは、庁舎の整備や人件費など、実態に即し事務局が試算、法定協でオープンに議論されてきた。成果が特別区設置協定書だ。

そもそもの試算を見てみると、あくまで政令市・大阪市を4等分し、仕事はそのままに67万人の小さい4つの政令市を作るという前提という。政令市と特別区では権能自体に違いがあり、極めて乱暴で、無意味な試算というほかない。

例えば、消防。これは東京と同様、まとめて大阪府に移管されるのでスケールデメリットなど働くはずはない。にもかかわらず、これも単純に4分割することで「コスト増」カウントとなっている。

加えて、住民票や税などのシステムも、特別区で共同利用すると聞いていたが、試算だと4つのミニ政令市それぞれに独自システムを抱える前提になっているはずだ。

かように制度案に基づく実際の財政需要と単なる理論値たる基準財政需要額は、そもそも乖離したもの。それを同じ土俵に載せて報道すること自体問題だ。いたずらに大きな数字を試算して「コスト増」のイメージを植え付け、住民の不安を煽るのはフェアな議論とはいえない。

※府と特別区の事務分担については、当ブログの前回の記事も参照ください。

 

とまぁこんな感じで、毎日新聞が住民投票を何とか否決に持っていこうと意図的に情報操作を仕掛けたとしか考えられない悪質な記事となっています。

では、なぜ毎日新聞はここまで住民投票の否決に執念を燃やすのか?そこには理由があるようです。

元大阪府知事であり元大阪市長でもある橋下徹氏のツイート

 

【拡散希望】橋下徹が暴露した毎日新聞社の天下り先 「堂島地下街」 の闇 - ゲンゴロウの自論 ➡︎毎日新聞が都構想反対派に有利になるような大誤報をこの時期にやったのは、大阪市役所を残したい理由があるのではないか?利権があるのではないか?過去の実例から疑ってしまう

橋下徹が暴露した毎日新聞社の天下り先 「堂島地下街」 の闇

http://yoooki.hatenablog.com/entry/2015/06/10/211142

 

要するに、住民投票を何とか否決させて維新を崩壊させ、かつての利権を取り戻そうという訳です。

しっかし余りにあからさますぎてドン引きです。そんなに利権が欲しいのか?毎日新聞。

ここまで露骨な悪の組織も今どき珍しい。

しかし、悪の組織の存在が明らかになった以上、何とか自分の出来る範囲内で悪と戦わねばなりません。

そんな訳で、コロナ禍の中で自分に出来る事は何か考えた結果、当ブログの再開となった訳です。

 

と話が反れましたが、要は上記の毎日新聞の記事は今回の住民投票とは何ら関係がなく、あくまで、「大阪市を4つの政令市に分けたらどうなるか?」を検証した思考実験だと思ってください。

それを、今回の協定書と結びつけようとした毎日新聞には住民投票後に天誅が下る事を望みます。

ちなみに、この記事、天下のNHKも乗ってしまったんですよねぇ。(※後に訂正報道有

まぁNHKは訂正報道するだけマシですが、記事の内容を良く精査せずにフェイクニュースを報道してしまうとは、公共放送の名が泣くぞ。

そんないい加減な報道姿勢だから、「NHKから国民を守る党」なんて政党が台頭して国会で議席を得るんです。NHKは自覚しなさい!!!

 

という訳で特別区設置にかかるコストはイニシャルコスト+ランニングコスト。これを高いと取るか、二重行政解消のための先行投資と取るか。

ここで賛成か反対かが分かれると思います。

では、次に財政シミュレーションです。

 

<財政シミュレーション>(P33,34)

 ・特別区を設置した場合に、4つの特別区の財政運営が将来的に成り立つのかを検証するため、一定の前提条件をおいて推計しました。

 ・推計した結果では、全特別区において収支不足は発生しておりませんので、特別区の財政運営は可能です。

 

 (前提条件)

 ・大阪市「今後の財政収支概算(粗い試算)」(2020(令和2)年3月版)を精査して算出。

   2020(令和2)年度当初予算を基本に、収支等に大きく影響のあるもの(2020年度の新規・拡充事業など)や2019年度補正予算等による影響を反映。

  • 市税を「中長期の経済財政に関する試算」(2020年1月 内閣府)で示されたベースラインケースの指標により試算したうえで、固定資産税・都市計画税(土地・家屋)の評価替えの影響等を織り込む。
  • 地方交付税等は、国予算・地方財政計画や本市実績を勘案し見込む。
  • 人件費は、2020年度当初予算に反映した給与改定などを織り込む。
    人員マネジメントによる職員の削減のほか、児童虐待防止対策の充実などにかかる職員の増を織り込む。
  • 社会保障費関係は、高齢化等による自然増を見込む。
  • 2021年度以降の拡充分として、 新大学基本構想に伴うキャンパス整備や市立美術館の大規模改修などの事業費を計画ベースで織り込む。
  • 公共施設等の維持管理費の増加が想定されることから、一定額を見込む。 
  • 財務リスク(阿倍野再開発事業や弁天町駅前開発土地信託事業など)を織り込む

ただ、ここで気になるのは、粗い試算にしても、今年の3月版という事で、コロナ禍が本格化する前に作成されたものです。

今後税収が大幅に減少し、財政シミュレーションより下振れする可能性があります。

そのリスクについてはどう考えているのか。以下P34の記述を引用。

 

<新型コロナウイルス感染症による影響に関する財政シミュレーション上の取り扱い>

・財政シミュレーションでは、2020年度当初予算で、新型コロナウイルス感染症対策の一つとして前倒し実施された、「小中学校給食費の無償化」に係る経費を反映しています。

・2020年度の補正予算で追加措置を行った新型コロナウイルス感染症対策経費は、国の補正予算でカバーされています。(2020.7.20現在)

※その後の補正予算によるコロナ感染症対策の追加措置により、国による交付金の増額措置が無ければ財政調整基金によって対応する必要がある状況となっています。

・新型コロナウイルス感染症に関する財政的な影響については、合理的な根拠に基づいて適切な試算を行うことは現時点では困難ですが、全国の地方自治体共通の課題であり、地方交付税や臨時の交付金などによる、国からの相応の財源措置が想定されます。

 

要は、税収が下がっても、国から補助がある筈という事です。(大阪だけでなく、コロナ禍は全国的な課題であることから、全国的な財政措置が取られるという事)

 

<特別区の設置による経済効果>(学校法人嘉悦学園試算による)(P36)

(経済効果の試算)

 ・政策効果分析では、現在の大阪市は大きすぎる事から、特別区導入により適正な人口規模に近づける事で、10年間で累計1.1兆円の「特別区の財政効率化効果」が発現すると試算されています。

 ・マクロ計量経済モデルでは、「特別区の財政効率化効果」の一部を財源として、追加的な社会資本整備が行われたと仮定し、10年間で累計約0.5兆円~1兆円の「実質域内総生産」が発現すると試算されています。

 

(参考)

・上記の「特別区の財政効率化効果」は、人口規模が大きくなりすぎると、きめ細やかな公共サービス需要が捉えられず、不必要な施策が行われ無駄が発生し、住民一人当たりの行政費用が増加するという先行研究に基づいて試算が行われています。

 

とまぁこんな感じです。

約1兆円の経済効果を出すための300億弱のコストを是とするか非とするか。これは人それぞれだと思います。

私は賛成ですけどね。以前の記事で見たように、二重行政の解消だけでも2000億円弱の財源を生み出している訳ですし。これくらいの経済効果が表れても不思議ではありません。

皆さんはどう感じたでしょうか?

 

協定書の内容紹介はここまで。次の記事では、Q&Aを紹介します。