今週はさまざまなメディアで、摂食障害に伴う窃盗症(クレプトマニア)のマラソンの元日本代表選手、原裕美子さん(36)に判決公判があった話題が取り上げられ、興味深く視聴しました。ふだんは、さまざまな場所で一般向けのヨガ指導に携わっていますが、摂食障害を含めた依存症に対してのヨガ(ヨーガ療法)に関しても勉強を続け、依存症関連施設でのボランティア活動にも関わらせていただいていることからクローバー
 
以下、我が家で購読している朝日新聞とYahoo!JAPANニュースより。
 
(2018.12.4朝日新聞より)
 
記事によれば、執行猶予期間中に菓子を万引きしたとして、窃盗罪に問われていた陸上女子のマラソン元日本代表の原裕美子被告の判決公判が3日、前橋地裁太田支部であり、奥山雅哉裁判官は「もう一度社会内で更正する機会を与えるのが相当」として、「懲役1年保護観察付き執行猶予4年(求刑懲役1年)」の判決を言い渡した、とのこと。
 
原被告は2月に、群馬県太田市のスーパーでキャンディー1袋など菓子3点(販売価格計382円)を盗んだ、ということです。さらに昨年11月にもコンビニで清涼飲料水などを万引きした窃盗罪で宇都宮地裁足利支部から執行猶予付き判決を受けていたそう。
 
日本代表として世界の舞台で活躍した選手が、数百円の菓子を盗んで犯罪者に???
 
ちょっと信じがたいような話ではありますが、万引き衝動を抑えられずに窃盗を繰り返してしまう「クレプトマニア(窃盗症)」は近年注目されていて、各地に自助グループもできています。
 
原被告は、過食と嘔吐を繰り返す摂食障害を患っていたほか、衝動を抑えられずに窃盗を繰り返してしまう「クレプトマニア(窃盗症)」と呼ばれる精神疾患の治療を受けていたとのこと。
 
現役の選手だった頃から摂食障害に苦しんでいて、その影響で強いストレスにさらされると万引きをくり返していたようです。
 
厳しいトレーニングを積んで世界の舞台で活躍されてきた社会人ですから、当然、万引きは犯罪行為であることくらいわかっていたことでしょう。でも、強いストレスにさらされると、自分の行動を制御できなくなってしまうのですね。


判決後の記者会見では、その経緯や、現在の心境、今後の決意などが語られ、ネットニュースなどで見ることができます。
 
Yohoo!ニュースに公開されていた、ジャーナリストの江川紹子さんの記事が、テーマごとにわかりやすくまとめられていて、とても参考になりました。
 
https://news.yahoo.co.jp/byline/egawashoko/20181203-00106438/

 

記事タイトル:「ぜひ勇気をもって相談を」「摂食障害を甘く見てはいけない」執行猶予判決をうけた原裕美子さんが語る

 
 
さて、前出の朝日新聞の記事によれば、判決の最後に奥山裁判官は「世界で活躍したあなたには努力できる才能があるはず。マラソンとは違う領域ですが、同じような患者に努力する姿を見せてください」と説諭したといいます。これを受けて、原被告は会見後の記者会見で、「刑の重さをしっかり受け止め、これからは病気を克服する姿をみなさんに見てもらいたい」と語ったようです。
 
摂食障害に関しては、過去ブログ(2018.6.2「世界摂食障害アクションデー」)→

でも触れましたが、患者は厚生労働省研究班の調査で推計約2万4000人。でも実態ははっきりしていないというのが現状みたいですね。

 

グレーゾーンの方も多いのではないかと思います。私も、かれこれ20年も前の話になりますが、フリーランスで仕事をしていた時に取引先に騙されて金銭トラブルにまきこまれ、摂食障害に陥りかけた体験を思い出します(過去ブログでも何度か書いていますが...)。原被告が、婚約相手やコーチとの金銭トラブルにまきこまれて摂食障害を悪化させてしまった経緯を記事で読み、心が大変痛みました。さそ苦しかったことでしょう。苦しみを独りで抱え込まないことが大事だということはわかっていても、いざ相談するには勇気が必要だったり、話を聞いてもらう相手にも気をつけないといけなかったりもするのですよね(自身の体験から)。

 

なにはともあれ、原裕美子さんが病気と向き合い、克服していく姿を見守っていきたいなと思います。同じ病で苦しんでいる人たちの励みになるはず星

 

 

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