いまから一週間前の記事になりますが、朝日新聞の「文化の扉」で、「はじめての座禅」を特集していました。「ジョブスも傾倒」という文字が、ひときわ目を惹く感があります。
座禅や瞑想が心身へ好影響というトピックスは、定期的にテレビや新聞、雑誌等で取り上げられていますので、実践されている方も増えていることでしょう。
同新聞によれば、仏教の修行法のひとつである座禅が、お坊さんたちだけでなく、ビジネスマンら一般の人たち、国外へも愛好家が広がっているということです。
座禅を行うのは、仏教の数ある宗派のなかでも、臨済宗と曹洞宗。両宗派ともに一般向けの座禅会を開く寺が各地にあり、檀家以外の人たちも参加しているようです。
曹洞宗宗務庁は2010年から、都内のホテルで月に2回、「朝活禅」を開催しているとのこと。「「自分を見つめ直したい」と出勤前に習い事感覚で来る人が多く、30人の定員が毎回埋まる盛況ぶり」(同紙より)だそうです。
紙面では、座る際のポイントと、座禅が身体にどんな影響があるのか(脳生理学者の話)、両宗派の違い等を簡単に紹介していました。
●座る際のポイント
背筋を伸ばし、視線は約1m前方に落とす。目は閉じず、口は閉じる。
座布団の上であぐらをかき、右足を左の太ももに、左足を右の太ももにのせる「結跏趺坐(けっかふざ)」。片方の足だけをのせる「半跏趺坐(はんかふざ)」でも良い。
下腹に意識を置いた腹式呼吸をする。
●身体への影響
脳生理学者の有田秀穂・東邦大名誉教授の話として、「腹式呼吸を意識的に5分ほどすると、脳内でセロトニンという物質が分泌され、アルファ波が出てくる」と紹介。
●両宗派の違い
臨済宗は座禅や禅問答などを、悟りを確認する手段とする。一方曹洞宗は、座禅を目的や手段ととらえず、ひたすらに座禅をする「只管打坐(しかんたざ)」を説いている。かつて、前者は支配階級に、後者は下級武士に浸透した。
座り方にも違いがある。臨済宗は、壁を背にして座り、左手の親指を右手で上から握り、左手の残りの指で右手を包む。曹洞宗は、壁に向かって座り、右手を左足の上に置き、その上に指と指が重なるように左手を置いて親指同士を合わせる。
同紙をもとに座禅のポイントを抜粋してみましたが、実践してみたい方は、本などを見て独習するよりも、座禅会等に足を運んでみるのがいいと思います。
座禅のルーツといわれているヨガの瞑想でも、座り方、呼吸の整え方、意識の向け方などは、やはり、指導者から直接指導を受けることをおすすめしています。
格好だけは、座禅あるいは瞑想しているように見えても、座ってる間ずっと足のしびれが気になっていたり、頭の中は仕事のスケジュールでいっぱいだったり、呼吸が乱れていては、十分な効果を実感しにくいものですから...。