2023年の大学合格実績もかなり出揃ってきましたので、2022年の実績でも行った分析を今回も行っていきます。
2022年の大学合格実績の分析はこちら。
今回の分析も中高一貫校の教育力の参考にするために、各校の大学合格実績と中学入試の入口偏差値との対比を行います。
ただ、先日のブログにも書いた通り、サピックスが4月に外部公表する偏差値は"結果"偏差値表はなく、翌年入試に向けた"予想"偏差値表となっています。
四谷大塚や日能研は毎年3~4月頃に"結果"偏差値表を公表するので、それを見れば直前の中学入試の難易度が把握できます(結果偏差値がデータに基づき正しく算定されている限りにおいては)。しかし、サピックスは4月のサピックスオープンという模試の参加者の志望動向を踏まえて、翌年入試の予想偏差値を出しているに過ぎません。直前の中学入試の結果も踏まえてはいるでしょうが、これを直前の入試の入口偏差値として使うのは適切ではないと思われます。
そのため、2023年(2017年4月入学)の分析で対比に使うサピックス偏差値は2016年12月の予想偏差値にすることにしました。(入試直前の12月に出す予想偏差値は確度が高いだろうという解釈です。)
<分析の目的>
分析の目的は、「受験校選びのために各学校の教育力を確認すること」としています。
中高一貫校の大学合格実績は、主に以下の2つの要素で決まると考えられます。
①中学入試でどれだけ優秀な生徒を獲得できたか(セレクション力)
②中高6年間でどれだけ学力を伸ばせたか(教育力)
よって、「①セレクション力」が同じくらいの学校同士で現役大学合格実績を比較すれば、「②教育力」のある学校を見分ける参考になると思います。(あくまで「参考」ですし、他の要素として鉄緑会がといった話もあります。。。)
指標として用いるのは、ある程度幅広い学校の比較が可能かつ、合格者に重複がないという観点で、最近よく目にする東京一工国医(東大、京大、一橋、東工大、国公立大医学部)としています。
<入口偏差値の推定>
この「①セレクション力」ですが、基本的には入学時の学校偏差値(入口偏差値)が目安になるものの、複数回入試の学校があったり、辞退率の高い入試もあったりするため、今回の分析では入口偏差値を以下のように計算しました。
- 2016年12月(入試直前)のサピックス予想偏差値を使用。(理由は前述の通り)
- 複数の入試回がある学校は、各日程のサピックス80%合格偏差値と募集人数による加重平均とする。
- 一般に、2月1日午前入試は合格者の辞退率が低いのに対して、1月入試、2月2日以降の入試や午後入試は辞退率が高く、上位層から抜けやすいため、辞退率の実態を勘案して2月1日午前入試は偏差値そのまま、2月2日以降の午前入試は偏差値マイナス1、1月入試と午後入試は偏差値マイナス2として、加重平均を計算する。
その他の前提や個別調整については、分析結果の下に注書きをしています。
<分析結果>
(注1)大学合格実績はインターエデュ情報を利用。インターエデュに正しく反映されていない学校の分析は正しくない可能性がある。例えば、栄光は東大以外の国医情報が取れていない。なお、国医から防衛医科大学校(他の国公立と試験日程が異なり、進学率が低く他の国医との重複あり)は除いている。
(注2)2日以降入試でも、次の学校については、辞退率が1日入試並みに低いため、偏差値のマイナス1は行っていない。筑駒、聖光(2/2)、栄光、都立小石川。
(注3)サピックスは東京都市大付属はⅡ類の偏差値を公表していないが、四谷大塚偏差値ではⅠ類とⅡ類の偏差値の差が概ね5のため、サピックス偏差値も同じ差であるという仮定で加重平均偏差値を算定している。
(注4)広尾学園はインターナショナルコースがあるため、その生徒数(「日本の学校」サイトで確認)は合格率の算定分母から除外している。
(注5)暁星と白百合は高校の卒業生数に対して中学での募集人数割合が5割以下と少ないため、分析対象から除いている。
(注6)女子学院はまだ合格実績がインターエデュ等で公表されていないので、公表され次第追加する予定。(2023/4/7追加済)
<解釈>
総論としては、中心のライン(最小二乗法による曲線)より上にある学校は比較的教育力(あくまで学力伸長面での)があると考えられます。ただし、上に記載した一定の前提で学校を比較分析したものに過ぎず、例えば早稲田は内部進学が多いのでこの分析では不利になりますし、女子校の一部は国立大よりも私大志向が強いということもあると思います。この他にも様々な要因で上振れ下振れしていると思いますので、あくまで参考ということでお願いします。
長くなりましたので、個別の学校の考察は次回以降に回します。
また、今後、四谷大塚偏差値と日能研偏差値(いずれも2017年結果偏差値を使用)との対比を行ったグラフも作成予定です。
(2023/3/31追記)四谷大塚と日能研の偏差値との比較分析はこちら。


