もうまもなく2023年大学入試の結果が出てくる頃ですが、昨年2022年の大学合格実績について分析をしていたので、こちらに載せておきます。

 

<分析の目的>

この分析の目的は、受験校選びのために各学校の教育力を確認することとしています。

中高一貫校の大学合格実績は、主に以下の2つの要素で決まると考えられます。

①中学入試でどれだけ優秀な生徒を獲得できたか(セレクション力)

②中高6年間でどれだけ学力を伸ばせたか(教育力)

 

よって、「①セレクション力」が同じくらいの学校同士で現役大学合格実績を比較すれば、「②教育力」のある学校が見えてきます。(厳密には鉄緑会がといった話もありますが。。。)

 

指標として用いるのは、ある程度幅広い学校の比較が可能かつ、合格者に重複がないという観点で、東京一工国医(東大、京大、一橋、東工大、国公立大医学部)の合格実績としています。

なお、学校の実力を把握するためには単年度だけでなく複数年度の実績を見る必要があると思いますので、今後、2022年だけでなく2023年についても分析を行う予定です。

 

<入口偏差値>

この「①セレクション力」ですが、基本的には入学時の学校偏差値(入口偏差値)が目安になるものの、複数回入試の学校があったり、辞退率の高い入試もあったりするため、今回の分析では入口偏差値を以下のように計算しました。

・2022年の卒業生が入学した2016年4月のサピックス偏差値を利用。サピックス偏差値にしたのは、難関校の受験データが豊富かつ、合格不合格の分布グラフを(内部生には)開示しており、偏差値の信頼性が高いと判断したため。

・複数の入試回がある学校は、各日程のサピックス80%合格偏差値と募集人数による加重平均とする。

・一般に、2月1日午前入試は合格者の辞退率が低いに対して、1月入試、2月2日以降の入試、午後入試は辞退率が高くて上位層から抜けやすいため、辞退率の実態を勘案して2月1日午前入試は偏差値そのまま、2月2日以降午前入試は偏差値マイナス1、1月入試と午後入試は偏差値マイナス2として、加重平均を計算する。

 

その他の前提や個別調整については、分析結果の下に注書きをしています。

 

<分析結果>

(注1)大学合格実績はインターエデュ情報を利用。インターエデュに正しく反映されていない学校の分析は正しくない可能性がある。例えば、栄光は東大以外の国医情報が取れていない。なお、国医から防衛医科大学校(他の国公立と試験日程が異なり、進学率が低く他の国医との重複あり)は除いている。

(注2)2日以降入試でも、次の学校については、辞退率が1日入試並みに低いため、偏差値のマイナス1は行っていない。筑駒、聖光(2/2)、栄光。

(注3)東京都市大付属はⅡ類のサピックス偏差値が公表されていないが、四谷大塚偏差値ではⅠ類とⅡ類の偏差値の差が5のため、サピックス偏差値も同じ差であるという仮定で加重平均偏差値を算定している。

(注4)広尾学園はインターナショナルコースがあるため、その生徒数(「日本の学校」サイトで確認)は合格率の算定分母から除外している。

(注5)暁星と白百合は高校の卒業生数に対して中学での募集人数割合が5割以下と少ないため、分析対象から除いている。

(注6)筑駒の合格率は外れ値となっているため、最小二乗曲線の算定からは除いている。

 

<補足>

総論としては、中心のライン(最小二乗法による曲線)より上にある学校は比較的教育力(あくまで学力伸長面での)があると考えられます。ただし、上に記載した一定の前提で学校を比較分析したものに過ぎず、例えば早稲田は内部進学が多いのでこの分析では不利になりますし、女子校の一部は国立大よりも私大志向が強いということもあると思います。この他にも様々な要因で上振れ下振れしていると思いますので、あくまで参考ということでお願いします。

 

長くなりましたので、個別の学校の考察は次回以降に回します。

 

(追記)考察はこちら。
2022年東京一工国医の合格実績の考察①

2022年東京一工国医の合格実績の考察②

2022年東京一工国医の合格実績の考察③