今回は普段サンゴ飼育をしているうえで欠かせないメンテナンスのルーティーンについて述べます。
約15年間、概ね毎週1回ペースで水換えを実施しています。
現在の水槽サイズはW1060×D560×H510(外寸)
サンプは前水槽時代からそのまま使い続けていて2012年6月にオーダしたアクリル製。
サイズはW530mm×D430mm×H380mm フランジ枠20mm 排出側ピストルは13A。
そろそろ新しくしたいなぁと考えてはいます。
上の画像のプロテインスキマー(HS-850)はもう持っていないですが、このカルシウムリアクターは今も使い続けています。
プロテインスキマー&カルシウムリアクターもインサンプ。
総水量に対し換水量の是非論はこの際置いておくとして、インスタントオーシャン旧ラインナップの800L用バケツ2杯(9分目)分を換水します。推定計48L分。
この量が変わる事は無く、12年6か月以上ずっとこのリットルが定量になっています。
クロノスレイン2台使いRO/DI水を貯めます。
人工海水はレッドシーソルト(紺) コスパ面で安価な600L箱。
水換えする前、最初に欠かさず実施するのが4台のウェーブポンプの清掃です。
ウェーブポンプに付着したコケは水流により水槽全体に万遍なくバラまいてしまうため必須!
1週間でそれなりに汚れます。3台がMP40で分解清掃は簡単なので楽です。
しかしMaxspect MJ-GF4Kは構造上清掃が面倒で一番時間が掛かります。
およそ1か月に1回ペースでオレンジ色のローターと黒いスリットのルーバーをクエン酸に浸けるほど汚れます。
ルーバーの隙間に付くコケとオレンジのローターに付くコケなどを除去するのがかなり面倒!!
Am@zonなどで買えると思いますが歯科用の歯石除去用のスケーラーを使っています。
写真は”鎌形スケーラー”と呼ばれるもので、大きさ比較のため塩分濃度計を添えました。
刃先のエッジがとても有能で1つあると重宝しオススメですよ。
計4台分のウェーブポンプの清掃に費やす時間は約1時間で、清掃完了時は必ずRO/DI水を最後に注いでから戻します。
前面ガラスのコケ掃除は2~3日に1回程度で、水槽側面と後方ガラス面はウェーブポンプの清掃時に実施します(週1回)
基本的にはスポンジを使います。左が水槽のガラス面専用で右はウェーブポンプなど用品専用と分けています。
スポンジはKOTOBUKIの2枚入りです。
裏面グリーンの方はガラス面に薄い擦り傷が入ってしまうため使いません。
100均のスポンジなら類似品が無数にありますけど、スポンジ自体が着色されているためRO/DI水に浸けると染料がじわじわ出てくるのが不安でNGにしてます。
スポンジ後にスクレイパーを当てます。
コレはLSSが扱うシーケムのアルジースクレイパーという製品でカッターの刃と同等レベルなので石灰藻も取ることができます。
石灰藻の除去目的でガリガリやると刃先が一発でダメになり、それにより水槽に傷が入るので要注意。
次にフロー管をブラシやメラミンスポンジと歯ブラシでコケ類を除去。
ダイソーでも買えるアレです。
3重管も案外汚れてます。
ウールマットは水換え時と、その4日後に変えています。
つまりウールは週2回交換が必須。栄養塩をここで蓄積させては本末転倒。
色々な銘柄のマットを使いましたが、10年ほど前から古くからあるキングマットを使っています。幅60cm×40cmのサイズになっています。
かつては小野物産が発売元でしたが現在はインスタントオーシャンでお馴染みのナプコに。
このウールをハサミでカットし2枚重ねて使用。すぐ使えるように準備してあります。
まず安いうえにウールの目の粗さがちょうど良いです。
プロテインスキマーのカップは水換え直前に清掃を実施。水槽立ち上げ直後は週2回実施していましたが現在は週1回。
そもそもプロテインスキマーはろ過装置ですからカップの汚れが付いたままではスキミング能力が大幅に落ちます。
サンゴ飼育を本気で取り組むなら週2回カップ清掃をオススメします。
⇩左が10年前に使っていたRoyal ExclusivのバブルキングMini160のカップ。
ウワサでは当時パイパワーかつ優秀なACポンプ(RedDragon)搭載のプロテインスキマーと前評判を聞いていましたが、じつはリアルに非力ですぐ売り払いました(笑)
そもそもモータは115V・60Hzに対しウチは関東圏(100v・50Hz)なのでパワーロスが。
スキマーカップは温水で洗ってから最後にRO/DI水を十分かけ流してキッチンペーパーで拭き取りします。
排水側にはソックスを付けています。
スキマーの排水口にフィルターソックスをはめるのはオススメです。
装着後48時間でうっすら汚れてきます。
1週間経過するとこんな感じで汚れが凄いです。
肉眼で見えにくいほど微細な泡戻りをキャッチしているからで効果が高いです。
ソックスがなければこの分が水槽内へ循環しています。ソックスの効果は高いのでマネしていいですよ(笑)
元々は永らくLSSが扱うリーフオクトパスの3枚入りのコレ(⇩)を使っていたのですがブランド自体が廃盤になり入手不能になり自作することに。
生地屋(オカダヤ)でいくつかの種類を調達し試したらフェルト素材が最もリーフオクトパスの製品に近く、繰り返し洗浄しても生地が丈夫かつ安価。
生地は100均のセリアで売られていたものが費用対効果でベスト!
ソックスは水道水(お湯)でよく揉み洗いしRO/DI水をたっぷり繰り返し掛けてから乾燥させて繰り返し使っています。
常に水槽はガラスフタをしています。
サンゴ水槽なので普通はガラスフタをせず照明ガンガン当てるのがセオリーでしょうし、かつてはフタをしていませんでした。
じつはコレを始めてから気付きがありました。
よく壊れるで有名な灯具、KR93SPを2台使っていますがフタをしてから壊れなくなりました。
海水の蒸発は水だけと思われている人が居るようですが室内の空気中に塩分が少なからずあるので、特に真上でKRの右サイドにあるファンで引き込まれ空気中の塩分を本体の基盤などへ影響を及ぼしていると思われます。
何度かKR93SPを修理に出した際に必ず基盤に塩分の付着が認められますと指摘を受けます。コチラが何かしているわけではないのにね。
そしてガラスフタの両面にもRO/DI水をたっぷり含ませた(KOTOBUKI)スポンジで清掃します。
最後に水槽の鑑賞面である前面側のガラスにもRO/DI水を含ませたスポンジでかけ流すほど拭き取り乾いたウェスで拭いて完了です。
RO/DI水は純水という名の通り純白のような感じのイメージで他のモノを吸着する効果もあります。DI水を徹底して使うのは凄く意味があるので是非やってみてもらいたいですね。
やれば必ず違いを実感できます。
ちなみに水槽に自分の手を入れる際もお湯で肘まで十分かけ流し擦り洗いしたのちDI水を両腕に流してから入れています。
そもそも飼育水をメーンで綺麗にする効果はプロテインスキマーとバクテリアに手伝ってもらうもの。
水換えに求める最大の目的は数値や目に見えない海水の微量なものを含めた組成分などを整えるという意味合いで実施しています。
そこまでこだわって実行したからミドリイシがキレイになるとか、よく育つとか無いでしょ。なんせ白くなって死ぬときはあっさりと。ですもんね(笑)
で、最後に3週間おきに1回というスパンでバクテリア剤を入れます。
フランスのメーカー Prodibio バイオダイジェスト
30本入りを買い置きし1アンプル投入。
アルゴンガスによりほぼ内容物の劣化がないという特色。
あらゆるバクテリア剤がありますが常用に相応しいと感じて以来、4年半以上使い続けています。
サンゴ飼育では「変えない方が良い」というワードを見聞きします。
例えば人工海水の銘柄や照明器具、水温や塩分濃度やKHなど数値に関係するもの全般とかいろいろ当て嵌まると思いますがメンテナンスのルーティンこそ変えない方が良いのかもしれないと思う時がありますよ。
まぁ個人的には他人様の水槽にはあまり興味ないし、所詮趣味なので自分自身がそれでよければいいんじゃないかなと思ってますので変に気合い入れて頑張っても意味無いので自分で決めたコンセプトで楽しめたらよろしいかと。
サンゴ飼育する人口は今後増える事はまず無さそうだし、2024年は世界各地の海で白化が深刻化し趣味で飼えるサンゴの供給減少&価格上昇へ拍車が加速する傾向になってしまうと思うし、人工海水をはじめとするアクア用品と電気代なども物価高の影響は更に加速してこの趣味を続ける足かせが増えていくばかりでしょうね。
そしていずれ自分も迎える”終わる日”が来るまでルーティンを続けられたらと思ってます。このブログもそのルーティンの一部ということで(笑)