KR93SPユーザー歴11年&スポットライト | ミスズの水槽観察日記

ミスズの水槽観察日記

42年前にグッピーからスタートしカクレクマノミブリード10000匹達成!
現在はKR93SPを使いSPSを中心にサンゴ ミドリイシ飼育をしています。
主にミドリイシブログです。
2017年ダイバーデビュー!
2022年6月からミジンベニハゼの繁殖/ブリードをして稚魚も育てています。

今となってはレトロと言って過言ではなくなったEcolamps社の”KR93SP”の継続使用が昨年末を以って丸11年が経過しました。

 

(Since 12/2012)

2012年12月に使用開始してから他製品の灯具に一日たりとも変えず、かつ”KR93SP”の製品スペックには一定の理解を以って使い続けてきました。

 

長期使用者としての表彰状貰っていいレベルって!?(笑)

いえいえご心配なく。

 

2014年に後列へ吊るしている24S(約60cm幅)をブルーハーバー・和田社長から頂いてます。理由はコレ!

 

幾余多ゐるユーザーによるレビューの中からベストワンに選出されました。

今さらインプレなんて要望があるはずなく、生産も販売もとっくに終了している旧モデルなので製品の効果効能なんて生意気は言いません。

 

それでもユーザーとしての具体的なレビューへの興味が止められず、聞かずには気が済まない好奇心旺盛の方はコチラをどうぞ。

 

この数年で気が付いたことがひとつ!

 

じつに今まで何度も壊れています。

この先も経年経過が加速しさらに壊れ易くなるのかもしれません。

 

しかし、この2020年3月以降は壊れていないのです。

何か壊れないため意図して工夫をしたわけではないのですが、よくよく考えたら水槽のフタを常にするようになったこと。

真夏もフタを開けず、水槽に手を入れるときだけ開けます。

 

そうなんです、たぶん理由はコレ。きっと偶然では無いはず。

 

構造的に本体冷却用のファンが内臓されており本体右側のメッシュ部から吸気し左側メッシュへ通気する構造になっているので、蒸発による湿気がフタがあることにより大幅減に関与していると考察。

ファンがあろうが無かろうが、つまりどんなメーカーの灯具でも可能なら水槽にはフタを常時しておいた方が良さそうですよ。KRシリーズは特に。

 

 

ついでに最近の我が水槽のスポット球の配列をご紹介。

ご覧のように現在計7球も使っています。

 

特に左端がごちゃごちゃ吊るしていますが、そもそもメイン灯具のKR93SPの前列は約90cmに対し水槽外寸は106cm&奥のKR93SPは約60cm幅。

つまり左右幅が足りていないうえ、スポット球を付けるスペースはあるのです。

 

しかし左右にウェーブポンプを設置しているため水槽幅ギリギリに灯具がなくても一応は及第点。

システムLED全般、照度は中央が高くて隅は低いというのがセオリーなのでスポットLEDを用いて足りていない照度と演色性を加味させるため登用しています。

 

各スポットLEDにはそれぞれに個別にターゲットとしているサンゴ向けへの役割と意味を持たせています。

 

年末にGrassy LeDioのRX122CR/コーラル球を埼玉の某中古さんで入手。

同じ品番の製品が3日間3台売れ残ったままようで、店頭で照らしてみたら使い道がありそうな色味なので1つだけ試しに買いました。

 

後方のGrassy LeDio RX072eDEEPを吊るしていた所とトレード。

 

明るくなったことで視覚的な差異があり、若干の違和感を感じたため吊るす位置を引き上げることで調節。

永らくKR93SPを前後2台並べ使ってきているのですが、基本的に常時白chを絞りつつ、Grassy LeDioRX072e DEEPなどの青系ランプを加算する使い方をしてきました。

 

さてRX122CRを灯してどうなることやら。

 

色揚がり目的ではなく、あくまでもKR93SPの一番明るくなるタイミングのときの設定値に合わせることで演色性を優先しました。それなりにマッチしている印象。

メイン灯具はそろそろ次期モデルへの買い替えに向け関心は持っているので、候補はメジャーなRadionかillumagicまたはSP200の次期後継モデルあたりでしょうか(笑)

 

個人的に思うのは素晴らしいスペックであろうと、まずはサンゴがキレイに見えるかどうかが重要だと思っています。

 

KR93SPは100%設定で水深3m~5mの波長を再現と謳っていました。

概ねその通りだと思います。

 

但し、非ユーザーで誤解されている方が多いと思うのは、実際に3m~5mに潜って見た時に感じる明るさと全く同じということではないです。

あくまでも3m~5mの海中に届いている”波長”に寄せているのであって、その水深に潜ったときに見えている人の視覚を再現した製品ではないのです。

 

そして3m~5mにいるSPSが煌びやかなのかというと、そうとは限らないです。

 

ミスズが近年ホーム化している奄美でファンダイビングをして見ているSPSたちは3m~5mにも居ますが、それより深い水深の方がバリエーション豊富で圧倒的に多く棲息しています。

 

しかも海にも四季があるので海水の透明度は変わります。

特にプランクトンが多い季節は濁るため、透視度が落ちて太陽光の届き方も落ちますが各社最新の灯具でもそこまで再現できるものはないですよね。

 

では白っぽい光よりも深度を意識しがちな青い光に重き置いた方が良いのかと言うと一概にそうでもないと思います。

 

個人的な意見ですが、言葉で言うと水色と緑色が混じるエメラルドグリーンみたいな色の光が水槽用照明に加えて用いたらより良さそうと感じます。

※カフェド■ゼさんの灯具でエメラルドグリーンに似た蛍光灯が1本使われているのはナイショです。

どう進化してもシステムLEDに採用されるLED球には永遠に再現できない色があるのかもしれないですね。

 

実際に自分で海に10mとか20mとか潜った事は無いけど、TVとか環境系のダイビングなどの海中動画などをよく見ているから潜らなくとも海の明るさなんて知っているんだという人からの意見があると思いますが、だいたい海中撮影ではライトを用いないと成立しないため、そこで肉眼で見た色とは違った脚色された画になりがちです。

灯具の”波長”にこだわる人の中にはそもそもSPSを今は飼っていないとか、または同一個体のSPSを10年以上継続飼育できていない人の方が多いでしょう。

 

光についてのアドバイスは話半分程度の意見として聞き流してトレースする必要はないと思ってます。

かたや今までKR93SPを永らく使っていたせいか、設定やら運用方法を知りたがる人からのコンタクトを何度も経験してますがワタクシと同じく2台使用かつ水槽サイズなどの諸条件は同一ではないし、そもそも光に対し過大な期待を抱いていてSPS飼育のキモは光だけではないという事を本当は経験していない人が少なくないなぁと。

 

で、なぜKR93SPを11年以上も使っているのか。

新製品を買うカネが全然無いから(爆) 

この灯具の最大の魅力は色の違いがハッキリと区別できることでしょう。

 

例えば色で言うとよくある緑色のサンゴって様々な種類がありますけど、同じグリーンでもサンゴによって僅かな個性のような違いが区別して見える点が最大の魅力かなと。

 

グリーンのサンゴが映える青い色でお馴染みの450nm前後の波長はほぼどの灯具に採用されていますね。

例えるなら主にLPS用で用いられる灯具をサンゴに当てるとグリーンの違いは区別なくほぼ似たような同一グリーンに見えがちですね。

それはそれで蛍光タンパクがギラギラなので良いとは思います。

 

KR93SPでは、入海時こそ同じグリーンと思いきや微妙な差が付いてきます。

ウチのサンゴで例えるとしたらコレとか。

肉眼で説明したいところですが、画像だとリアルな色差が伝わりにくいためイメージ程度で恐縮ですが丸で囲んだ3点。

 

それはRadionかillumagicやSPECTRAでも同じでしょう。あるいは安い灯具でも。

だとしたら、その灯具はサンゴ飼育に向いているのでしょう。

 

でもワタクシが使い始めた2012年当時はKRこそフルスペクトルの祖先みたいな灯具で他社がUV/400~425㎚波長採用モデルなどのトレンドに追従してきた経緯があるのは御存じの通り。

 

サンゴだけでなく魚の体色についても同様に当て嵌まります。

特筆すべきは青の色素を持っているレアな魚”ニシキテグリ”の構造色ではない、青の美しさこそKRの本領発揮ではないかと感じるほどです。

グリーンだけでなくブルーもイエロー、ピンク色と他の色でも同じことが言えます。

そこが気に入っているから使い続けているんです。

 

サンゴの色揚げ?それは照明だけで叶うわけがないのでウソは言えません(笑)

辛口で申し上げると、サンゴ飼育に於いては自分の水槽のことは飼育者本人が一番理解していなければならないものでしょうから他人に正解を求めている時点でダメなのかもしれませんね。

 

ということで、サンゴ飼育は頑張るものじゃない。”色揚げ”させると能動的に取り組まずに飼育環境を整える事を最優先。

時間を費やしてサンゴの色は受動的に揚がっていただくものかもね(笑)