今から24年前、母が鬱病になって入院した頃、私は二人目の子供を妊娠中で出産も間近だった。
仕事帰りに2歳の娘の手を引き、母の入院している病院にバスに乗って通った。
病室に着くと母は孫を見るなり、「なんで、小さな子供を連れてわざわざ見舞いに来るの?可哀想だよ」と孫を思いやる様子で、まだ他人のことを気遣いできるのかと、私は少し安心した。
でも、母は病院でも少しも眠れないから医師に薬を強くしてと頼んでいるようだった。
母が服用している薬は、わりと強くて、これ以上薬の量も増やせないと医師からは言われていた。
母は落ち着きもなく、何度もナースコールをしているようで、看護師も手を焼いているようだった。
母が通院していた総合病院は精神科の病棟が無かった為、内科の病棟に入院した。
病棟の看護師は、精神科の患者の扱いは慣れていないようで、母の存在も看護師にとっては手こずるのであろう、露骨に嫌がる看護師もいた。
私たち家族も、病棟では気を遣った。
母の見舞いからの帰り道、歩いている途中で娘が眠りそうになり、私は荷物を持っているせいで抱っこも出来なく、母の事で私の気持ちも落ち込んで、本当に泣きそうになった。