みなさんこんにちは。
コンサートサロン
アトリエミストラルの
櫻井紀子です。
さて3月13日(日)に開催した
「ベートーヴェンと共に」
無事終了しました。
<プログラム>
リスト
超絶技巧練習曲集から第10番 ヘ短調
ソナタ風幻想曲「ダンテを読んで」
ベートーヴェン
ピアノソナタ大29番 ハンマークラヴィーア
小田さんは2020年8月に続く
2回目の登場。
前回はショパンのバラードと
チェコの作曲家マルティヌー
そして
ベートーヴェンの31番でした。
前回は
非常に美しいベートーヴェンを
弾かれる方だなぁという
印象を持ちましたが
前回のレビューはこちら
今回の印象はまた異なりました。
リハーサルで初めて
小田さんの演奏を聴いたとき
「なんと強靭な演奏なんだろう」
と思いました。
強靭というのは
力で抑え込むという意味ではなく
もっと根本的な意味での
骨格と精神力。。。と言えばいいのでしょうか。
それに相反するような
そしてプレイエルの代名詞のような
音色を感じさせる
温かく深みのある緩楽章。
その対比から
にじみ出てくるかのような
表現の多彩さ
本番ではピアノと空間と
演奏が一つにまとまってきて
完成度の高い「作品」を
見ているようでした。
(リハーサル風景)
今回の小田さんの
演奏を聴いて私は
楽曲や作曲家の本質を
探りたい、表現したいという
演奏の前では
ピアノのブランドや製造年というのは
あまり意味をなさないのではないか?
ということを思っていました。
もちろん
アトリエミストラルのプレイエル
というのは一つの大きな個性ですが
それは一つのツールに過ぎなくて
その作品の本質を表現しようとする
演奏の前では
ピアノのブランドやイメージは
ほぼ関係ないとさえ思いました。
小田さんの演奏は
ベートーヴェンとリストの
音楽の本質に迫っていた
ということだと思います。
このプレイエルという楽器は
「ショパンが愛した」という
一定のイメージや概念が
どうしても付いて回ります。
しかし100年以上も生き抜いている
そして今もメンテナンスを欠かさない
ピアノに対して
ある色を付けてプロモーション
することが果たして良いのか?
という疑問はここ2年程私の中で
くすぶっていたことでした。
もしかしたら
これからはプレイエルという
ブランドやイメージを取っ払ったところで
「音楽の本質」を追求していく
コンサートを増やしていくのも
いいかもしれない。。。
今回のコンサートは
主催者として
大きな気づきの機会でも
あったようです。
アンコールでは
ショパンの「別れの曲」
を弾いてくださいましたが
本番のプログラムで
ピアノのキャパシティが
ぐんと広がったのが
この別れの曲を聴いて
ハッキリわかりました。
終演後には小田さんと
今後について
話していく中で
やりたいことが
私の中で動き出した
ように思います。
みなさま「次回」もぜひ
ご期待ください。
小田裕之さん
おいでいただいた皆様に
心から感謝を申し上げます。
ありがとうございました。