きょうは終戦記念日。
終戦から75年です。
1995年の夏、終戦記念日の前後に日本テレビの深夜に放送された「終戦50年特別企画 金曜の夜 日本は燃えた」。
大変貴重なプロレス・ドキュメンタリーです。
力道山時代から当時の現行のプロレスを映像で辿っています。
フレッド・ブラッシー、ザ・デストロイヤー、ジャイアント馬場、アントニオ猪木、大木金太郎のインタビュー。
現役時代さながらに凄むブラッシーがいいな~。
力道山のお墓がある池上本門寺を訪れる鉄人ルー・テーズ。Uインター関連で来日したとき取材したのかな。
インタビュー形式ではありませんがシャープ兄弟のベン・シャープが登場しコメント。
恐らくベン・シャープが日本のメディアの取材に応えたのはこの番組が最後ではないでしょうか。
力道山の大相撲時代の弟弟子、初代若乃花もコメント。
「日本のプロレスの夜明け」力道山・木村政彦vsシャープ兄弟の試合を実況した佐土アナウンサーも登場し当時の実況を再現。
黎明期のプロレス中継スタッフとしてコメントしてますが、1982~1989年まで全日本プロレスの社長を務めた松根光雄さんも登場。
松根さんは1981年ごろ経営が傾いた全日本プロレスを立て直すべく日テレから出向し全日本の社長やってたんですよね。
芳の里元日本プロレス社長や力道山の秘書だった吉村義雄さんも登場します。
ファンクスのチアリーダーだった女性のその後を取材。
結婚し二児の母。
プロレスが縁で結婚されたそうですが旦那さんがまたすごい。
段ボールで作ったNWA世界ヘビーベルト(レイス・モデル)!
手作りなのにかなりのクオリティ…
どころではなく、
裏面にルー・テーズ、パット・オコーナー、ジン・キニスキー、ファンクス、ハーリー・レイス、ジャック・ブリスコ、ジャイアント馬場、リック・フレアー、リッキー・スティムボートら歴代世界王者のサイン入り!
これはすごい!
只々尊敬しちゃいます。
ジャイアント馬場の入場曲「王者の魂」をスキャットで歌う4歳の息子さん。
見事な英才教育です。
25年前の番組ですから息子さんも今30歳手前ですか。
プロレス見てるかな~。
そのほか日本テレビ制作ながら初代タイガーマスクのデビュー戦の映像が流れ、FMW、みちのくプロレス、女子プロレスも取り上げられてます。
この番組、大木金太郎をキーパーソンにしてます。
大木は韓国出身。
密航で勾留されていたとき力道山が身元保証人になって釈放、プロレス入りしたエピソードはあまりにも有名です。
韓国で療養中の大木にインタビュー。
すっかり穏やかなおじいちゃんに。
体は辛そうです。
亡くなったのはこの番組の10年後くらいでしたかね。
英米に対する宣戦の詔書を暗唱するシーンは何だか切なくなります。
大木本人は「昔はみんな覚えてましたが、忘れました」なんて笑ってますが…
力道山は朝鮮半島出身ですが、少なくとも私が子どものころは公にされてませんでした。
当時のプロレス書籍で力道山の出身地は「長崎」となってました。
「戦後の日本を勇気づけたヒーローが実は朝鮮半島出身ではまずい。隠しておこう」
そんな空気があったのかもしれません。
1990年代に入ると力道山が朝鮮半島出身であることが公にされるようになります。
そういう時代の流れからかこの番組でも触れてます。
とはいえテレビで力道山の出自について大きく取り上げる番組は珍しかったのですごく印象に残っています。
ここまでプロレス全体の歴史を丁寧に振り返ったドキュメンタリーはないのではないでしょうか。
プロレスが長きにわたって日本を勇気づかせ楽しませてきたことがよくわかる番組です。