第3試合です。U-T対吉田隆司。今回の後楽園ホール大会で注目のシングルマッチはシュンくん対Ben-Kですが、U-T対吉田さんもファンにはたまりません。
1月に開催された若手トーナメントで4位という悲しい結果になったU-T。
若手トーナメント4位、これをどう思うか。
惨めと思ってしょんぼりしていたり、『どうせオレなんか』って凹んでいたらU-Tはここで終わりです。でもそんな事は絶対にないと言い切れる。
僕が、いやドラゴンゲートファンが熱狂的に応援しているプロレスラー、U-T。
U-Tは申し訳ないけど、才能、プロレスセンスが足りなく、フィジカルも恵まれていない。ルックスだってイケメンとは言えない。
そんなマイナス要素をすべて隠そうとせず、必死に戦っていくU-T。才能はあった方がいいに決まっている。特にプロレスというジャンルは才能の有無が大きな結果の差となります。ただ、たとえ才能に恵まれなくても、気合いと根性と前向きさでプロレス界でどこまで上がる事が出来るのか?たとえ可能性は少ないとはいえ、常人では出来ない努力をする事によってファンに夢を見せる事ができるレスラー、それがU-Tです。
若手トーナメント4位、確かに悔しいと思います。ただ悔しい事はこれまで嫌というぐらい味わっているU-T。ここからです。
対戦相手は吉田さん。
吉田さんもマスクをとられ平凡な本名にリングネームを変更させられて苦闘してきました。吉田隆司になった直後は同情票もあったのでしょう、熱狂的な声援がありました。ただ最近は勢いが落ちているのも事実。男性からは相変わらず人気がありますが、『タカシーぃっ!!』って叫ぶ女性の声は本当に減った。
ここが正念場でしょう。
絶対に負けられない一戦です。
体格差からいって吉田さんが有利なのは間違いない。
思いっきりぶん投げる吉田さん。試合序盤は完全に吉田さんのペース。
吉田さんがよくやるムーブ。ただ男性ファンが熱狂する姑息な反則をこの試合では出さなかった。
吉田さんは分かっていたと思う。
若手トーナメント4位となり株価が落ちたU-Tにとって名誉挽回の試合がこの試合だということを。
いままでのU-Tなら楽勝でファンを沸かせるために軽く反則をしたかもしれない。ただいまは失う物がない危険なレスラーです。コミカルな姑息な反則をしている場合じゃない。
2年前なら秒殺されていたU-Tですが、いまは違う。サブミッションがあります。
この日も出したトペスイシーダ。
ただ跳ぶだけではないんですよ。小さなカラダかもしれませんが、魂を込めて突撃する。その姿にファンは熱狂します。
サブミッションで痛めつけます。
吉田さんが苦しんでいます。
えっ?これ極まるの?
U-T、凄い表情だ!
吉田さんの動きが止まった
これはひょっとしたら・・・
必死に逃げる吉田さん。なんとかロープエスケープ。
過去のU-T対吉田さんというかサイバーコングの試合はサイバーの圧勝でした。まったく歯が立たなかった。この日は違う。
確実に強くなっているU-T
若手トーナメントでは結果が出なかったけど、前進は止まらない。
吉田さんの容赦のない攻撃。
ああーっ!終わった。この技を出させただけでもU-Tの進歩だ・・・
いや、なんとカウント2で返すU-T。会場が爆発します。
いままで散々善戦はしたと思う。若手トーナメント4位ですけど、どの試合も熱戦でした。昨年のシュンくんとの一騎打ちもそうです。引き分けという結果に大感動しました。
でももう結果が欲しいよね。若手トーナメント4位という結果、悔しいかもしれませんが、そこから前を向かないと。いつものようにね!
U-Tが跳んだ!
丸め込んだ!
1,2,3!!
U-Tが勝った!
大爆発する後楽園ホール。
勝ったU-Tは立ち上がれません。
吉田さんは負けた腹いせにU-Tを襲いかかったりしなかった。思う事があったんでしょう。
この表情です。
負けは負け。でも吉田さんも分かっているはず。名誉挽回のチャンスは必ず来ます。
プロレスはゴールのないマラソン。たとえ大番狂わせがあったとしても、トーナメントで恥ずかしい結果になったとしても、戦いは続きます。走り続ける事が出来るなら挽回のチャンスは来る。
コーナートップロープに登るU-T。いい表情だ。これだよ。
ここからだよ、ここから大反撃だよ。若手トーナメントは終わったかもしれません。失敗をしたかもしれません。でもこの表情をみたら分かります。まだまだだよ。若手との戦いは終わっていない。
僕達が愛するU-T。才能は少ないかもしれませんが、努力によって無限の可能性を感じさせてくれるレスラーです。
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