第3試合です。ついに運命の決戦が行われます。このブログで昔から応援してきたU-Tと、これまた応援してきたシュンくんの一騎打ち。先月の後楽園ホールの結果により一番最初に決まったカードです。
まず両者の立ち位置を確認しましょう。
体格的に恵まれているのはシュン君、運動神経もシュン君のほうが優れている。プロレスセンスもシュン君の方が上。
シュン君からしたらU-Tさんは才能に恵まれなかった面倒な先輩となるでしょう。ただU-Tは努力の人です。常人では絶対に出来ない努力をしています。
U-Tは怪我をして長期欠場をしても、後輩に追い抜かれても、チャンスも与えられない現状にも必死に耐えて日々奮闘しています。
この試合はただの先輩対後輩の対決ではない。才能に恵まれなかったものでも必死に戦えば報われることができるか?それが戦いのテーマです。
ファンが応援しているのはどちらか?両者でしたね。シュン君を応援している人も、U-Tを応援している人もいる。みなさん自分の人生を通して感情移入しているのでしょう。先日のNHKのプロフェッショナルという番組で内藤哲也が語ったように『最高のレスラーは感情移入ができるレスラー』とおっしゃっていました。
この試合はまさにファンが感情移入できる戦いです。その意味でいえばこの第三試合で組まれた試合はドラゴンゲートが提供してくれた最高のプロレスの試合です。
この一戦は久しぶりに勝負論が見られる試合。勝つのはどちらか?勝敗が気になる。
試合前、僕の心の中にあるカジノで、勝つのはシュンくんと予想しました。最終的には才能とセンスがあるものが勝利する。そう予想した。心情的にはU-Tに勝ってほしい。ただ勝つのは・・・。シュン君も努力はしていますからね。
選手が入場します。
シュン君から入場。
続いてU-Tが入場、観客席を見回すU-T。自分を応援しているファンがどれだけいるのかを確認したかったのでしょうか?
ただここは戦場、敵はもうそこにいます。
シュン君が背後から思いっきりU-Tを蹴っ飛ばします。場外に吹っ飛ぶU-T
シュンくがすぐに追い打ちをかけます。
シュンくん、本気だ。自分より下と思っているU-T相手ですが、容赦しない。徹底的につぶす気です。
試合序盤は相手の技を避ける展開となります。
ただ途中からは相手の技をガッチリと受けます。受けの美学じゃない、相手より屈強な体をしているのを誇示しようとしています。
コブラツイストをかけるU-T。髪を引っ張ってでも逃げようとするシュン君。
マスクをしているのに表情がわかります。必死に戦っています。
シュン君が追い込みます。
徹底的に潰す。地味なサブミッションでも会場が沸きます。ファンが感情移入しているのでしょう。
必死に耐えるU-T
キャメルクラッチ。フェイスロックも同時に決めています。徹底的に痛めつける。こんな激情型の攻撃をみせるシュン君を見たことがなかった。
U-Tは耐えることによりファンをヒートさせることが出来ます。U-Tはいままでのレスラー人生で散々やられてきた。でも毎回這い上がるU-T。ファンが応援したくなる何かを持っています。
どんなに劣勢になっていても必死に戦うU-T。強烈なシュン君の攻撃を喰らっても怯むことがない。
基本的に常に劣勢を強いられるU-T。才能、センス、体格で劣るからしょうがないかもしれません。ただ絶対に諦めないんです。
トぺコンヒーロ発射。スペイン語で飛び込み自殺という意味の技ですが、U-Tからしたら玉砕って感じなんでしょう。
打ち合いとなります。打ち合いは互角。お互い意地をみせます。
すごい形相です。
必死に逃げようとするシュン君。徐々に体力がなくなってきたような気がします。
U-Tのサブミッションに大苦戦するシュン君。
U-Tのサブミッションに対して投げ技で対抗します。そして
おおーっ!決着をつけようとしています。
ムーンサルトプレス!
ただ剣山が待っていた!そして
さらなるサブミッション地獄。
シュン君の動きが止まっています。試合序盤のスピード感がなく、ペースはU-T。U-Tはスタミナが落ちていない。
大声援がU-Tとシュン君に送られます。
必死に耐えるシュン君。絞り込むU-T.。試合前には想像もしていない光景です。
これはひょっとして・・・。
才能が劣るものが、努力によって報われるときが来たのか?
常人ではできない努力をすれば、才能があるものを乗り越えることができるのか?
ただ試合時間が残り少ない。
シュン君とU-Tの試合は20分一本勝負。
試合結果は
ドロー。20分戦って決着はつかなかった。引き分けは想像もしていなかった。
会場から物凄い拍手が送られます。お互いの意地とプライドが交錯した名勝負です。最近のドラゴンゲートの前半の試合でここまでの拍手、会場の盛り上がりはなかった。ファンは間違いなくこの一戦に感情移入した。
U-T、そしてシュン君の現時点での一番の名勝負となりました。
セコンドが駆けつけます。わかっているんでしょうね、一戦を完全に超えた戦い、とんでもないダメージを追っているっていうのは。
望月がマイクを持ちます。
望月『おいシュン、あれだけ言っておいて引き分けか。まあ、お客さんの反応をみたら素晴らしい試合だったけど、あえて言わせてもらうぞ。この引き分け、判定をつけるならお前の判定負けだ。』
望月師範、厳しいな。
望月『U-T、お前は体が小さくても努力で埋める姿勢、十分に魅せてもらったよ』
おおーっ!望月師範がU-Tを認めた!
吉岡がマイクを持ちます。
吉岡『ひとつだけいいですか?確かにシュンは望月さんが言ったように勝たないといけない試合でした。ただシュンは先月、ランクが上だの、俺がランクが下だの言ってましたよね?』
会場から笑いが起きます。望月は苦笑い。吉岡はよっぽど気に障ったんだろうな、格付けを。吉岡はひょっとしたら執着心が強い性格なのかもしれません。
吉岡『今日、自分は石田に勝ちました!勿論、石田に勝ったぐらいで満足していません。だから次はU-Tかシュン、お前らのどちらかと戦いたいです!』
シュン君『吉岡、先月のは誤解だって!ただ望月道場はユニットではない。俺たちが戦うのは当然ありだ。ただ吉岡、石田に一回勝ったぐらいで俺より上と思ったら困るな!』
根が深い問題であるように思えてきた、格付け問題。当人からしたら重要な問題なんでしょう。
ここで飛び込んできたのは石田。思いっきり吉岡を蹴っ飛ばします。
石田『お前らなにごちゃごちゃ言ってんねん!1回丸め込みで勝ったぐらいで調子乗ってんじゃねえぞ!そもそもユニットに入っていないお前らが何を偉そうなことを言ってんねん!俺がマキシマムに入るのにどれだけ苦労したのかわかっとんのか!』
・・・心の叫びだ。
石田『それからU-T,お前もじゃ。お前、一個気になることがあるねん。コイツずっと言ってるやろ?「俺は努力してます!努力してます!」って。俺はそんなアピールするヤツは嫌いなんや。俺らプロレスラーはな、苦労するのが当たり前なんじゃ!』
・・・これは痛いところをつかれたU-T。
U-T『ちょっと、ちょっと待てよ。この試合お前、全然関係ないし。なんで俺なんだよ?・・・そういうなら俺もお前に言いたいことがある。俺はな、お前みたいに蹴りしかない、蹴りにしか頼っていないお前のスタイルが嫌いなんだよ!』
この発言に何故か望月が反応。
望月『おい、お前、それは俺に言っているんじゃないか?蹴りしか能がないとか・・・』
U-T『言ってないです。石田に言いました。』
まさかの対立構図が新たに生まれたって思ったら、まだ火種があります。
ヒョウと箕浦も戦いに加わるようです。
ヒョウ『お前ら全員好き勝手言いやがって。まず吉岡、さっきお前は俺の名前を出さない時点でな、お前は俺のことを下に見ているんだよ。無意識にランク付けしているんだよ』
もうメチャクチャだ。もう収集つかない。こんなに格にこだわるのか、最近の若者は。全然知らなかった。俺も職場で気をつけないと。
当然この先は
乱闘となります。話し合いで解決できない問題ですからね、乱闘で決着をつけましょう。
八木さんが登場します。
八木さん『お前らのキャリアと実績で、どっちが上とか下だとか関係ないんだよ!』
・・・俺もそう思いますけど、当人たちは違うようですよ。あまりそういう事を言わないほうが。若者に嫌われますよ。
ただここは一般企業とはかけ離れた世界です。
八木さん『そんなにランク付けしたいなら、そういう場を設けてやろう。来年の頭にでもリーグ戦かなんかを組んでやるよ。そこでお前らの優劣をつけろ!お前ら正月を返上してしっかり鍛えて来いよ!』
U-Tとシュンくんの抗争がこんな結末となるなんて。
とりあえずU-Tの評価があがったのは間違いない。才能、センス、体格が劣るものでも努力によって覆すことができる。勿論、才能とセンスはあったほうがいいに決まっている。ただ才能、センスがなくても努力によって勝利はできなかったかもしれませんが、超満員の後楽園ホールのファンを感動させることは出来ました。
みんな思う事があったはずです。望月ですら認めていた。
そしてシュン君も必死に頑張りました。あきらかに格下と思っていた先輩の根性を感じたはずです。
両者にとって現時点でのベストバウトといっていいでしょう。将来、この一戦がターニングポイントとなったといえるよう、これからも努力して戦ってほしいですね。
素晴らしい一戦でした。
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