ミッションは突然に <47> | 電気自動車は仮想現実の夢を見るか?

電気自動車は仮想現実の夢を見るか?

この春から電気自動車の日産リーフに乗り始めました。この電気自動車、夢も感動もない単なる移動手段なのか、はたまた車の未来に福音をもたらす救世主なのか? 車だけでなく、日々感じたことを綴ります。ブログタイトルは勿論、P・K・ディックのあの小説のパロディーです。

バスはアウトバーンを西北西の方向にひた走った。
途中、黒煙を上げ炎上するバスを追い抜く。
事故ではなく、故障のようだ。
走行中に火を噴くなんて、ありえない!


電気自動車は仮想現実の夢を見るか?


暫くして、バスはライプチヒ郊外の長閑な工業団地のような場所に到着した。
そして、シンプルなデザインの瀟洒な工場の前で停車した。
壁面には大きく社名らしき文字も書かれている。


Poege Druck


電気自動車は仮想現実の夢を見るか?


多分、ポエジ社という名前の印刷会社なのだろう。


ここライプチヒは、出版社、印刷会社にとっては聖地ともいえる場所である。
ドイツ国内で2番目に古い大学であるライプチヒ大学を擁するライプチヒは、

古くから学問、そして本の街として栄えた。
1445年、マインツのグーテンベルグが活版印刷技術を発明すると、

1481年にはライプチヒでも本が印刷されるようになる。

1530年までに1300種類もの本が出版され、

1594年からは本の見本市のカタログまで出版されるようになった。

それ以降も次々と新しい印刷所と出版社が生まれ、

ライプチヒは今日に至るまで有名な書籍、印刷の街として発展してきた。

よってライプチヒの印刷会社は、世界に冠たる歴史と伝統を有している。


ワシは組合の理事長が言った「我が業界を救う機密情報を入手せよ」

という意味がやっと理解できた。

ここに、衰退著しい印刷業界を救う何らかのヒントがあるに違いない。


ワシらは、ポエジ社の社員の方に導かれ、社屋に足を踏み入れた。
その玄関にあったものは・・・



電気自動車は仮想現実の夢を見るか?


電気自動車は仮想現実の夢を見るか?


うわっ、手動の印刷機に、石版ではないか!
未だにこんなものを使っているのか?
そんなわけねーか。これは単なるオブジェのようだ。


そこに若社長のアンドレア・ポエジ氏が登場。
彼が工場内を工程順に案内して下さると言う。


ドイツの印刷工場にはどんな秘密が隠されているのか?
ワシはわくわくしながら工場の奥に歩を進めた。


電気自動車は仮想現実の夢を見るか?
                                                         巨○の受付嬢



<つづく>