中学ー高校3年まで、ヤマハの選抜クラスにいた。(KMCというクラス)
ここには、ドラムを専門とする男の先生がいて、先生は鍵盤を一切ひかない。でも、音楽性や音響、オーケストレーションなど広く深く教育をし、歴代のプロになった人や、コンクールの常連は彼にお世話になっていた。
私の恩師は、まさにこのクラスの一期生で、ここには、そうした先生の推薦を受け送り込まれる。
「KMCで鍛えられてこい」と、もちろん個人レッスンに加えて、毎週土曜日に通っていた。
ユニークなのは、入ってしばらくはひかせてもらえない。ちなみに15人くらい(中1から大人まで)が所属していたが、全て公開レッスンやセッションなどが行われる。朝の10時から22時ちかくまでヤマハの一室があてられ、そこに先生がいてくれて、これる時間からこれる時間までそこにいるというスタイル。
しばらくは、先輩たちの音楽をよく聴いて勉強しなさいといわれ、ある日突然、
「じゃあ、何か弾いてみて」とみんなの前でいわれる。
ここまで、聴いて勉強してきたんだから、いい演奏ができるよね?と。
そして、本人達の意思とやる気が全面に尊重される。
「誰からレッスンする?」ときかれ、
我こそはと手をあげる。
先生の意図はこうだ。
一番やる気のあるひとが、一番に手をあげる。だから、その人に一番時間をかける。
12時間もあるのだ。怖いのはここから。
たとえば作曲の課題。
一週間、寝ずに考えてきても
"ここは、違う方がいいよね。じゃあ、いまから時間あげるから作り直して。3つくらい違うパターンをね"とさらっといわれ、
文字通り、何時間でもできるまで待たれる。
もちろん、他の人も練習したり、先生と話したりしながら待つのだ。
で、その出来栄えをみんなが聴き、率直な意見をいう。
先輩であろうと、年齢がどうであろうと関係ない。
気を使って無難なことを言おうものなら、今度は逆に説教をされる。
"できません。弾けません"は
全く意味をなさない世界。そう、やるしかないのだ。
今の逞しさは、この時代に作られたのかも^ ^
そして、即興演奏や、ジャムセッションは、ここの人達は大好き...ってか、これも可否の選択はない。
エレクトーンが5台、ピアノ、ドラム、パーカッション
みんなが交代に楽器を回りながら、曲にしてしまう。
コンクールの前も、試験の前も、
そこにいる互いが審査員となり評価し合う。
でも、K先生は、そういう厳しさはあるが、基本は褒めて育てる人。
とはいえ、土曜日はお姉さんたちといれる楽しさや、刺激が盛り沢山とどうじにドキドキする一日でもあった。
いまおもえば、どれだけ恵まれた環境だったかと思う。
きっといまなら、もっと恥をさらしても無心にやれたかもなあと。
ユニークなレッスンでしょ?!
でも、この先生が、私の恩師ののことを
"yさんは厳しいもんね"というのだから、
厳しさはお墨付き。
クラスメイトも、それぞれがここの卒業生の先生についているが、みんなも自分達の先生を棚にあげて"Y先生...厳しいもんね"と。
まあ、そんなこんなの時代があって
学べたことは数知れず。
今の生徒達に見せてあげたいです 苦笑
