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叡電で一番面白いシーズンである秋ダイヤが今年もやってきました。毎年この秋は紅葉の多客対応の為に1ヶ月ぐらい専用のダイヤグラムが設定され、その期間中は列車の増発や臨時が出たりしています。その中でも特に面白いのが紅葉平日ダイヤの臨時列車で、今年もこれをひたすらに追いかけました。
かつては秋ダイヤの平日休日ともに臨時列車が存在したのですが、2023年から紅葉休日ダイヤの臨時列車は廃止され、最初から臨時列車を含めたぐらい増発したダイヤグラムが組まれるようになりました(修学院車庫の予備車は1~2両ぐらいになる)。一方で紅葉平日ダイヤの臨時列車は今年も引き続き設定されており、日によって不定期で走っています。
専用ダイヤグラムが組まれているといっても、真に専用と呼べるのは普段とは完全に別物となった紅葉休日ダイヤの方で、紅葉平日ダイヤの方は普段の平日ダイヤの発着時刻を前後1~2分だけ調整したり、列車の運用を一部追加したり組み替えたり程度の内容にとどまっています。なので紅葉平日ダイヤは、ほぼ平日ダイヤそのものに臨時列車を追加したぐらいの認識で大丈夫です。その紅葉平日ダイヤを今回は見ていきましょう。
紅葉平日ダイヤの臨時列車は午前の部と午後の部に分かれています。
それで午前の臨時列車は2本あるのですが両方とも朝ラッシュ時間帯に入庫する定期列車を、そのまま臨時として延長運転したものとなっています。
午前の部
単行:出町柳~八瀬比叡山口(4往復)
+出町柳~二軒茶屋(0.5往復)
2連:出町柳~二軒茶屋(0.5往復)
紅葉平日ダイヤ
午前の単行臨時運用
出→八→出→八→出→八→出→八→出→ニ
出町柳駅9時4分発の修学院行きを八瀬比叡山口行きの臨時に変化させ出町〜八瀬を4往復する運用で、最後に片道だけ二軒茶屋へやって来たら終了です。折り返しは回送で修学院へと帰っていきます。興味がなくて今年は撮っていないので写真はありません。詳しくは去年の記事をご覧ください。
紅葉平日ダイヤ
午前の2連臨時運用
出→二
出町柳10時10分発の回送修学院行きを二軒茶屋行きの臨時へと変化させ、二軒茶屋へ着くと終了する片道だけの運用となります。これも折り返しは回送で修学院へと帰っていきます。この運用だけ今年から正式に紅葉平日ダイヤの時刻表に組み込まれ、秋ダイヤ実施中は100%走るようになりました。なので厳密には臨時列車ではありません。臨時ダイヤ期間の定期列車という扱いですね。
他の臨時列車は秋ダイヤ期間中に不定期で走る都合上、公式サイトや駅の時刻表には載っていません。しかし、臨時が走る日には一部の駅に臨時列車の時刻表が追加で掲出されるので、現地で丸一日観測しなくても発車時刻は分かります。日によって走ったり走らなかったり、走っても一部の運用だけが運休したりと毎日コロコロ状況が変わるので、なんだかんだでダイヤグラム全体を把握するには何日も掛かりました…。
出町柳10:10→二軒茶屋10:28

801-851 元田中~茶山 2025/12/4
片道だけの二軒茶屋行きです。時間帯的に順光撮影は不可能なので後ろから撮影しました。去年の記事に載せたように折り返しの回送列車で良いなら木野〜精華大前で順光写真が撮れます。
次は午後の部に入ります。ここからが今年の秋ダイヤで一番面白い内容です。
午後の部
単行①:出町柳(修学院)〜八瀬比叡山口(4往復)
単行②:出町柳(修学院)〜八瀬比叡山口(4往復)
2連①:出町柳(修学院)〜二軒茶屋(1往復)
+出町柳〜八瀬比叡山口(1往復)
+出町柳〜二軒茶屋(1往復)
2連②:出町柳(修学院)〜二軒茶屋(1往復)
午後の部の臨時列車は計4本あります。しかし午前の定期列車延長の臨時とは違って普通に車庫から出庫して始まる運用のため、何の車両が充当されるかは直前まで分かりません。
紅葉平日ダイヤ
午後の単行臨時運用①②
修→八→出→八→出→八→出→八→出
両方とも流れは同じなのでまとめます。1本目と2本目の運用は、最初の往路のみ修学院から始まり八瀬比叡山口の折り返しで復路は出町柳へと帰っていき、引き続き出町柳〜八瀬比叡山口を3往復したら終了です。八瀬には計4回行きますが最初だけ修学院始発なので、実質3.7往復ぐらいの運用です。
これも撮っていないので写真は全くありません。リニューアルされてしまった700系を積極的に撮ろうという気力は自分には残っていません…
紅葉平日ダイヤ
午後の2連臨時運用①
修→ニ→出→八→出→二→出
3本目の運用は、これも最初の往路のみ修学院から始まり二軒茶屋の折り返しで復路は出町柳へと帰っていき、次は出町柳〜八瀬比叡山口を1往復だけしたら再び出町柳〜二軒茶屋を1往復して終了です。
修学院14:56→二軒茶屋15:06

801-851 木野~京都精華大前 2025/11/14
さあ午後臨最初の二軒茶屋行きが始まりました。去年の記事でも紹介した通り、この二軒茶屋行きは修学院始発でやって来ます。時間帯も去年と全く同じなので、この木野駅付近の撮影地は晴れたらバッチリ順光で撮影出来たのですが、曇ったのでこの有り様です…。まあ写真の出来はひとまず置いておいて、去年と違うことがありませんか?そう、単行ではなく
2連が充当されています。
これはゑゐ電オタク的にはかなり革命的な変更内容でして、叡電の臨時列車と言えばGWダイヤと秋ダイヤの臨時列車が主な内容なのですが、基本的には単行の700系でしか走らないので2連の800系が入ることはまずありませんでした。
そのため明るい日中時間帯に2連が二軒茶屋折り返しや八瀬行きに入る様子を見ること自体が非常に難しかったものの、今回の2連充当で比較的楽に撮影出来るようになりました。個人的には秋ダイヤの新時代がやってきたと感じています。
二軒茶屋15:14→出町柳15:33

815-816 修学院~宝ケ池 2025/11/17
折り返しの出町柳行きです。修学院駅を少し北に進んだところにある有名な踏切撮影地です。ここも晴れてたら順光でした🙁
出町柳15:41→八瀬比叡山口15:55

815-816 三宅八幡 2025/11/17
二軒茶屋行きの後は八瀬比叡山口行きへと変化しました。三宅八幡駅の八瀬行きホームから宝ケ池の山を背景に撮影しています。この時間帯の八瀬行きは逆光になるので、曇ってた方が逆に助かります。

802-852 三宅八幡~八瀬比叡山口 2025/11/11
晴れている場合は三宅八幡から八瀬比叡山口方面へ進んだところにある撮影地で、苦しまぎれに後ろから撮影しました。時間帯的に綺麗な順光写真が撮れるのは、やはり最初の二軒茶屋行きと折り返しの出町柳行きだけな気がします。それ以降はどこで撮影しても影が掛かってしまうでしょう。

801-851 八瀬比叡山口 2025/11/14
終点の八瀬比叡山口駅へと到着する様子で、2番線の先にある駅テラスから撮影しています。2番線へと入線して来ていますが2番線は1日で朝ラッシュの1~2回しか使わないので、臨時列車ゆえの珍しい光景と言えます。今まで八瀬駅の2番線に2連がやって来る事例と言えば、貸切列車かイベント用の留置車ぐらいでした。
八瀬比叡山口16:04→出町柳16:17

802-852 三宅八幡 2025/11/11
折り返しの出町柳行きです。ここで列車の側面にも日が当たってくれたら写りが完璧だったのですが、残念ながら叶いませんでした。

815-816 三宅八幡 2025/11/17
曇っているぶん晴れの日よりも暗いからか、早めの時間帯から前照灯を点けてくれました。

815-816 731 三宅八幡 2025/11/17
臨時列車同士の離合です。何日か現地調査した経験からしてタイミングにもよりますが三宅八幡駅か駅より少し出町柳方面の場所で離合するようです。2連と単行の臨時が宝ケ池〜八瀬比叡山口で離合するなんて、以前なら考えられなかった光景ですね。
出町柳16:25→二軒茶屋16:43

801-851 宝ケ池 2025/11/14
八瀬比叡山口行きの後は再び二軒茶屋行きへと変化しました。時間帯的に影落ちしてしまい何処の駅で撮影しても同じなので、鞍馬線の分岐点である宝ケ池を選びました。修学院や精華大前の方が撮り易いですが鞍馬線の列車を叡山本線で撮っても仕方がないし、精華大前はこの後で使う予定ですので無難に宝ケ池といったところです。
今さらですが11/14撮影の801には臨時列車なのに臨時パウチが掲出されていません😡😡

815-816 宝ケ池 2025/11/17
別日の同時刻撮影ですが、この日は曇っていたのもあってか写りが暗めです。

802-852 二軒茶屋 2025/11/13
最後に待ち構えるのは終点の二軒茶屋駅の更に先にある引き込み線で、ここは既に何回紹介したか分からないほど筆者が大好きな撮影地になります。そしてやって来た二軒茶屋行きは、大変素晴らしいことに駅到着後も幕回しを行わずに引き込み線までやって来てくれました。叡電は基本的に終点駅のホームに入線するまでに幕回しを行いますので、到着してもなお方向幕を二軒茶屋のままにしてくれた今回の運転士には感謝です🥲

813-814 802-852 二軒茶屋 2025/11/13
素晴らしい😍😍😍
筆者は二軒茶屋駅の本線と引き込み線で列車が並ぶ構図が昔から大好きなのですが、ここで2連同士が並んだ光景は今まで1回も見たことがなかったので(そもそも発生条件が存在しない)、今回の臨時2連充当によって撮影出来るようになり大変喜ばしいです。それとこの二軒茶屋行き折り返しは出町柳行きなので方向幕は出町柳にすれば良いと思うのですが、この短時間留置の為だけにわざわざ回送を表示させています。
二軒茶屋16:57→修学院17:10→出町柳17:17

802-852 二軒茶屋 2025/11/13
この運用は最後に出町柳に行って終了なのですが、方向幕が出町柳へと回されたタイミングで、先ほどまで掲出されていた臨時パウチが何故か回収されてしまいました。これは一体どういう事でしょうか…?
その答えは、この後の運用に関係しています。この二軒茶屋折り返しが修学院へ到着するのは17:09ごろなのですが実はそこから定期列車の夕方出庫運用へと繋がっており、修学院17:10始発の出町柳行きへと変化します。出発前から臨時パウチが撤去されたのは途中から定期列車になるからでした。臨時から定期列車に繋がるという午前臨の逆現象が午後臨には起きています。
午後の2連臨時運用②
修→二→出
4本目の運用は、またまた最初の往路のみ修学院から始まり二軒茶屋で折り返すと復路は出町柳へと向かい、早速そこで終了という実質0.7往復ぐらいの短い運用です。時間帯的に5限終わりの学生達を乗せるためだけに用意された帰宅ラッシュ臨といったところでしょうか。火祭ダイヤの時も鞍馬行き2連が観光客で激混みするので、地元民救済用に単行の二軒茶屋行きが設定されていますが、それを更に限定的にした列車だと思われます。
これも2連が充当されるので大変素晴らしい運用ではありますが、1往復にも満たずに終了する・修学院始発で北上していく・時間帯が日没後という、あまりにも存在が気付かれにくい臨時列車ですので今年から始まった運用なのかは確証が持てません。自身はとある有識者の御言葉により初めてこの運用を知りました。これだけ複数の2連運用を臨時に採用したのは今年が初なので去年は走っていないと思うのですが、正直なんとも言えないです…(列車運用オタクの敗北)。
修学院17:37→二軒茶屋17:48

813-814 811-812 京都精華大前 2025/11/13
ということで日没後に走る修学院始発の二軒茶屋行きです。この時間帯で修学院始発の北上列車なんか客が乗っている訳がありません。実質的に折り返し臨時出町柳行きの為の送り込み回送みたいなものです。日没後の鞍馬線夜間撮影駅は京都精華大前駅ぐらいしか無いので精華大前に来ましたが、この二軒茶屋行きはダイヤグラム的に100%定期列車の出町柳行きと並びますので、単体で撮るのは諦めてください。夜でも二軒茶屋駅の引き込み線から撮るという選択肢もありますが、この暗さで臨時パウチが写るかは危険な賭けですので自分はおすすめしません。結局のところ臨時パウチが撮影出来なければ鞍馬線終電の2連二軒茶屋行きと様子が何も変わらないですので、状況記録として成立しなくなります。ただでさえ夜は露出を上げると方向幕が白飛びして行先が分からなくなるので少しでも明るいところで撮った方がよいです。
二軒茶屋17:53→出町柳18:12→回送

811-812 京都精華大前 2025/11/13
折り返しの出町柳行きです。この時間帯に臨時を仕立てた叡電の目論見通り、帰宅学生達が沢山乗車しています。この列車は停車中に対向列車が来ることは100%ありませんので安心して撮影しましょう。
これにて紅葉平日ダイヤの臨時は紹介し終えましたが、秋ダイヤの見どころはまだ終わりではありません。更にとんでもない運用が残っていますので、最後に紹介していきます。
夜の鞍馬線団臨
【紅葉ライトアップ特別列車】
過去の
記事でも紹介した通り、叡電は毎年紅葉シーズンに合わせて市原〜二ノ瀬の「もみじのトンネル」を夜間にライトアップして、それを観るために夜に入庫する900系きららの運用を終電時間帯まで延長したり、出町柳〜鞍馬を1往復する公式の貸切列車「紅葉ライトアップ特別列車」を走らせたりしています。この延長運転と貸切列車は何年も前から続いてきた出来事なので一つ一つは珍しくないのですが、記憶が正しければ今年はきらら延長運転に使われる運用が変更したのと、貸切列車に使用される形式が全て900系になった(以前は全て800系が使用されていたが2023年から900系も使用され始めた)ことが上手いこと重なって、
延長運転したきららと貸切列車のきららが鞍馬駅で並ぶという現象が起こる事に、自作ダイヤグラムを制作していたら気付きました。
鞍馬線できららが並ぶといえば、通常ダイヤでは宝ケ池や精華大前で条件次第では二軒茶屋でも並び、秋ダイヤでは二ノ瀬でも並んだりしますが鞍馬で並ぶというのは聞いたことがありません。唯一知っている事は1998年に2編成目の903-904が竣工する際に試運転で鞍馬まで持っていき、901-902の営業列車と並べたという話ぐらいです。いうても900系は30年近い歴史があるのでそれ以外でも鞍馬駅で並んではいそうですが、自分の中では初めてなので絶対に見に行くしかありません。
そして運転延長したきららが鞍馬駅2番線に到着し、折り返しに備えて待機していると…

901-902 903-904 鞍馬 2025/11/25
貸切列車のきららが鞍馬駅1番線に到着し、鞍馬駅でのきらら並びが発生しました😭

901-902 903-904 鞍馬 2025/11/25
貸切列車は定期列車の隙間を縫うように走らせているので、貸切列車が到着次第すぐに反対の定期列車が発車していきます。鞍馬駅で並んだのは1分未満といったところでしょうか。下車してきた貸切列車の乗客たちもきららが並んでいるのに気づいてスマホで急いで撮影しだすのですが、皆お互いが邪魔になって満足に撮影出来てるようには思えませんでした。自分もこのアングルでは左の901-902が発車していく最後まで乗客が駅ホームに滞留して写り込み続けたので、このカットしかありません。
なので実質的な撮影チャンスは先ほどの1回だけですね。貸切列車が駅ホームに完全停車して被写体がブレなくなったその瞬間が狙い目です。駅に停車したら速攻で前照灯が消えて暫くするとドアが開閉するので、撮影可能時間は1秒もなかったと思います。

903-904 鞍馬 2025/11/25
並びが終了した後の鞍馬駅です。この折り返しの貸切列車に乗れば出町柳で京阪の最終特急に乗れるのですが、勿論乗客ではないので自分には関係ありません。もう何回目か分かりませんが大阪市民の自分は今回も叡電撮影で終電を逃しました。700系の鞍馬線運用しかり、火祭ダイヤの鞍馬線回送しかり、運用変更の二軒茶屋&八瀬きららしかり、叡電の面白い運用は大体どれも22時以降に走るので仕方ないですね。
今年の秋ダイヤは未更新の700系が居ないので行く必要なしと思っていましたが、2連運用の増加や鞍馬のきらら並びと全く新しいものが誕生してきたので、結果的にはかなり楽しめました。来年もこの調子で面白いものが見れるならまだ引退せずにやっていけそうです。