1月にイタリアではレストランやバール、職場や公共施設などの屋内における喫煙が全面的に禁止になった話を書きました。
一方、アイルランドでは昨年からパブなどでの禁煙法(スモーキングバン)を施行していて、先日1年を迎えました。
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CNN/REUTERS
ダブリン
アイルランドでレストランやパブ、職場など公共の場が全面禁煙となって以来、29日でちょうど1年を迎えた。 全国的な禁煙法の施行前は、パブで一杯やりながら一服するという習慣が国民生活に根付いていたため、混乱が懸念されていたが、意外にもそうはならず、今ではパブの外でたばこを吸う人々の姿がすっかり街になじんでいる。
公共の場を全国的に禁煙にしたのは、世界でもアイルランドが初めてだった。
米国ではニューヨーク市とカリフォルニア州がアイルランドに先立ち、禁煙法を導入していたが、全国レベルではアイルランドが初めてだった。 今ではマルタやノルウェー、イタリアなども、全国的な禁煙法の導入を検討している。
ダブリン市内のバーのバーテンダーで、タバコを吸わないパディ・マーティンさんはロイター通信に対し、「前よりずっと健康的。 仕事を終えて帰宅するときも、前より気分がいい」と話している。 しかし、全面禁煙が国民全員に歓迎されているわけではない。 パブのオーナーの中には、禁煙になったため売り上げが大きく落ち込んだと主張する人もいる。 昨年は、たばこの売り上げも下がり、前年比18%減だった。 こういった主張に対し、パブの売り上げが落ち込んだのは禁煙法のせいではなく、パブで飲むビールの値段が高いことや、パブに通うという生活習慣そのものが廃れているからだという意見もある。
ダブリン市内では、バーで飲むハーフ・パイント(約250ml)のギネス・ビールが2.6ユーロ(360円)する。 酒屋で同量の缶入りギネスを買うよりも、1ユーロ(約138円)高い。
欧州連合(EU)統計局が昨年まとめた調査でも、アイルランドにおけるアルコールの価格は、欧州連合諸国よりも高いことがわかっている。 また、アイルランドが経済成長を遂げた1990年代、自宅でのワイン消費量が増加するに伴い、パブなどでのビール消費量が低下したと見られている。
一方で、パブの外でタバコを吸う人間の輪が、新たな社交場になっているという意見もある。 英国からダブリンを訪れて、人気パブの外でタバコを吸っていた女性は、「中にいるより外でこうしてる方が、いろんな人に会える。 でもイギリスで同じ禁煙法を始めたら私は絶対に守らないから、あちこちで出入り禁止をくらうかも」とロイター通信に話した。
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