陽に焼けて白くなってしまった畳から感じる微かな香り。
懐かしくて、温かい。
ついこの間まで蝉が騒がしく鳴いていたのに
最近は風も涼しくて秋が近付いていた。
外観は廃墟と見紛うようなこのボロアパートが今日から僕の城だ。
たった四畳半の城、僕の全てがここから始まる。
「…… っと、まずは掃除かな。」
いくら荷物が少なくても引っ越しとなればある程度のごみは出る。
適当に片付けて今日はさっさと寝よう。
「ねぇ、ほんとに行っちゃうの?」
「ん、ごめんな。」
「なんで謝んのよ(笑)」
「あのさ、ちゃんとした人間になったらさ
迎えに来るから待ってて…くれないかな…。」
「………ふふっ。
ずっと、待ってるよ。」
朝日が、眩しい。
気が付いたら寝ていたみたいだ。
ついこの間の様な、ずっと昔の様な。
そんな夢を見ていた。
「今日も…頑張るか。」
少し背伸びをしてドアを開けた。
肩を横切る風が気持ち良い。秋が近付いている。
Android携帯からの投稿