今じゃない時。
ここじゃない場所。
そこには感情を表に出せない女の子がいました。
嬉しくてもうまく喜べない。
楽しくてもうまく笑えない。
悲しくても涙は落なくて、怒りは遥彼方に。
不器用な感情を出すに出せないそんな毎日。
そんな女の子がいくつの時だったか突然に言われてしまったのです。
「何考えてるのか分かんなくて怖い。」
女の子だって自分の考えを、想いをあなたに伝えたいのです。
でも女の子の感情は表に出た途端、崩れて無くなってしまいます。
怖いと言われてしまった女の子はとても悲しみました。でも、涙は零れません。
それから女の子は一生懸命喜びました。笑いました。泣きました。怒りました。
精一杯、自分の感情を表しました。
これなら、怖がられない。そう思いました。
でも女の子はまた、感情を閉じ込めるようになりました。
どこかの誰かの心無い一言によって。
「なんかさ、嘘臭いんだよね。笑顔も、泣き方も、怒り方も。気持ち悪いよ。」
感情を精一杯表現したら、うまくいくと思ったのに。
もう、悲しまなくて済むと思ったのに。
女の子はとても、とても、悲しみました。
でも、その瞳に涙はありませんでした。
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