なにも考えてないのに見切り発車で書き始めたSSです。読むと貴方を苛々させる・・可能性を秘めています。触らぬなんとかになんとかです。おこがましいんでぼかしました。

そういえば魔銃の使用の記述をもう少し詳細にしたかったのですが、運営に魔銃士の質問をしたところ、「まぁ今度載せとくわ。マニュアルに。」みたいなノリで返されたので、どうしたものかなって感じなんですよね。取り敢えず放置で。

あと戦闘描写は適当にやりすぎました。戦闘方法が全然決まってないのに見切り発車した結果がこれです。でも直す気はありません。全部消したほうが効率がいいからです。




日が昇りまた沈む。そんな永遠にも思える天体の営みも、その始まりと終わりは時空により確かに分断されている。一見、永久の反復性を有するようでも、巨視的な視点で見ればそうでないことは明々白だ。

そんな一連のテキストを以ってこの物語は始まる。

この物語が綺麗な形で締め括られることがないのは、この物語自体に物語性がないからだ。

だとすれば、番いの始まりもこのくらい曖々昧としているのがちょうどいい。

そんな益体もないことを、僕は考えていた。

どれだけ暇なんだと聞かれれば、相当暇だと返答するしかなく、その返答を以って僕の暇さ加減が極まっていることが推測できようかと思う。

リゼネリ・ベルザァード、と。学園に提出するクエストの報告書類にそう署名して作業を終える。作業机を離れ、同じ室内にある寝台へ腰をかける。ベルトに手をやり、魔銃の入ったホルスタを外して魔銃を取り出す。

そこで思い出したように立ち上がり、作業机の引き出しから工具箱を引っ張り出してきて、再度腰を下ろす。

いつものように魔銃を分解し、機関部の埃を取り除く。魔術端子は入念に。

そんなルーティンワークをこなしながら、僕は昼間の出来事を思い出す。



僕と、一応相方のエリエス・アーマデリアは、学園の依頼で学園から小型飛空挺で約4時間程度離れた森へ来ていた。今回の依頼は数匹の野生種を狩ってその生体組織を持ち帰るという比較的易しいものだ。

特に問題もなく終わり、夕方には報告書を仕上げられるだろう、と頭の片隅で考える。

ひらけた場所に着陸させたアルバトロスから歩くこと十余分、鬱蒼と茂る木々が太陽の光を遮り、辺りは午前中だと言うのに薄暗い。

僕は依頼の内容を確認するように、プリントアウトした書類を眺める。

生体組織の採取対象は主にイヌ科イヌ属のオオカミに近い生物、使用用途は初等部の理学実験用。

はぁ?こんなもの業者から仕入れろよ。反射的に僕はそう突っ込んだ。コントラクターを動かさなければならないとすればそれなりに値が張るのか?まぁクエスト自体にコントラクターの養成という目的が含まれているのだろうし、仕方ないか。

そう自分を納得させてエリエスに視線をやる。二人でいるときや、知人と話すときは僕は大概彼女のことをエスと呼んでいる。

その彼女は脇に保存用の冷却容器を抱え、逆の手で本を持って歩いていた。

普段ならクエストに本なんて持ってくるなよと文句を言ってやるところだが、今回は僕の番なので致し方ない。

僕の番というのは、難易度の低いクエストはパートナーは同行こそするものの一人で片付けるという決め事が僕らの間にあり、今回は僕が一人でクエストを遂行する番という意味だ。


さて、肝心なのは獲物の狩猟方法だ。一般的にオオカミは険しい山々や、岩石の多い場所の岩穴に生息されているとされるが、パラミタのオオカミは少し違う。まず体格からして50kgをゆうに超える個体がざらにいる。毛皮も硬くただの銃弾を当てた程度ではそうそう致命傷となることはない。さらにはその生命力も高く、分布地域も環境を選ばない。そしてなにより非常に好戦的だ。

つまり、こうして森の中を数分歩いていれば・・・。

がさがさと落ち葉を蹴り上げ、数匹の獣が駆ける音がする。

こうして向こうから狩りにきてくれるわけだ。労いの言葉の一つでもかけてやりたくなるな。

木々の間からオオカミたちが姿を見せる前に、数発の魔弾を周囲に放つ。

その発砲音が数匹のオオカミを警戒させ、その速度を鈍らせる。

しかし、果敢にも2匹のオオカミが木々の間から躍り出る。

狙い通り。まずは二匹に向けて魔弾を放ち、魔術を紡ぐ。二つの魔弾は片方のオオカミの肩を穿つが、もう一匹には完全に躱されてしまう。

銃弾を避けたオオカミが僕を目掛けて飛び掛るっ!

しかし、眼前に紡いでいた魔術が展開。紅蓮の炎がオオカミを包む。

そのまま慣性で飛んでくるオオカミの頭部に銃のグリップを思い切り叩き込むっ!一匹終了。

「遅いわ。今のは炎の魔術でなくてノックバック作用のある魔術で弾き飛ばすべきだったわね」

後ろから本を読んでいるエスが口を挟む。精神感応で全ての状況は把握されてるのだ。

「まだ覚えてねぇんだよ」

「精進なさい」

心の篭ってない言葉を吐いて彼女は会話を放棄した。

銃声で速度の緩まったオオカミが追いつき計4匹が僕を取り囲む。

僕は二挺の拳銃を傷を負ったオオカミに向け、連続で銃弾を放つと同時に魔術を展開。

オオカミと僕の間に炎の壁を作り、牽制を行いながら、負傷で上手く動けないオオカミを蜂の巣にしていく。二匹。

その間に炎の壁を突っ切って突撃してきた一匹目のオオカミを躱し、二匹目を蹴りでいなす。

まだ遠くにいる三匹目に銃弾を放ちながら、一匹目に魔法を浴びせる。

炎の直撃を食らった一匹目は暫らくのたうち回るがやがて力尽き、三匹目は脳天に命中し絶命。三と四。

起き上がるなり逆方向へ駆けていく最後のオオカミの足へ銃弾を浴びせ機動力奪う。

僕は横たわるオオカミへと歩いて近づき、銃を向け頭部を撃ち抜く。終了。

「解体は任せた」

僕はエスに向かってそう言った。

「最後までやりなさいよ」

「でも今日刃物もってきてないし」

「仕方ないわね」

彼女はそう言って本を閉じ、取り出した刃でオオカミの肉を削ぎ、冷却容器へしまってゆく。

本格的な保存処置はアルバトロスの中でやればいい。

「しかし、野生の生物は牽制が上手くいかないな。こいつら、たいした痛手にならないと思ったら簡単に突っ込んでくるし」

「もう少し、魔術の種類を増やせばいいのに」

「まぁゆくゆくはそのつもりさ」


そんな会話をしているうちにエスが解体を終える。

冷却容器をエスから受け取り僕らはアルバトロスへと戻った。



と。だいたいこのような話だ。

銃を思い切り打撃に使ったが、今確かめても特に問題はない。勿論、もともとそういう用途に使えるよう可能な限り頑丈に作ってはあるのだが。

僕はふぅと溜息をつき、魔銃を組みなおしホルスタに収めた。

そして寝台から立ち上がりホルスタをクローゼットにしまい、踵を返して寝台へダイブする。

あれだけの運動をしたのだ。心ではそうでもなくとも身体は疲れていたのだろう。魔術・・何か覚えておかなければまずいなぁなどと考えているうちに、寝間着に着替えるのも忘れ、僕は眠りについた。












SS的なものです。読むと精神を汚された気持ちになることが出来るとか出来ないとかそもそも意味が分からないとか。ただ一つ確実なのは、読んだ後貴方が時間を無駄に失うことです。それでもいいって猛者はかかってきやがって下さい。(加筆修正は気が向いた時になんの躊躇いもなくやります。悪びれもせずに。)




リリリリリ、と目覚ましが告知の音をあげる。

ともすれば零れそうな眠気を零さないように薄目を開けて、眩しさに眉間を歪める。

んんと唸って心の平穏を乱す不埒な輩を手探りで探すが、そうこうしているうちに頭が冴えてしまう。去っていった平穏を名残惜しく思いながらも、今日やるべきことを頭のなかで確認する。

「あら、起きたの?」

雑音が聞こえるが、雑音と会話するほど寝惚けてはいないので無視。

「眼を開けて寝るなんて器用な人ね。眼球が干からびればいいのに」

「起きてるぞ」

「知ってるわ」

彼女はこともなげに答えてリビングへ向かう。僕に声をかけたのも単に通りすがったついでだったようだ。

ゆっくりと思考を紡いでいた僕の頭も、今日は特にやることがないという結論に至ったようで、リビングでごろごろする方針を決定。寝間着を脱ぎ、シャツに袖を通す。

いつもの癖でクローゼットからズボンと魔銃の入ったホルスタを取り出すが、必要ないホルスタは元の場所に戻す。脱ぎ捨てた寝間着を掴み、洗面所で向かう。

到着。寝間着を籠に放り、眼を擦りながら鏡を確認。蛇口を捻り放水。冷たい。軽く心を決めて顔を洗う。この感覚はあまり好きじゃない。歯磨きを済ませ、手櫛で髪を梳きながらリビングへ。

本を読む彼女を視界の隅に確認。読書は気分ではないので、クッションを掴み、絨毯の上に転がる。ちょっと眠気が甦るが、ここで寝ては起きてきた意味がないので頑張ってそれを振り払い、彼女に話しかける。

「何読んでるんだ?」

「魔術抵抗作用のある生体組織の構造とその用途」

「へぇ。面白い?」

「あなたよりは」

「比較対象は選べ。それは君が蟻よりはかわいいって事実とそう変わらない。ただ残念なのは君のかわいさが蟻にしか対抗できない点だ」

「蟻だって案外かわいいと思うわ。小さいし」

「僕の基準で判断するから大丈夫だ。僕の中での蟻のかわいさを数値化すると32467くらいだよ」

「そのパラメータの上限が35なのね」

「思い込むだけは自由だ、というありきたりな言葉をもって僕の回答とさせてもらおう」

彼女が本へと集中しなおし、僕らの間に沈黙が生まれる。気まずいというよりは心地よいたぐいの沈黙が。僕は絨毯に降り注ぐ淡い陽光を見つめる。ゆっくりと時間が過ぎてゆくこの光景を僕はただ綺麗だと感じている。

 この時間が永遠に続いてもそれはそれで構わなかったが、どうしても否めない手持ち無沙汰感を紛らわすために、またぞろ、彼女にテキトーな質問を投げかける。

「なぜ僕たちはお互いが嫌いなのだと思う?」

「あら、あなたは私のことが嫌いなの?それはとてもショックだわ」

私はあなたのことが大嫌いだけど、と彼女が言う。

「僕のことが嫌いだなんて、傷つくなぁ。嘘みたいだけど、これは本当に嘘」

彼女が本を閉じてこちらに向き直る。

「私があなたを嫌いなのは、あなたが他人を騙してるからよ」

「それは君だって同じだろう。そして僕は君のそういうところが嫌いだ」

「そうね。あなたが他人と話しているときの本音が全て伝わってくるわ。私と同じ人間なのだなって思う。私の嫌いな私とね」

「君こそ僕と全く同じように感じてるだろう?僕が許せない僕と同じようにね」

クッションを抱いて寝返りを打つ。白い天井が綺麗だ。

そんなことを思っていると彼女の返答が返ってくる。

「気持ち悪いのでしょう?他人が。下らない茶番を見ていると吐き気がしてくる、違う?」

「そしてそんなしょうもないことに嫌悪感を覚えている自分が許せないんだ。違うか?」

お互いに発した問いの両方に僕らは同時に答える。

「その通りよ」

「その通りだ」

「私たちは分かり合ってるからこそ、嫌い合っているの。もし分かり合えなかったとしたら、この関係は何か変わったのかしら」

「変わらないよ」僕は溜息を吐くように答え、続ける。

「変わらない。僕らは周囲に迎合するよう振舞っている。流石に自分で言ってて吐き気がするような台詞までは吐けないが」

「でもだとすれば、嫌いになるような理由はないわ」

「僕らは吐き気がするような台詞をいう他人を嫌っているのか?」

「いいえ。吐き気がするのは私たちに原因があるのよ。そんなことで嫌いになれないわ」

「そう。だから、嫌い合えるのは僕たちだけだ。僕たちが理解し合えないとしても、それだけは変わらない。だいたい、もしこうだったらこう変わったのに、なんて思うのは僕たちらしくないだろう?」

「それもそうね。私たちはどんな他人からも受け容れられないかもしれないけれど、そのことは甘受しましょう。嫌いあうのは私たちだけで十分よ」

「そうだ。僕らは理解できもしない他人を嫌うべきではない。どんな他人に拒絶されても、僕たちは拒絶しない。そのことに意味はないかもしれないけれど、せめて他人の拒絶に僕たちにとっての意味を与えないために」

嫌われたとしても嫌ってやる理由はない。僕たちを嫌ってるやつらなんて放っておけば、離れていくだろうし、それを態々気にかけてやるのも馬鹿らしい。

僕らの嫌いという感情は、ただ僕と彼女のためにある。

そうして、そのようなやりとりをするうちに、僕たちの一日は過ぎていった。



僕たちが話している間中、部屋の外では暗い雲より激しいにわか雨が降り注いでいたが、そんなことは全く僕たちと関係なかったし、なにより、会話を終えた僕が窓の外へ視線をやったときにそこに残っていたのは、綺麗な虹だけだった。





明日の陽が昇る前に。 (イラスト:黒月うさぎ様)

エリエス・アーマデリア。ごく普通の、いわゆる中流階級の家庭に生まれ、幼少時から強化人間として研究施設通いの生活をしてきた。19歳の時リゼネリと出会い、コントラクターになる為に契約を行った。

精神は強化人間によくある不安定な状態だが、ヒステリックに喚き散らすようなことはなく、常に鬱に近い状態にある。他人の前では出来る限り明るく振舞うが、内心は自分の利害関係でしか物事を判断してない。

夢見がちな一面もあるが、多くの場合リアリスト的な思考であり、現実的な論理が真実だと思っていることが逆説的に夢見がち。
リゼネリのことは自分と同じ種類の人間だと認識しており、好きではない。


ミラージュ、実践的錯覚を用いて常に自分の位置を誤認させてあらゆる物理攻撃を躱し、フォースフィールドや魔術を減殺する武具を用いてあらゆる魔術を掻き消す防御のエキスパート。

攻撃方法はサイコキネシスと物質化・非物質化で、消えた武具を操り斬りつけるほか、フラワシを用いて魔術攻撃を行う。リゼネリと同じく手数で攻めるタイプ。