やめてほしい勉強法 | 新・中学受験塾講師の独り言

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がんばれ!受験生!

日々、授業に際して宿題チェックをしていると、もあれば、×もあります。そして、数式から答えに至る手順を赤ペンで書き記した上でが付いている問題もあります。

 

このような宿題ノートを見ると、生徒は頑張っているなと思います。しかし、それで成績が上がっていくのかというと、このような宿題ノートではなかなか成績は上がりません。

 

なぜ、このようなことが言えるのかというと、成績が上がるためには、自力で正解できなかった問題を自力で正解できるようになるというプロセスが必要です。では、自力で正解できなかった問題では、解説を見て数式~答えを赤ペンで書き写せばそれで解けなかった問題が解けるようになるでしょうか?

 

 

断言します。なりません。

 

 

このような勉強法で成績が上がるなら、大手塾で使っているテキストを書き写すだけで誰もが成績が上がるということになってしまいますが、そんなことは起こらないですよね?

 

つまり、解説を書き写すという作業は、国語でいうなら記述問題を白紙で提出し、後刻、模範解答を書き写している作業と同じだからです。国語の記述問題で模範解答を書き写すだけで後日模範解答のような素晴らしい記述を書けるようになりますか? ならないですよね(冷たい言い方をするならカンニングと変わりません)。

 

どの科目でもそうですが、ある問題の解答というのは結果論的に正解というだけであって、その解答自体には何らの価値もありません。価値があるのは解答に至るまでの「プロセス」です。

 

ですから、〇付けをする際は、潔く正誤判定のみを行い、不正解だった問題は解説を熟読するというプロセスを組み入れてほしいのです。その上で、適当な時間が経過後、不正解だった問題を解き直してみて、そこで自力で正解できたのであれば、今度こそを付けたら良いと思います。

 

 

下記リンクは、このブログで一番アクセス数の多い記事ですが、ここで登場してくる生徒は、本当に健気なほどに解けなかった問題に何度もチャレンジしていました。

 

 

解説を読んで結果的に解けるようになった問題にはが付いていましたが、宿題提出当日になっても自力で解けなかった問題は、×が何度も付けられ、塾へ来てから質問に来て、しっかり理解してから帰宅していました。

 

これが勉強だと思うのです。数多くの難問に挑んだ数で成績は決まりません。自力で解ける問題、すなわちその科目における自分の守備範囲をしっかり固め、その守備範囲を広げていくことが確実に成績向上につながるのです。

 

レベル2の問題が解けないからレベル2の問題が解けるようにとレベル4の問題を解かせれば、レベル4の問題が解けなくてもレベル2の問題が解けるようになるかといえば、そんなことはありません。これでは生徒の劣等感を増長させてしまうだけです。

 

急がば回れ

 

土台をしっかり固める勉強こそが最短最速で成績を向上させる術なのです。